イラスト詳細
クラリーチェ・カヴァッツァの獅子唐による2人ピンナップクリスマス2018(横)
クラリーチェ・カヴァッツァの獅子唐による2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
暖かなセーターを着こんで教会の屋根に登ったグレイはそこから見える景色に感嘆の声を漏らした。
「ああ……! 綺麗だ、これは」
街は人々の手によって華やに輝いていた。心躍る景色に彼は深い感動を覚える。
「少し肌寒いですが、あちこちの光がとても綺麗ですね」
両手にマグカップを持ったクラリーチェはいつもの修道服ではなく、緩くマフラーを巻いた私服だ。
(段着は久しぶり……)
服装が違うだけで、ゆったりとした気持ちで夜景を眺めることができた。
ふと、小さな訴え。
「寒いのですか?」
抱き上げると、白猫が彼女のスカートの上で丸くなった。
そう言えば、置かれたグレイの帽子の中でも黒猫がちゃっかり暖を取っている。
「あの光、ひとつひとつが誰かの物語だと思うとワクワクするよ」
カップに口を付けながらグレイが言った。
彼は、この輝きの中で生まれているであろうものへ想いを馳せているのだと、彼女は気付く。無邪気にはしゃぐその姿は、むしろ、光溢れるその中へ混ざっていきたいと思っているかのようで。
クラリーチェは穏やかに微笑む。
「明日はあの光の中に行ってみましょうか」
誘いながら、彼女は明日は何を着ようかと考えた。
※担当GM『依』