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レンジーの山中みや子によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
レンジーの山中みや子によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
イラストSS
シャイネン・ナハトを迎えていつも以上に賑わう街並みを、洒落た服装の少女が歩く。
「ふうむ、今日は寒いなあ」
聖夜に縁のある植物をあしらった大きな帽子の下で、レンジ―は呟いた。
寒さが苦手な彼女が今日のために選んだ茶色の手袋も緑のコートや帽子も、ふわふわのファーが付いていて充分暖かい。だが、賑やかな街並みとは対照的に静謐ささえ感じる聖夜の冷たい空気は剥き出しのレンジ―の頬や花びらの耳を冷やし、吐く息を白くした。
(街はまるで空から落ちた星の海のようだけど)
きらびやかな街並みを目で楽しみながらも、寒さに耐えかねた彼女は一刻も早く帰るべく足を速めた。
その目に、それが映る。
「おや」
きらきらと輝く街の飾り。下げられた小さな赤い靴下。
「わたしも飾ろうかな。確か、薬棚の横にあったはずだね」
彼女の小さな薬屋の戸を叩いた誰かから、そんな気の利いた贈り物を貰ったような気がする。
暖かい我が家まであと少し。
レンジ―は買ったばかりのケーキを抱え直した。
森の大賢者様も今日はシャイネン・ナハトを目一杯楽しむつもり。
※担当GM『依』