君は奇妙な夢の中。数多の硝子に囲まれた。されど君は束縛されず、覗き込む事が可能だろう。其処に漂うのは綺麗な鱗。光輝を反射して目眩くよう、君の思考を搔き乱す。さあ――此処は芸術家の箱庭。崩れない『夢』の水族館。潜むものは恐怖か娯楽か。君の内で沸騰する、狂気か。

※※※
RPスレ
団員でも団員以外でも大歓迎。
芸術家が反応します。

我が友！私！私だ！
遊びに来たぞ。戯れではないぞ。ここには少し……相応しくない！
それにトランクは不調だ。いや不調なのは私の頭脳か発想か。

「此処に在るのは魚どもの遊戯。愉悦よりも舞踏だと思考すべき。兎角！　親愛なる友よ。貴様が御客様第一号だ。深淵で泳ぐ人型は希少種故、数匹程度の展示だが楽しむが好い。他の人間を招くのも吉だ。さあ。さあ。素晴らしき鱗の輝きに胸を躍らせよ」

舞踏……ははあ、成る程？
魚はつい先日、依頼で食したな。川魚だ。ならば、今度は目で楽しむのも良いか。
……いや、待て。人型と言ったか。深淵で泳ぐ人型と？

「人型の魚など幾匹でも存在する。されど我等『物語』が展示するのは我等『世界』特有の生命体だ。此処の人魚を扱うのは危険かつ面倒故……取り敢えず。川魚よりも海の諸々が多数。塩に呑まれた奴等は劇場を華やかに彩る筈よ。貴様が望むならば魚貌『インスマス』に愉悦を説いても好いな。案内は要るのか。否か」

インスマス。聞いた事があるぞ。いや、読んだ。港町だったか。一番最初だったからよく覚えている！！
兎も角、案内か。是非お願いしたい。実はな、知り合いに誘いの手紙を送ったのだ。近い内に来るだろう！！

「我等『物語』の読者が増えたのか。実に悦だが忌まわしい。案内役は任された。偶像の如く弄成そう」

(手紙に示された場所を訪れるとかくり、と首をかしげた)
思考、検索。……此処に間違いない、はず。
……ごめんくださーい？

「親愛なる友の趣味も理解し難いな。違うか。理解可能な現状を成した、己が滑稽なのだ。如何なる存在でも我等『物語』は抱擁する。受け入れる。愛を魅せる。恐怖を晒し尽くす。取り敢えず。手を掴むのは貴様の仕事だ。案内人は機械の如く誘うのみ。こんにちは。おはよう。こんばんは。夢の世界にようこそ」

えっ。何だ我が友、その反応は！？
……ええい、まあいい！

やあやあ、ミュル殿！よく来てくれたな。私は嬉しい！！
ミュル殿、こちらは我が友。オラボナ=ヒールド=テゴス！私の友だ。ここの主だよ。

(友として紹介されたヒトガタをみて首をかしげながら)
挨拶。ワタシはミュルアルド。ミュルと呼んでほしい。

……異端審問官の友人は変なひとばかりか？

「改めて。我等『物語』はオラボナ。オラボナ＝ヒールド＝テゴス。ラーン＝テゴス。ナイアルラトホテップ。好きに呼ぶが好い。変人でも人間ならば良い。此処には人類以外有り得ないのだ。旅人も幻想も鉄屑も何でも人類よ。皆兄弟。冗長と終幕に繰られた人型。さて。魚の群れを眺めながら語り始めようか」

……ふむ？変なひとばかり？……まあ、少し、変わっているかもしれないな。だが我が友は好人物だよ、ミュル殿。
しかし、いつの間にやら名前が増えたな我が友！

魚。ああ、そうだ。今日は『でぇと』とやらにミュル殿を誘ったのだ。いまいちどういうものか解らんが。ここはきっとでぇとに適切だろう！
少なくとも、病院よりは。

(ヒトガタの言っていることは半分以上解らなかったが)
推察。異端審問官がいうなら、いいひとなのだろう。
(とてとてとあとをついていくことにした。)
疑問。病院は不服だったか？

「名前が多量なのは常日頃の設定だ。数多の上位存在が哄笑する頃合……待て。此処は多人数を招く予定だったのだ。貴様等の愛で満ちるのは結構だが、厄介な諸々は呼ぶ……呼ぶべきか。騒がしい水族館も悪くない。本来ならば遊園地での絶叫が望ましいのだが。話が逸れたな。此処で泳ぐのは色彩魚だ。異次元の虹色に支配された、死滅を待ち続ける哀れな遊泳。終得る感情には相応しい」

病院は……傷付いたものや病めるものがゆくところだろう？
何、その様子だと、我が友の言う事が理解し難いか？大丈夫、私も完全に理解しているわけでは無い！

異次元の虹色。魅力的な色彩だな。どうだミュル殿、見えるか？必要ならば持ち上げようか。それに、君の歩幅では我々について行くのも大変だろう。
……ふむ？死滅を待つのは我々も同じでは？彼ら……魚のそれはまた違うのだろうか。

(足を踏み入れようとするが誰かがいたので帰ろうとしようとし)

「此処は皆の夢だ。帰還など赦さぬ。死も赦さぬ。恐怖と娯楽だけを受け入れる。愛も忘れずに抱擁する。其処の君『主人公』を置き去りに楽しむものか。親愛なる友よ。新たなる客人だ。留めるべきだ。道化が観る者を失うものか」