イラストSS

「で、ツリーがあんの」
　当然のようにクリスマスツリーを飾ろうと言い出したのはマリネだった。
「そっか……うん、いいよ」
　マリネの提案に、オリヴァーも頷いた。オリヴァーは、こうやって誘ってくれるマリネのことが嫌いではない。
　ともすればぼんやりスルーしてしまいがちなイベントを楽しめているのは、ぐいぐいと引っ張って行ってくれるマリネのおかげだろう。
　オリヴァーは、どちらかといえば一人の方が気楽なタイプだ。けれど、親しい人と一緒となれば、その時間は大切なものとなる。
　マリネとオリヴァーはずっと一緒に育ってきた、気の置けない仲だ。イレギュラーズとして召喚され、いままでやってこれたのは、お互いがいたからかもしれない。
　二人で協力しながら、ツリーを飾りあげていく。
「リヴ、お星さまつけんの？　つけていい？」
　しかし、オリヴァーからの返事はなかった。
「リヴ？」
　オリヴァーは疲れ果てて寝てしまっていたらしい。床に横たわり、すやすやと気持ちよさそうに寝ている。
　それは他人にはめったに見せない表情だ。
（リヴがいないとつまらんし）
　マリネもオリヴァーをまねて、床に寝転がってみる。しばらくすると、二人分の安らかな寝息となっていた。

　※担当GM『布川』