ここで一つ……いや、二つでも三つでも。
知ってること見たこと聞いたこと。
感じたこと触れたこと思ったこと。

よかったら私に聞かせてくれないだろうか。
もちろん、あなた自身のことでも大歓迎だ！

ふむ……やはり私から語らないと、誰も聞かせてはくれないかな……？
私の話は長いと言われた記憶があるので手短に行こう。
私は「イ　ドムーヌ　ファンケア」。好きに呼んでくれたまえ。イでもドムーヌでもファンケアでもイドでもドムでも。
そうだね……生まれたのはこことは別の世界だ。もう随分昔だからよく思い出せないが、住民は皆、私と同じ見た目をしていたよ。
文明レベルはそれなりに。ある世界風に言うなら近未来的だったよ。
まあ、生まれ故郷は長く居たわけでもない。……いや、一つの世界に長く留まる方が珍しいかな。
私は色々な世界を旅しているんだ。今までも。きっとこれからも。そこで得られる体験は、私の興味を満たす素晴らしいものだ。
例えそれが胸糞の悪いものでも、思わず拝みたくなる程の美しい自己犠牲でもね。
それから……ちょっと喋りすぎたかな？　手短といったのに面目ない……。

そうだったの。旅してきた中で、あなたの瞳に写った一番素敵な色は何だったのかしらね？
このプルー・ビビットカラーに教えてくれないかしら？

やあ、ようこそ！　ふむ、色か……そうだね、ありきたりだが七色の光沢を放つ風が吹く世界は美しかったよ。
だが……一番素敵な色となれば『バーンブルー』だろうね。流れるせせらぎが如く、旅する私にはそれが素敵に思えたよ。
こんな答えでどうだろうか、Ms.プルー。よろしければあなたの話も聞きたいところだが、如何かな？

『バーンブルー』その響き、きっと素敵な色だったのでしょうね。この目で見てみたいわ。

あら、私の話？　そうね、私はこの世界の住人よ。
ハーモニアという種族ね。大抵はアルティオ＝エルムの森に棲んでいる事が多いのだけど。
外の世界に憧れて飛び出てきた子も居るんじゃないかしら？
私もそのひとり。ディープ・グリーンの色合いだけじゃなく、もっと、沢山の「色」を欲したの。

うむ、とても美しかったよ。いつかあなたにも、見れる日が来るといい……そう願っているよ。

ふむ、なるほど。ハーモニア、というのは聞いたことがあるよ。耳が長く長寿とね。それから美人が多いとも。
「色」か。つまりあなたは生まれきっての探求者ということだね。素晴らしい！　素晴らしいよ、Ms.プルー！　求めることはいい事だからね！
探求者というのは少し違うかな？　探「色」者と言ったほうがあなたを呼称するには正しいかも知れない。
いやはや、素晴らしき！　是非、あなたの求める色が見つかるよう願わせてくれないか。

ふむ、他の方々も気軽に色々と話してくれていいんだよ？