イラストSS

　教会前。
　クラリーチェ・カヴァッツァと鬼桜 雪之丞は集まった子供達にプレゼントを配る。
　サンタらしいサンタではないけれど、おそろいの白と赤の花の飾りをつけて、大きな白い袋にプレゼントを詰め込んで、子供達の前へと姿を現す。
「さぁさ、順番に並んでくださいまし。
　慌てずとも全員の分を用意してあります故、お待ち下さいませ」
　何て言葉も子供達には上手く届かない。
　早くプレゼントが欲しいのだと、わいわい詰めかける。
「はい、ちゃんと並ばないとプレゼントは渡せませんよ。
　サンタさんは聞き分けの良い子を見ていますからね」
　クラリーチェは子供達の扱いに長けているようだ。ニコニコと微笑みながら、そう優しく言葉を掛ける。
　整列して、順番に並んだ子供達。そんな様子に二人は微笑んで、プレゼントを配り始めた。
「さぁ、どうぞ」
「何が入っているかは開けてからのお楽しみですね」
　一つ一つ、手渡しで。子供達の喜ぶ顔をしっかりと見ながら渡していく。
　それはきっと、ホンの小さな幸せに過ぎない。
　けれどきっと、その小さな幸せを積み重ねて子供達は大きくなっていく。
　輝かんばかりのこの日に――少しばかりの幸せを与える事が出来たのなら、きっと二人も幸せになるに違いないのだ。

　※担当GM『澤見夜行』