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アマリリスのIzm:による2人ピンナップクリスマス2018(縦)
アマリリスのIzm:による2人ピンナップクリスマス2018(縦)
イラストSS
喧騒が遠ざかるにつれて、鼓動の音が耳の奥ではっきりと聞こえてくる。
シュバルツと共にパーティから抜け出したアマリリスは、その隣でそっとはにかんだ。白いベールで彩られた彼女は美しいが、普段の快活さは影を潜めてどことなくしおらしい。
ふたりが付き合って半年ほど。聖夜を前にして、朴念仁の気がある彼女は恋についての本をめくる。
(手を繋ぎ、抱き合い、そこまではしたので、次はキスでしょうか! 成る程! ……ちょっ、それは難易度高いです!?)
反射的に閉じてしまった本を再び開く。
(う、でも、シュバルツへの想いは本物。シャイネンナハトだからこそ、一歩進む、勇気こそが重要、なはず! はゎ、お手柔らかに……)
「今日は一層綺麗に見えるな。愛してるぜ、アマリリス」
堅苦しかったのかすでに不真面目に着崩されている黒いタキシードの胸元で、逆十字のネックレスが小さく揺れた。
応えるように彼女は彼の手に自分のそれを重ねた。不思議と胸のざわめきが穏やかになった。
「ふふ、シュバルツ。いつまでも、お慕いしております」
ドレスのクロスが鈍く光った。
バルコニーを照らす月光の下、聖女と闇色の青年は優しい口づけを交わした。
※担当GM『依』