王都『メフ・メフィート』、バルツァーレク領に挟まれた山岳地帯付近にひょんと存在する洞穴と広場。
雑に削られたように作られた洞穴は、彼女が無理やり作り出したものだろう。

今のところ、大したものはなく、簡易的な拠点っぽく見えなくはない程度。

(幾度も洞穴に向けて逆再生を放ち、洞穴を少しずつ削っている。相応の音が外には漏れているだろうか。)

む……？
（四足で山肌に着地すると、覚えのある気配に耳を立てて。少し思考した後そちらに向かえば、洞窟のある開けた場所に降り立ち）

ふむ……これは、リジアか？
（のそのそと洞窟の方へ近づけば、反響する音に呼んだとて聞こえ無さそうだなと、入り口の側に座り込んで）

……。…なんだ、白い生き物か。

…ここはあの場所以上に何もないぞ。(声は聞こえたのか振り返り、背中の光翼は姿を消す)

であろうな。
何、そのような何もない場所で知った者が何をしているのか、少し興味惹かれただけだ。邪魔をしたか？
（音が止んだのを作業を止めさせたかと思いながら洞窟の中に視線を向けて）

……邪魔ではないが。
…雨風を防げる場所があればいいと思った。
それだけだ。(ゆっくりと洞穴から出てくる)

ならば、何も無いからとわざわざ運んだ足を動かす必要もあるまい。
しかし、……本当に雨風を凌ぐだけのようだな。広げているようだったが、居住性はこれから上げるつもりか？
（リジアの出てきた穴を注視すれば、ヒト型一人雨風を凌ぐならば既に役割を果たしているか……？と考え込んで）

居住性…？
…興味が無い。少し、寒かったが、もう少し削れば問題ないだろう。(洞穴はまだ小さく、とりあえず雨風が来ないように掘っただけのようだ。足元には岩の塊が点在している)

ひのふのみの…んー…今日の稼ぎは微々たるもの。パンとミルクくらいは買っていけるでしょうか？もう少し搾っておけば……（ぶつぶつと呟きながら歩いている）

…あら？このようなところでお1人と1匹、何事か悪巧みでございますか？
（面白そうなものを見つけたといわんばかりのにこやかな表情をうかべて2人の元へ歩み寄る）

くく、興味が無いか。やってみれば案外楽しいかもしれんぞ？
何もないならば、それこそできることも山ほどあろう。整地するなり、休息しやすい環境を作るなりな。

む……？ヒトか。なに、悪巧みとは人聞きが悪い。とはいえ、まだ何をしていたというわけでもないがな。
（新しい声のする方を向きながら、尻尾で回りの人の頭サイズ程度の岩を山壁の方へと払いどけて）

なにも…でございますか…（払われていく岩を横目に捉え）
ではなにゆえ岩盤の掘削などを…鉱物でも見つかっているのでございます？でしたら是非とも1枚噛ませていただきとうございますね！

…そこまで必要か？休めればいいと思った。
……目を瞑る時間があればいい。

鉱物？…あるかもしれない。破壊したかもしれないが。
……見たことの無い生き物だ。なんだ、お前は。

カオスシードをご存知でない！？無知にも限度というものがございます！確かに昨今は異界かの来訪者も増え様々な種族が入り乱れる環境となって押しますが！が！見ればわかるでございましょう！？（ややオーバーなりアクションでおどけて見せながら）

ご、ごほん…採掘ではなかったのですか。非常に残念です。

必要か必要でないかで言えば、長期的な目で見れば必要に成り得るという話だな。
ただ休むにしても、休息の取り方一つで蓄積する疲労も変わろう。
まあ、その用意のために目を瞑る時間は一時減ってしまうかもしれんがな。

鉱物、か……。他に手の入っていない様子を見れば、鉱脈が眠っているとしても深くまで掘らねばありつけぬかもしれんな。

な、なんだ……生きていれば生き物だろう。細かいな…。(目を逸らし)
か、かおすしーど…？し、知っていた。め、面倒だからだ。(目を泳がせ)

…本末転倒だ。ならこのままでいいだろう。
地面で寝るのと木の上で寝るかの違いだ。
大差なかった。(こくり)

