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マルク・シリングのIzm:による2人ピンナップクリスマス2018(横)
マルク・シリングのIzm:による2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
交わした約束があったのだ。
「ファントムナイトで南瓜灯籠を見た夜の事、覚えてる?」
シャイネン・ナハトの夜も共に出かけようと。マルクとアンナは約束していたのだ。
「ええ、勿論……約束を守れてよかったわ」
ただ場所をどこぞとは決めていなかった。故、マルクに連れてこられたのだが。
「でも――まさかこんな素敵な景色を見れる場所があったなんて」
「はは。色々聞いて回ってみて、ね。穴場らしいんだ」
橋の上。イルミネーションで彩られた蒼き輝きはどこまでも。
視界の果てには夜景が存分に。家々の灯りが星の如く。
「街全部が輝いているわ。どんな宝石よりも綺麗……」
ほう、と思わず白き吐息を。
漏れた言葉は率直に。故郷の――天義にいた頃は見られなかった光景に、アンナは想わず心を奪われる。眩しくて、目が眩みそうなほどの景色に。
「うん。寒い分、空気が澄んでるのかな。灯りがとても、綺麗に見える」
そんな彼女の横顔をマルクは見据えて。こちらには気付いていないだろうか。イルミネーションの光が映る……アンナの瞳を見つめているなんて。気付かれてはいないだろうか。
夜は更ける。今暫く。今暫くこの時間を今ここに。
望むべくならば。どうか来年もと、願いながら。
※担当GM『茶零四』