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Doctor's Lab

【PPP3周年】雑多な日常たち

私と、面識のある者たちの、或いは有り得た日常の1つを。

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新田 寛治(p3p005073) との場合
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「おや。シグ・ローデッドさん…でしたか?」
「ふむ。ファンドマネージャー…新田か。偽の魔剣工場壊滅の一件以来だな?」
 昼下がりの市場。二人の男が、ばったり出会った。

「…お買い物中でしたか」
 シグが抱える荷物を見て、クイっと眼鏡を押し上げる寛治。
「そちらは…市場の価額調査かね?」
 荷物を片手に持ち替え、シグが微笑む。
 ――お互いにある意味で『同類』であるこの2人、故に似たような反応になるのも、また必然だが――
「ええ、宜しければご一緒しても?」
「…特に断る理由はない。レイチェルが居たならば少し難色も示したかも知れんが、今は独りである故にな」
「それでは、遠慮なく」
 二人は一斉に、市場へと入っていく――

「金を出せッ!」
「おや、運が悪かったようですね……」
 二人の向かう先、そこはどうやら「取り込み中」だったようだ。
 ナイフを持った男が、店主にそれを突き付けている。
「お客さん、すまんがこんな状況なのでね……」
「いえ、お構いなく」
 両手を挙げながらも苦笑いのような愛想笑いを浮かべる店長に、寛治も微笑みを返す。
「…で、どう致しましょうか」
 小声で隣にいるシグに語り掛ければ。
「予定は変更しないさ。…この程度の『アクシデント』、織り込み済みである」
 背中に回し、荷物を抱えていない片手の小指から、銀色の糸が床に垂れていた。
「何見てんだてめぇら!」
 ガンを飛ばし、ナイフを今度は彼らに向ける強盗の男。
「てめぇらも金を出せ!」
「恐いですね…ただいま」
 そう言って、男に歩み寄りながら、財布に手を伸ばす寛治。
「変な真似はすんじゃねぇぞ!じゃねぇと――」
「変な真似とは、例えば――」
 その瞬間。地に伸びた一筋に銀糸が、まるで蛇のように男の脚に絡み付いて引っ張り、転倒させる。
「――こう言う事でしょうか」
 寛治の財布を探る方とは逆の手に持った傘が、男の頭部を打ち据え、一瞬でその意識を刈り取る。

「ああ、治安維持の兵士の方々をお呼びください。それと…」
「…これで『状況』は解決し、正常な物資の販売は出来るようになっただろうかね?」
 まるで何事も無かったかのように微笑みを浮かべた二人の男に、店主はただ、静かにこくこくと頷くだけであった――

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