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食べさせるか食われるか Dead or Christmas
食べさせるか食われるか Dead or Christmas
イラストSS
今日は幸せな一日だったと、ベルナルド=ヴァレンティーノは思う。
恋人と過ごすシャイネンナハト。別れる時間はどうにも切なくて。でもその切なさも愛情に変わるそんな夜。このまま幸せな気持ちのまま眠りにつくはず、だった。
なぜか消灯して出たはずなのに自宅のリビングルームに灯りが灯っている。嫌な予感がする。
「嗚呼、この時期は来る日も来る日もミサばかり! 退屈は私は人も殺せるわ。ねぇ、ベルナルド?」
鈴のような声が聞こえる。誰かはすぐにわかる。拘束具がこすれる音がした。
「何が言いてぇんだ聖女サマ」
我が物顔でお気に入りのソファに鎮座するは聖女アネモネ。最悪最低の時間が始まる。
「このままじゃ私、唐突にフライドチキンが食べたくなりそう」
唐突な言葉に頭が痛くなる。最低だ。
「食ってこればいいだろ? 回りくどい言い方してんじゃ……ぐっ」
愚痴の言葉は最後までは紡げない。四肢と首に金色の鎖がまとわりつく。彼女の胸先三寸でこの鎖は命を奪う凶器になりかねない。
「もてなしなさい、『小鳥』」
そうかい、フライドチキンは俺ってことか、とそこで気づく。
ベルナルドは渋々とキッチンにむかい夜食の準備をする。
「まずければ、許さないから」
そういって首の鎖がきゅうとしまった。
ああ、ほんとうに最低の日だ!
※担当GM『鉄瓶ぬめぬめ』