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未知袋は夜を駆ける
未知袋は夜を駆ける
イラストSS
シャイネン・ナハトの夜。アルーシャ・テーゼは「ぐへへ」と女らしからぬ笑い声を上げていた。
目を輝かせる彼女の服はボロボロだが、理由は割愛しよう。それよりも、彼女の興味は新たに見つかった文書とソレに向けられている。
「なになに、この衣装を着て人々に未知を届けることで新たな未知が姿を現す。──未知が姿を現わす!?」
がばりと文書から顔を上げたアルーシャ。人目のないところで急いでソレ──ミニスカサンタ衣装に着替え始めた。
「こうしちゃいられません! 未知が私を待っています! さあ行きますよ皆さん未知を届けに行きますからね!」
文書が明らかに怪しいとか。どうしてミニスカサンタなんだとか。そんな諸々は総スルーしてアルーシャは屋根へ登った。
肌色眩しいその衣装は不思議と寒さを感じない。これも未知のおかげか、なんて思っている矢先に足元がぐらつく。間一髪持ち直したが、屋根から落ちたらイレギュラーズとは言えど無傷では済まないだろう──と背筋を震わせて。
「……いいえ、こんなところで挫けるなんてまだ早い! 未知を絶対に見つけるのです!」
──しかし、新たな未知の前に諦めると言う選択はない。
慎重に屋根の間を飛び越え、伝って。未知袋は夜を駆ける。
※担当GM『愁』