そこを面倒で押し通すのは無理があるのではないか？リジアよ。
（泳ぐ目を見てため息気味に息を吐いて）

くく、言わんとすることは分かる。まあ、長期的にこの場を使うならば整えた方が使いやすいというだけだ。頭の片隅にでも置いておけばいい。

しかし、中々動作の大きいニンゲンだな。リルクルス・フェルンベインだ。名は？

おや…？おやおや？一見なんでもそつなくこなすクール系美少女に見えましたがその実貴女…わりとポンコツですね？
いい機会です。これを機に学習し、記憶してくださいませ。カオスシード、レイアでございます♪（くるっと一回転した後ポーズをしウィンク）

ところで寝るだの何だのと、もしかしてその洞穴、寝床でございます？確かに雨風は凌げますでございましょうがそれでもなんという…まぁ寒さはそこのわんちゃんを毛布にすればなんとかなりそうでございますね？

なんだ…何か洞窟から音が聞こえると思ったら…人……と犬？（剣に手をかけたままやってきて姿を見て手を放す）
何があるかと思ったら…これはどういう集まりだ…？（面々を見て戸惑い）

…無理ではない。
……私だけが使うなら不要だ。意味が無い。この身が動くのだ。
…覚えておけというなら、覚えておくが。

う、煩い…！し、知ってる！
全部知っている…！
カオスシードか。カオスシードの…れい、あ…レイア。よし覚えた。
その気が無いだけで、これくらい覚えるのは造作もない。(ふんす、と)

…新しい生き物か…お前はなんだ。
どういう集まりでもない。ただ何故か集ったものだ。
……その手はなんだ……破壊しに来たのか。(剣に手をかける姿を見て威嚇するように光翼を広げる)

生き物ってお前…いや、生き物だけど…せめて人と言ってくれないか
ってまてまて、別にこれを使うつもりはない、ただ音がやけに響いてたから獣でもいるのかと思ってな（剣から手を放し）
それに破壊は好きじゃない、だからちょっと威嚇するのはやめてくれないか？

はぁ……わんちゃんだの、犬だの、なぜ貴様らヒトが我を犬っころ風情と同一視するのか……
まあいい。

我の名は間違えて覚えていたがな……。くく、そうしておけ。存外、そのリジアだけが使うという前提がたやすく崩れることもある。
（得意げな様子に釘を差しながら。伏せるように体を丸めて）

(光翼を消し)…大差ない。私からすれば。
音は破壊出来ない。我慢しろ。

……そうだったか？りる…？りるくりす…？りるくるす…？どっちかだった気がする…。
…？どういう意味だ。何故こんな場所に集う。
理解が及ばない。

……声がすると思ったら、あぁ　ここに住んでいたのですか
どうも皆さんこんばんは…不思議な集会ですね？

集まる理由であれば珍しいからではないです？
この…（穴を見て思案した後）…洞穴？はなかなか見かけないものですから

そのどっちか、という時点で間違えて覚えていたという事実が確固たるものになるのだがな。最も、他にリルクリスという名の者が居ないならば支障はないと無視したのも我だが。

くく、他者の行動など、多かれ少なかれ理解が及ばぬものだ。
理由はどうあれ、ほれ、こうして人が増えるという結果は事実存在している。
（頭をくい、と上げてまた新しい、リジアの知り合いと思しきことを言う者を顎で指して）

私は偶然通りがかっただけですしぃ？居座っているのは物珍しいからですが。
掘削系女子なんて聞いたことないジャンルですよ。小屋の1つでも借りた方が安全に暮らせるんじゃないです？

…まぁ、音ぐらい我慢できるけども。大差がないってのは心外だな…まぁ、構わないが。
っと、気づいたら人が増えてきたな。こんな小さな洞窟で暮らしているってのもどうかと思うんだが

宿を取るなり、テントでも買ってきたらどうだ？

…ま、まて…どうしてお前がここにいる…冬葵…
本屋はどうした…休みなのか…？

採掘系女子…？
確かに岩を砕いてはいたが……なんだ、そんなに、洞穴で過ごすのは…良くないのか。(色々言われて段々不安そうな声に)

