イラスト詳細
「残念ながら皆健全な関係のシャイネンナハト」炭酸マカロンによるクリスマス2018(横)
作者 | 炭酸マカロン |
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人物 | ルフト=Y=アルゼンタム 九重 ききょう ラーシア・フェリル リリィ=クロハネ リーゼロッテ・アーベントロート |
イラスト種別 | 5人ピンナップクリスマス2018(サイズアップ) |
納品日 | 2018年12月24日 |
イラストSS
奇跡の夜のある家は、とても穏やかで平和な時間が流れていた。
「ふう……」
パーティーの食事を食べ終えて、一息ついたルフト=Y=アルゼンタムが大きなソファに腰掛ける。
周囲を見れば、馴染みある冒険者のラーシア・フェリルや情報屋のリリィ=クロハネ、そしてまさか招待に応じて貰えるとは思わなかった『暗殺令嬢』リーゼロッテ・アーベントロートの姿が見える。
皆それぞれが食後の休息に入っているようだ。穏やかに会話を交わしている。
(ああ、皆楽しそうでよかった)
争い事の多い時期だったが、この聖夜くらいは穏やかに過ごして欲しかった。ルフトのその想いはたしかに叶ったようで、女性三人の和やかな微笑みに安堵する。
不意に、リーゼロッテが目を細めたような気がした。
微笑みを残すリーゼロッテが席を立ち、ルフトの前へと歩み寄る。
「な、なにか……?」
下手な問いかけは相手が相手だけに命に関わるというものだ。目を細めてルフトを見下ろすリーゼロッテの回答を待つ。
ふふ、とリーゼロッテが微笑んだ。
そして、すとんと、ルフトの膝の上に座る。短いスカートから伸びる足を組めば、その魅惑の太ももが、ルフトの膝を圧迫する。
「お、おぉ……?」
「あら、座り心地の良い椅子があると思ったら」
ルフトの顔へと顔を近づけながら悪戯っぽい微笑みを向けるリーゼロッテ。その表情は妖艶さも相まって、ルフトの心臓は鼓動を早くした。
「あ! だーりん何してるの!?」
「いや、待て! 俺は何もしてないぞ!?」
だーりんと呼ぶ声は九重ききょうのものだ。食後のデザートということでケーキを用意して戻ってみれば、最愛のルフトの膝の上に、彼の暗殺令嬢が座っている。
「むきー! だーりんのえっち! 皆を呼んだのはこれが目的だったのね!」
「違う! そんなわけあるか!」
必死に言い訳するも行動が伴わない。当然だろう”あの”暗殺令嬢が膝の上に座っているのだ、無碍に退かそうものならどんな仕打ちが待っているか。命に関わる問題だ。
その状況に悪戯心を擽られたリリィが妖しく微笑む。
「あら、そんなことを考えていたのかしら?
それじゃ次は私の番かしらね」
ルフトの左に腰掛けて、顔を寄せてルフトの頬をツンツンするリリィ。実にこの状況を楽しんでいるのがわかる。
「リリィさん、絶対面白がっているだろう!?」
「ふふ、さて、どうかしらね」
「ルフトさんのお膝に座れるんですか? ふふふ、楽しそうですね。
私も混ぜてもらいましょうか。良いですよね? ルフトさん」
ルフトの右隣に座ったラーシアも天然ながらに乗ってきて遂にルフトは身動きが取れなくなった。
「むぅー! だーりん離れてー!」
ききょうが後ろからルフトの首に抱きついて、嗚呼見事なハーレムの完成か。
「いや、待ってくれ、本当に、まずい」
なにがまずいのかはさておいて。
聖なる夜の穏やかな時間は続いていった。
※担当GM『澤見夜行』