イラスト詳細
ルツ・フェルド・ツェルヴァンの黒七海による2人ピンナップクリスマス2018(横)
ルツ・フェルド・ツェルヴァンの黒七海による2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
「わぁ……!」
その光景に透垣 政宗は感嘆の声を上げ、思わず止まった。ルツ・フェルド・ツェルヴァンも途中で立ち止まってそちらを見る。
「……イルミネーションか」
「もうちょっと近くで見てみない? きっととっても綺麗だよ!」
ね? とぬいぐるみ片手に振り返る政宗は微笑んで──けれど、そこには寂しさが滲んでいた。これは『帰り道』だから。このまま歩き続ければ、楽しい今日は終わりを迎えてしまう。だから、少しでも長く。
2人でイルミネーションの近くまで行けば、様々な色の光が彼らを包んだ。心の踊るような煌めきに政宗は「そうだ」と呟く。
ルツの持っていた買い物袋を漁ると、政宗はスノードームを取り出した。イルミネーションへ翳すとルツに体を寄せる。ふわりとシャンプーの香りがルツの鼻孔を擽った。
「ほら、見て」
中で舞う雪と、反対から透けるイルミネーション。キラキラと煌めくその世界は幻想的で、どこか儚くて。
「……ねえ、ルツ。また一緒に出掛けようね」
それは終わりへ向かう今日から、また始まりへ向かういつかのためのもの。ルツは彼の頭を見下ろし、スノードームへ視線を移して。
「あぁ、そうだな……」
──ほんの僅か、笑みを浮かべた。
※担当GM『愁』