燃え盛る火刑台を背にして、魔女は椅子に腰掛け脚をブラブラと揺らしている
退屈そうな顔で、何か愉しい事が無いか探している様だ

何時心変わりするかわからない魔女に業火の中に放り込まれてもいいならば、声を掛けてみるといい

なんかこう派手に色々壊したいよね、ぐっちゃぐちゃのメッタメタに！
やっぱり人生には刺激が必要だよ、うん。

更地にしたら城を立てよう

城。…城？？えーっなんで？？（ムスッとむくれて）あんなの、自己顕示欲の強い馬鹿貴族の住処じゃん！見るだけで反吐が出るんだけど！！（手足を振り回して文句を垂れまくる）

城はいいぞ。眺めがいいのもいいし、粋がって来た外敵を迎い撃つのもいい。
機能美がないとな、城とは言えん。

（ふん、と鼻を鳴らし）そりゃ、上から見る眺めはさぞ気持ちいいだろうね。地面に這い蹲って生きてる連中なんて、目にも映らないだろうしさ。
（そこで、ふと気になったのか）というか今さ、サラっと城を建てるとか言ってたけど。あれ、どう考えてもサラっと立つモノじゃないよね？

うむ。上から見ている景色が、最後に崩れ落ちて地面まで落ち込んでいくのがいいな。

ん？立つだろ、城。拘りたいなら無限に遊べるだろうけども。

なんか、手抜き建築で一気に壊れそうだ…柱とか普通に木で組んでそうな雰囲気…。

城は崩れ落ちる時が一番、美しい。

（能力で氷の城を作ったり壊したりできる狼）

他人のを壊すのは楽しいけど、自分のを壊されるのって嫌じゃない？（自分勝手な事を平然とのたまい）
口振りからしてなんか作れそうな雰囲気だし、そこら辺に適当に作ってみてよ。ねーはやくはやく！

そんな保守的なのはその内、腐るだけだろう。どうせなら招き込んで崩壊して楽しむ方が面白いぞ。

ふむ。……何処の区域に作ってもいいんだ？
（制約の関係上、座標の指定がとても大事な狼）

招き込んで巻き込むのは面白そうだけど、ぼくまで死んじゃったら嫌だしなー。せっかくこうして生き返った訳だしさ。
んー…そこ。どっかその辺り（見るからに適当に、近場の地面を指差し）そもそもぼくの土地でも無いしね、ここ。好きに使っていいんじゃない？？

なんだ、思っていたより自分が大事か。まあ臆病なのは良いことだぞ。死ににくいはいいことだ。

随分とおざなりだな……別にいいが。
（指さされた先にこちらもつい、と指を向ける。……と、冷気を伴った魔力が地面に当たり、1/8サイズ位のアンネリースの見た目の氷の像がつっくいた氷の城がにょきにょき伸びてくる）

（が、あるラインを超えた瞬間に全部、崩れ落ちた）

あったりまえじゃん、自分に勝る宝なんて無いよ。結局みーんな、自分が一番大事なんだしね。

（へぇ～すっごいなぁとタケノコめいて生えてくる氷の城を眺めていたが）あ、ぼくの像まで一緒に崩れた…あ～もう溶け始めてるよ勿体無い…！（自分の氷像の破片を拾い上げ）魔力が足りないとかみたいな条件で崩れた感じには見えなかったなぁ。発動するのになんか外的な制約とかあるの？

まあ……そうだな。自分が一番の宝、か。お前は、自分の価値はどれくらいのつもりでいるんだ。

指定が大雑把過ぎだ。もっとちゃんとやれば美人像くらい建ててやるぞ。氷だから一晩も持たんだろうが。