心地よい風が吹き抜ける。
海洋国内に位置するだけあって魚は新鮮、また交易により様々な食材が用意されている。
本人が作れそうな料理は大体作ってくれるだろう。

しかしここは海洋の外れ。
人の通りも少ない。
つまりは、
「暇やなぁ…」

（縁台に寝転がりすやすやと寝息を立てている）

オーマイガー……エネルギーがもう無いネー……。
（フラフラと金髪碧眼のハデハデ和装女が歩く）
料理茶屋……料理。ここでご飯食べるネー……。お邪魔し申スー。誰か居まスー？

（ゴンっと縁台から滑り落ち強かに頭を打つ）ﾌｩｵｯ!?
えあ、あいあい！お客さんかいな？おこしやすおこしやす！
…ってふらっふらやん！大丈夫なーん？

ちょっと急いで荷物運んでテ……。
帰りも急ぐ必要があったけど、エネルギー切れネー。（壁にもたれかかり）
オー……店主さン？とりあえずすぐ食べられるものヲ……。

あいあい、任しとき！すぐ持ってくるけんね、適当なとこに座っとってー！
（風の如く走り去り、間もなく握り飯を持って戻ってくる）
ほいっ！塩むすびぎょうさん握って来たけぇ、たんと食べや！

（気だるく座って）ありがたやネ……。
（素早く出てきた握り飯を見て）オウ……。ファーストネ……。いただきます。
（ゆっくり食べ始め、食べていくに連れて速度が上がり……喉につまる。咳き込む。）

うおおい落ち着きゃー？（相手の背中をさすりつつ、何処からともなくお茶を差し出す）
お腹空いとったっちゃねぇ。なんや急ぎ言うてはったし、もしかして長い事食べとらんのん？

ウプス……。（お茶を貰い、ゆっくりと飲み干して。）
ノウ。ワタシの……アー、ンー（ちょっと言葉を選んで）ギフト、そうギフトネ。
ギフト使って急いで移動してたんだけど、使いすぎてエネルギー切れネ！
（ご飯を食べたからか、元気が戻ったようで、ニコニコ笑顔で。）

（目の前の椅子に座りつつ、）
ほっほーうギフト！速く動けるやつなんや？便利かねぇ。
あでも、エネルギー切れになるっちゅうこつは結構ピーキーなんやろか？

ンー。焦ったワタシのミスだからピーキーかと言われるト……。
タダ、長く戦闘できるギフトじゃないネー。
……ア、おかわりクダサイ！！

ふむん？そーいや急いどったっち言いよったねぇ
そんなに急いでどこ行きよったん？
ぉ？あいあいっ！ちくと待っとうせー！
（再び風の如く走り去り、今度はおひつといくつかの具材を持って戻ってきた）
こっちがご飯で、梅干しとー海苔とー鮭とー…まま！色々持ってきとうけんね、好きなだけ食べてぇな！

混沌から来て、海洋の一番東の有人島まで荷物運びネー！
で、今度はお礼の品物送って欲しいって海産物渡されたから、
急いだ所でエネルギー切れで墜落しかけたから、ここに入った感じネー！
（動き、すごく早いネ。この人、何かしらの手練かもしれないネー。）
ワオ！こんなにいっぱいありがとネー！ご飯にこれだけのおかず……後お味噌汁とかあったらもう止まらないネー？（ちらっと鶫を見て）

なーる！海洋は島ぎょうさんあるもんなーって墜！落！？
そら危なかったなー！落ちる前でほんま良かったわ！
…むん？墜落？もしや飛べるん？飛べたりしちゃうん？
ふふん、そんな事言うたかてお味噌汁まであげちゃったりなんかなぁ、、、するんよなー！ツグミさんにお任せあれよ！（にぱっと笑い）
（何故かスキップで奥に消え、お盆に汁椀を乗せて戻って来た）
はいな！今日はしじみのお味噌汁やっけん！

イエース！飛べるネー！別の世界にいた時から、一応飛べたけど、
ギフトのおかげで、コントロール出来るようになった感じネー。

しじみ！いただきまース！
（ガツガツと勢い良く、ご飯を幸せそうに食べ）
ああ、幸せネー……おなかぽんぽんネー……
（みそ汁を飲み干し、おひつの9割ほどのごはんを食べ、おかずを食べきり）

飛べるんかーー！！（目をきらきらとさせて）すごいなぁ、鳥みたいやなぁ
ふむん、てーことは旅人さんっちゃねぇ。うちもぜよーおそろおそろ！（にっ）
コントロールできるようになったゆうことは、こっち来たのもあながち悪うなかった？

っへへーおそまつさんどす♪
良い食べっぷりでうちも嬉しいわぁ
蜜柑あるけど、食後に如何かね？

アー、ンー、飛べるけド、期待されてるほど優雅には飛べないのネー。
（鶫の目線を受けきれず、目を逸し、そして戻して）
あ、でもこっちに来てよかったとは思うネー！！
今までだったら、エネルギー切れの感覚無かったネ。元気で残りが分からなかったカラ。
突然墜落したことも何度かあったネー……。
ワオ！店主さンモ？お揃いネー！あ、私カナダ生まれで日本育ち！国の名前聞いたことアル？

