イラストSS

　シャイネン・ナハト。
　クリスマス・イブに相当するその日、ロクとクリスティアン＝リクセト＝エードルンドの二人はサンタとトナカイに扮して、良い子にプレゼントを届けるべく準備していた。
「王子！　王子！　見て見て！　トナカイだよ！　わたし、トナカイになってるよ！」
「あぁ、素敵な角だね。
　ふふ、僕のサンタ衣装とセットで、二人はプレゼントを届けるサンタクロースさ！」
　仲の良い二人のことだ。こうして一緒にプレゼントを運ぶ事はきっと楽しいに違いない。
　しかし、一つ疑問がある。
　ロクの咥える鞭。なぜトナカイであるロクが鞭を咥えているのか。
　そう普通に考えればサンタであるクリスティアンが持つべきものだが……。疑問はすぐに氷解する。
「ソリは僕が曳こう！　ロク君は乗っていてくれたまえ！」
「わかった！　頑張って王子！」
　自らトナカイ役を志望するサンタ王子。そしてにべもなく了承するトナカイロク。
「さぁ出発だよ王子！」
　ぺしーん！　と王子の尻を鞭で叩くロクは、まるで女王様のように偉そうに足を組む。
「あっ！　痛い！　でもどこか気持ちいいっ！！」
　ぺしーん！　ぺしーん！　ぺしーん！
　鈴の音代わりの鞭の音が、聖夜の空に響き渡った。
　グッドフレンドな二人に幸あれ。

　※担当GM『澤見夜行』