衛生面でも安全性の面からみてもとても婦女子が夜を明かす環境ではないかと。こわ～いオオカミさんに襲われても知りませんよ？（からかうように）

たーんけん、たーんけんっ♪
あ、洞穴はっけーん！！…って、なんかすごく人がいる？？
もしかして、奥に宝物が眠ってるとか？！（目をキラキラさせながら近づいていく）

む……？
はぁ…、だとすれば不用意に近寄るのはどうなのだ、ヒトとして。
生憎、ここの主曰く、何も無いだそうだ。
（離れたところから聞こえる弾んだ声に耳を立てて。薄ら聞き取った言葉に、危機感とかは持たないのかと勝手な不安を思いながら冒険者らしき姿を視界に収めると声を掛けて）

強いて言えば、寝床の勝手も分からぬポンコツ少女がツッコミを受けている光景がこの洞窟の見どころか？

人のいる場所に人は集まる…とはいうけどな
まあ、気になったら調べてしまうのは冒険心みたいなところも…うん？(シャルレイスを見て)

これは驚いたな、つい最近見た顔が来るとは思わなかったよ

（ため息つかれたらしい事にきょとん、として）
え？だって、なんだか楽しそうな声だったし、宝探しで盛り上がってるのかなあって。
って、あ。トラオムさんだー♪それに…悠凪さんもいる？こんなところで奇遇だね！
うんうん、洞穴見たら入っちゃうのは冒険者として当然だよね！

何もないならみんなここで何してるの？
…見どころさんを見に来たの？（首を傾げつつ、輪の中心にいるらしき少女を見つめて）

怖い狼などという生き物…どうということはないと思うが。えいせいめん？も…多分、なんとか。

新しい生き物か。…メルクルス…貴様…。(軽く睨みつけ)
……宝。そう呼べるほどの物質は見つけていないが。……冬葵と知り合いか。ならば、悪い生き物でもないか。
……強いて言うなら、洞穴を砕いていたら生き物の方が寄ってきたと言うべきか。

いーえなんとかなりません！仮に…えーっと…（あたりをキョロキョロと見回し、トラオムで視線ロック）そこな緑の髪の男性が本能剥き出しで襲い掛かってきたら中々手におえないでしょう？
衛生面にいたってはまったくの論外でございます！女性なのですからそういうところはしっかりしておかないと困っちゃいますよ？

まぁ、洞窟があって気になる音がすれば見てしまうのは仕方ない…と、いうのはあるな
冒険者としてはいい傾向だと思うぞ？

あー…まぁ、寄ってきたっていうよりは気になったから見たんだけど
というか生き物扱いはやめてくれよ、名前はトラオムって呼んでくれ
一応だがちゃんと名前があるからさ

……(じっとトラオムさんの方を見る)
……どうにでもできそうだが。
えいせいめん…論外なのか。困る……それは、嫌だな。
…だが、暮らせるぞ。

生き物は生き物だ…生き物でないなら訂正するが。
…トラオム。…覚えた。

そんなことするほど落ちてないからな…？
本能ぐらい抑えられるに決まっているだろう。（レイアを見てため息をつき）

でもまぁ…衛生面はそうだな、何かしら対策するか場所は変えた方がいいだろう

しかしまぁ、どうにでもできるなら心配ないな、強い子のようで何よりだよ

あはは、そういえば私も、まだご挨拶してなかったね。
寄ってきた生き物最新号、シャルレィス・スクァリオだよ！よろしくね♪

っていうか、ここ君が作ったんだ！？

あぁ、本屋でしたらここにいる間はお休みですよ
たまには定休というのもいいでしょうし

そうですね、衛生的にも悪いですし女の子がこういう所に住むのは倫理的にも見逃せませんね
ログハウス的なものでも作りましょうか？

…作った…というより、破壊しただけだが、この洞穴の事なら私がやった。
…シャルレィス、シャルレィスか。…リジア。
お前の望むものはないかもしれないが…

ログハウス……そんなものが作れるのか？
…私には出来る気がしないが。

ログハウスか…そこまでできるかはわからないが、小さな小屋ぐらいなら出来るんじゃないか？
資材やらは…近くの森から取ってくるとか…道具は借りるとかすればいいと思うし

…でも意外と考えると面白くなってきたな、やってみようか？