夜雨の隠れ家

しとしとと雨の降る夜。
いつもの様に開け放たれた入口と来訪者を歓迎する立札がある。

（雨に濡れた黒い修道服の女性が、入口から入ってくる…）
もし…　どなたか、いらっしゃいますでしょうか…

ん…声？どうぞ……って、わっ、びしょ濡れだよ！？
（奥から出てきた少年はその様子を見ると慌てた様子で

すみません…　雨に降られてしまいまして…。
その、雨宿りさせて頂けると助かります…。

雨宿りなら全然、していって。
それよりも大丈夫？肌寒いくらいだし、濡れてちゃ風邪ひいちゃうかも

ありがとうございます…。（深々とお辞儀をして
えと…　厚かましいのですが、何か拭くものがあれば…

あっ、そ、そうだね！
ちょっと待ってて！すぐに取ってくるから、その辺りの椅子とか適当に使って

すみません…　何から何まで…（と言いながら椅子を使わず、立って待っている

いいのいいの…と、あった。
（見つけてきたタオルを手に戻ってくると立っているのをみつけ
あ、座っててくれていいっていったのに。
はい、タオルどうぞー。

ありがとうございます（タオルを受け取ると、自身の濡れた服を丁寧に拭いていって…）
おかげ様で落ち着きました…。むっ…（首を傾げて、何かを聞き取るような仕草ののち…）
我が主も感謝を述べております…。ええ、本当に助かりました。

ん……よかった♪お客さんが風邪ひいたら大変だ。
（拭いている間、そのそばで待ちながら
ううん、いいんだけど…ある、じ？
（不思議なその様子に首を傾げながら

ああ、これ…ですか。（首を傾げる仕草）
…そうですね。私は自らの主の声を聴く事ができるのです。
ここでは…一般的に「神様」と呼べる存在でしょうか。
ただ、私も迷い人。完全に力は戻ってきていないのですが…。

へぇ…ていうことは、こっちに来てもまだ向こうの神様と繋がってるの？
それとも…その一部みたいなのが一緒にこっちまで来てるのかな。

力が弱っちゃってるのは本当に不便だよね…
（しみじみ、という様子で

ええ…　しかし、これも私に課された試練なのでしょう。
日々努力して…必ず、乗り越えてみせなくては…

試練かぁ…頑張り屋さんだんだねぇ
僕はついついぶーたれちゃうよ

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