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【PPP四周年記念】あの女その他の娯楽

 あの女――心の底から『この言葉』を嘔吐(は)きたくなったのは何度目なのだろうか。手足頭を数えたとしても、ああ、横たわった幻想(ゆめ)には敵わない。叶う事もない良性の感覚はどこぞのテケリャアよりも厄介なものだ。ぐらりと傾いた味噌汁ごっこも半ば強制な結果(ならく)と言えよう。兎にも角にも『戸』を解放(ひら)かなければおはなしにならない。オシャレ・ポイントを示されるが儘に虚(せんとう)の階段、一歩一歩と登っていく。踏み外したら終わりだろうか、ぐんにゃりと目の前が暗く眩く昏く……。
 染み込むような真っ黄色が触肢(あし)に触れたかと思うとご挨拶、めぇめぇと鳴いているのは羊なのか山羊なのか私(はな)にはわからない。やあ、こんばんは。君かい、随分と魘されているようだね。貌色が悪いよ――余計なお世話だ、そもそも『造り物』だというのに、この無貌(かみさま)とやらは戯れてくる。まあ、あの女よりは真面(しょうきじゃない)だろうから、ちょっとくらい会話しても大丈夫そうだろう――ここかい? ここは君の想像通りの空間(アルデバラン)さ、ほら、聳え立つ棚々が断片を求めているだろう? 何を言っているのかさっぱりわからない。おそらくあの女なら哄笑しているところだろうか、マシンガン・トークに接吻(くちづけ)するほどお人好しではないのだが。ええ、と、微笑(うなず)いてしまったのは職業病(やまい)の所為だ。がたんごとん、がたんごとん、おや、次の駅はゴールデン・ミードだってさ。いやいや、僕は君が千鳥足だなんて言ってないよ。宙(あな)に気を付けてね――どんなに交わしたって印は見つからない。
 これは仮初の姿なのですよ――駅(ゴールデン・ミード)で途中下車したらイツのマにか大柄の※※が隣に存在(あ)った。これは何かの凶兆(きざし)だろうかと私(はな)は思ったが、どうにもロクな面(マスク)ではない。ひどく整った輪郭(それ)は同族嫌悪(にたもの)を想わせ、若干の死臭(にお)いを漂わせている――誰なの? 貴殿の呼びたいように呼んでいただければ――読んでくださいの言い間違い? それとも私の聞き間違い? 何にせよ、吸い込まれそうな瞳(どう)を覗き込んではいけない、気がした。ようこそ。ええ、世界を作り変えるなんてわけないですからね……それはアナタ様の事を言っているの? あの女の莫迦らしさ? もしかして溺れた時(こと)を記憶していないのでしょうか。でっちあげた事故の再現、ハンドル操作が逆転していた。
 Nyahahahahaha――真っ赤な月に吸引(す)われている、いや、真っ黒な枕に喰われていた。たくさんの男がホー・ホーと棒立(な)き続け、白い仮面の泥沼(もの)が涌いている。嫌、精神(のうない)が幼げに崩れ落ち、なんども取り替えっ子されていく。必死に逃れようと手足頭を揺らしたら、おっと、私(はな)はどうしてこぼれていた――こんな状態(もの)、あの女にやられたクレープより正気(マシ)じゃない――掻き分けるかの如く深淵(おく)へ混沌(おく)へ。ゆりかごの中にはいとしい魔王(アザトース)が在った。
 種子を埋め込まれた私(ほし)は外宇宙(ゆめのなか)をぼんやりと謳う。残されたのはあの女が『グロテスク』と嘔吐(は)いた脚部(あし)だけとも想像(おも)えた。たらふく散らかした物語(ストーリー)がホイップクリームの泡立て方を齎していく――異厭、貴様、此度の我等『物語』は娯楽だと理解出来たな?
 貝殻の内側で潰れた私(とげ)、緑、緑、緑。

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