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ギルドスレッド

キャリー喫茶店

【個別】喫茶店での代金は

▼某日の昼間。爽やかな秋晴れの日。燦々と照る太陽のせいか、今日は珍しく客がいない日だった。

※パーセル・ポストマン、レ・ライエ

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…………。(客が来ない)(仕込みやら準備も終えて、準備も終えた。しかし客が来ないのでやることが一切ない)……しゃあねえ、試作でもするか。(あわよくば常連が来店してきたら味見もして貰おう。そう考えてキッチンへ向かう)
(気候はもうすっかり寒くなってきている。
 だから少女は普段より布を多めにしてきたのだ。それなのにどうだろう。
 空は晴れ晴れとしていて、日差しが強くて。
 じっとりと汗が滲みそうなほどに、暑い)
 ……あっつい。
(だから少女は、避難するようにして近くの喫茶店の扉を開いたのだった)
(からんころんと鳴ったドアベルに反応して、試作の手を止める)おっと、その声は……なんだ、ライエの嬢ちゃんかい。いらっしゃい。
……今日はまた一段と着込んでるな。外、暑くなかったか?
(暑くないわけがない。許されるならばいますぐ床に転がって、
 ひんやりした感触を満喫したいくらいだが。当然ながら許されるわけがない。
 無論、許可しないのは彼女の理性なのだが)
 そうですね。誤算でした。
 …ここまで暑くなるとは思わず。
(店内を見回すと自分以外には客がいないようで)
(どこか店の隅の席にと考えたのだが、
 2人しかいない店内でそれをするのも距離を取ろうとしているようでおかしく、
 従って少女はカウンター席へと腰を下ろすのだった)
となると熱いものよりかは常温に近いものの方が良いか。
(考えながら自分のマグのコーヒーを一口)
ま、一休みしてけや。何を飲む?
(熱くない茶を、と注文しようとしたところで、
 少女は手持ちの現金が心もとないことに気付く。
 代わりに所持しているのは換金前の獲物と刺繍が少々。
 これで支払いができれば手っ取り早いのだが)
 あの。支払いってこれで出来ますか?
 いま現金が少なくて。
(そう言って娘が取り出したのは2匹の兎。正確にはその死骸。
 血抜きなどの処理は済ませており、生臭さを消す葉で丁寧に包まれていた)
いらん。材料持ち込みで何か作ってくれって小料理屋の真似事ならともかく、ウチの支払いは現金のみなんでな。
(すげなく却下)
……つか、本当に狩猟民族みたいな生活してたんだな、アンタ。人は見た目によらねえもんだ。
 そうですか。現金のみなら刺繍でもだめですね。
(特に驚くこともなく、兎をしまう。
 それから店の料金表を見て、一番安い飲み物をひとつだけ注文した)
 私達の一族はみんな、弓が使えたので。
さすがに刺繍なんてものを捌ける知り合いも知らねえしな。それだったらアンタ自身で金に替えた方が良いだろ。
(はいよ、と答えて、茶葉の入った袋を戸棚から出して紅茶を淹れ始める)
弓も訓練が必要だとか聞いてるが、一族全員で使えるってのもすげえ話だな。割と裕福な部族だったのか?(練習できるほどに資材と時間がある風景を思い描く)
 そうします。
(食い下がることなく、少女は所持金に思いを馳せた。
 もし足りなかったら換金まで待ってもらおう)
 比較対象がほぼないので裕福かどうかはわかりませんが、
 矢は骨や木から作れますし、そう負担にはならないですよ。
なんだ、他の部族との交流もなかったのか。
(閉鎖的だったのか、それとも本当に周りに何もなかったのか。どちらにせよ、彼女の生きていた環境は陸の孤島のような場所だったのだろう)
だとすると、アンタもよくこの街に住み着けたな。田舎の出身が街でどうしていいかわからず右往左往ってのはよく聞く話だが。
 街がありましたが、私はあまり行かなかったので。
 街に行くのは主に男衆でしたから。
(女がするのは炊事と育児、刺繍のほかに狩りもする。
 家畜の手入れは男がすることが多い)
 街でどうしたらいいかわからないので、街の外へ狩りに出ています。
(大地と弓さえあればいつも通り。
 それが彼女の唯一再現できる『以前の生活』なのだろう)
……ああ、男衆から町の様子だとかを伝え聞いてたわけか。
(一瞬の間があって、行間から情報を拾って納得する)
(蒸らし終えた紅茶をカップに注いで、ミルクと砂糖壺を添えてカウンターへ)
お待ちどうさん。ウォーカーの話ってのは、聞いてて飽きねえもんだ。俺たちの知ってる文化とはどいつもこいつもまったく違う。
(少女は紅茶にひとくち含んだあと、やや迷ってミルクを注ぐことにした。
 ストレートで飲むか迷ったのだが、だんだんと寒くなる季節だから、
 栄養をよく取ったほうがいいと判断したのだ)
 私からすると、街の文化も随分と不思議です。