みかん！オウ……欲しいけど、私に別腹はないのネー。
（大げさにガックシと肩を落としながら）

いやいや、飛べるんが凄いと思うぜよ？うちは飛べんけんねー名前負けしとるもん（あっけらかんと笑って）
なるる！警報が鳴る様になった感じかいなね。急に墜落するんはいつ何処に落ちるか分からんくて怖いなぁ。
そうやでー旅人さんやで！むむ、けどカナダに日本か…むむう聞いた事あらへんなぁ。どんなとこなん？

へへ！かまへんかまへん！
こじゃんち食べてくれて有難うな！

オウ、オ名前は鳥から付いてるノ？ア、ワタシの名前は「リナ・ヨークタウン・プルート」ネー！リナでいいネー！
警報というより残量が分かるようになった感じネー。
カナダは寒いけど自然いっぱいで、私が生まれた所の近くの滝はもうすごいネ！世界でも指折りだったネー！！日本は……ギャップがすごい国ネー。ンー、こっちの練達みたいな革新を目指しながら、侍、富士山、芸者、忍者みたいな伝統もある国ネー。

それじゃ、おあいそネー！（チャリチャリとなる小銭……食べた分の十分の一の料金も無い。）これで足り……ないネー！お金無くなったから依頼受けたの忘れてたネー！！

せやよー！うちはツグミゆーてな、雀みたいな鳥の名前やでっ！よろしゅうねーリナ！
そんな凄い滝があるっちゃね？！うちの想像を超えている予感…！自然いっぱいなんもええなぁ、ぎょうさん遊べるやんね！いっかい見て見たいわぁ。
練達の技術、時々話に聞くけんどえらい凄いらしいな！それに古き良きかなが混ざっとうなんてどんな国っちゃろ……んん、侍、芸者忍者？おお！それならうちのとこにもあったで！ゲイシャーハラキリーアンサツーいうてなー

あいあいかしこまり…なん、だと…っ？！…ふむん、しからば働いて返してもらおうか！フハハハハハ！！（本気ではないらしい。一発で嘘だと分かる大仰な言い様である）

ホーホー、ツグミ、よろしくネー！
是非とも遊びに来るといいネー！帰り方がわからないけど！HAHAHAHAHA！
ワーオ！アンサツ！危ないネー！

オーマイガー！依頼のお金がもらえたら払うからツケでお願いしモウス！（手のひらをすり合わせ、お祈り状態）

それなー！帰り方さっぱりやんねあっはははは！まま、いつか帰れるかもやしのーんびりいきまひょ！それこそ練達あたりが調べようとやったっけ？

シャバの空気は冷たいもんやで…！フフフフほははははｈっごっふごほごほっ！（咽る）
…ごほんごほん、まま、冗談はこれくらいでっと！おかずやら半分くらいはうちが勝手に持ってきたもんやし構ん構ん！
せやなー、リナの世界ゆう貴重な話聞いたさけ、それがお代っちゅう事で！

そうネー。練達が研究していたネー。ただ、まだまだのはずネー。

オーマイガー！なんと寛大な処置ネー！この恩はどこかで絶対返すネー！
（立ち上がって混沌に行く前の準備体操を行う）

せやねぇ、まだまだこっからやね！
っへへ！ほんだら楽しみに待っとくわ（気楽に笑い）お、そろそろ行くかね？

イエス！ごちそうさまでしたデース！
（荷物を持って、出て行き、扉を閉めようとした所で）
アー、ある意味命の恩人とは言え、その、空を飛ぶ姿は見ないで下サーイ……。
（鶴の恩返しっぽい言い方で）

いいえーおそまつさんでした！おおきにまたおこしやす！
…ふむん？見るなと言われると見たくなるのがツグミさんやけんね（いたずらっ子っぽく笑い）まーリナが嫌なんやったら後ろ向いとくえ？

ノーウ……（エネルギー満タンなのにしょぼくれて）
後ろ向き……んー。それでもいいネ！見ないでネ！見ないでネ！絶対に見ないでネー！！
（飛行体勢という名の仁王立ち）

（ぴこーんと何かを察した様に）ははーん？
あいあい！それは押すなよ的な…ああいや！みなまで言うな！ツグミさんにお任せあれやで！
（後ろを向いて、すっと手鏡を取り出している）

ホッ……。それではシーユー！
（後ろを向いたのを見て安心する。なお手鏡は見えていなかった模様。）
……【忍法・筋斗雲】。
（印を結び、小声で唱えてギフト発動。盛大に尾が鳴りながら、リナは飛んでいった。
なお、匂いなどの痕跡は残っていない模様。）

（鏡越しに見送りつつ）わお！
ほんまギフトも色々やなぁ、おもろいわ！
ふむん、忍法…なるる、同業者さんやったっちゃねぇ。
（遠ざかるリナにぶんぶんと手を振って）またなー！

―――……
（机に並べられた新聞や紙切れを眺め）幻想も賑やかなってきたやんなぁ。
（棒付き飴を舐めながら、椅子をがったがった揺らし始める）ふむむーんどないしょー？いっぺん行ってみるか？海洋やとどうにも時間差あるけんねぇ。
観客集まるからやないかーも言うんも聞くし、魔種絡みやないかーも誰か言うてはったな。サーカス団は、シロ、なぁ…ふむむーむふふーんふんふふーん（揺らし過ぎた椅子が倒れ、強かに頭を打ち付けた）痛い！！！（ごろごろごろごろ）