イラストSS

　シャイネン・ナハトの夜はパーティーを開催します。良ければ姉ヶ崎先生もどうぞ――

　誘いの一声を受けて政宗と共に『オタクショップの常連』のパーティーへ訪れた春樹はあんぐりと口を開く。
「貴族……だったんだ？」
「言ってなかった？」
　冗談めかす常連客はそれでもアニメソングをBGMにした豪奢なる舞踏会なのだと楽し気に笑う。
　折角のパーティーなのだからと、ドレスアップを進められ、二人揃って貴族のセレクトした衣装に身を包めばどこからどう見てもパーティーの参列者だ。
　借り物のイブニングドレスのスカートをふんわりと揺らし政宗が緊張した様に春樹を見上げる。
　ダンスを踊ろう。例え流れるＢＧＭがアニメソングだとしても――
　慣れない動作に緊張した様に唇を震わせて「ええと」と小さく呟いた政宗に一歩近づき、春樹が柔らかに笑う。
「大丈夫だよ政宗たん。失敗したっていいんだ。俺がついてる」
「……それなら、リードはお願いしますね。春樹先生？」
　姫君の如き政宗のレースが飾った指先を拾い上げてくるりと踊る。
　一歩、一歩とリズムに乗せて。ワン・ツー、ワン・ツーと静かに囁くその声に合わせてステップ踏めば軽やかに世界が変わる。
　さあ、一歩――耳に馴染んだリズムで、まだまだ慣れぬ鮮やかな踊りで魅せて。

　※担当GM『日下部あやめ』