 刺繍が買い取られるなんて思いもしませんでした。
 レース、というものが高く売れます。
こっちじゃ刺繍をするやつってのは服飾ギルドだとかに限られちまうんだ。人が多くなると、他にもやることってのは多くなるもんだからな。
人が多けりゃ欲しがる人間も多くなる。作り手が足りないとなりゃ、アンタの刺繍も高く売れるって寸法だな。
まあそれを置いといても、アンタの着てる服みてえな布地だったら欲しいって言うやつも多いだろ。この辺じゃあんまり見ねえが、アンタの手製なんだよな?
 手製なのはそうですが、私だけではないです。
 こういう服は、女衆みんなで刺繍を入れてます。
 なるべく多くの人の手に触れたほうがいいので。
(ひとりで縫えることは否定しないが)
多くの人の手に? そりゃまたなんでだ。ミスのチェックならともかく、刺繍にも上手い下手ががあるから、品質が一定しなくなるだろうに。
 こういった服の刺繍には、針を通した人の祈りが込められているんですよ。
 多くの人に祈られたほうがいいでしょう? 
(例えば、健康だとか、狩りの成功だとか。良縁であるとか。
 その生地を纏う人の安康を祈って刺繍していくのだ)
 小さな子供には羊の刺繍が多いですけどね。
……祈りねえ。
(合理的な面ばかり見ていたのが、なぜだか急に恥ずかしいことのように思えて。苦いコーヒーを口に含む)
羊ってのも、なんかそういう理由があるのかい。羊飼いみたいに守ってくれるようなやつが現れてくれますように、だとか。
 無事に冬を越せるように、ですよ。羊の毛は暖かいでしょう?
(そこで少女は一旦紅茶を口に含む。ミルクを惜しみなく注がれたそれは、
 紅茶の香りづけをされたミルクに近いかもしれない)
 大人は羊の毛で冬を越しますから。
 まだ羊を狩れない子供には、防寒具が必要になるのです。
 だから、冬を無事に過ごせますように、
 早く大きくなって羊を狩れますようにと祈りを込めて刺繍を施すのです。
……なるほど。
(読みが外れたか、と肩を竦める。そういえば、来店の時も羊毛を付けていた)
(ふむ、と少し考えるように顎に手を当て、ライエへと視線を向け)
ちなみにその羊の刺繍、どれぐらいで売れてるんだ?
 さあ。
 売ったことはないですし、お店からはレースを作ってほしいと言われているので。
(売ったところで大した値にはならないだろうと少女は考える)
 …けど。
(少女は本日初めて、口元を綻ばせた。目元もうっすら細める。
 そうやって作られる表情は間違いない。微笑だ)
 そんな祈りを込めた羊の刺繍ですけど、子供にはあまり人気がないんです。
 鷹や狼の刺繍のほうがいいみたいで。
(鷹と狼の刺繍は狩りの成功を祈るものだから、
 大人の着る服にしか付けないんですけどねと付け加えた)
……子供は大人になりたがるものだからな。大人が身に付けてるものなら、自分も付けたいと思うだろうよ。
(そこだけは、どこの世界でもきっと変わらないことだ。自分もそうで、他人もそうなのだろう)
早く一人前になって親を助けたいなんてのは……まあ、いかにもガキの考えることだ。
 大人が求めるのは子供の健やかな成長なんですけどね。
(だから大人は子供の服に羊の刺繍を施すのだ)
 パーセルさん、あなたには子供はいますか?
親の心子知らず、子の心親知らずってこったろ。
(コーヒーを一口飲んで、吐息する)
いねえよ。まず相手もいねえ。こっちはそっちみたく成人の年齢はもうちっと遅いし、結婚できる年齢となりゃもっと遅くなるからな。貴族だとか、辺境ならまた話は違うんだろうが。
 そうなんですか。
(彼の口ぶりから子供について知ってるように感じたから、
 子を持つ親なのかもしれないと思ったのだが、どうやら逆のようだ)
 私も子供はいないですけどね。
(夫はいましたがと付け加える。夫の服にはよく鷹や狼を縫ったものだ)
ガキを拵えてなくても、誰だってガキだった頃はあるだろ。
アンタだって……(一瞬、いや、こっちの基準じゃこいつもまだ、と躊躇いもしたが。向こうの基準では大人だと思い直す)……ガキの頃はそうだったんじゃねえのか? あー……編み物だとか、料理だか掃除を手伝ったりだとか。
 ……。
(そっとミルクティを口に含み、まろやかな甘みを楽しむ。
 長い長い沈黙があった)
 そうですね。
(脳裏に浮かんだのはとても口に出せないようなお転婆ぶりばかりだったから、
 沈黙しか返せない)
……。
(思い出すように天井へ目を向けて、指を折り)
……ちょうどアンタぐらいの歳からだな。譲り受けて、そっから料理だ接客だってのを学んだ期間を入れねえなら大召喚の一年前。今から2年ちょい前ぐらいか。
 譲ってもらったのは、親から?
(お店をひとりでなんて、大変ですね。出掛かった言葉をカップで塞ぐ。
 無遠慮な言葉のように思えたから)
……まあ、そうだな。育ての親だ。
(育ての親という言葉を絞り出すのには、そこそこの時間を要した)
元々そいつがやってんだか閉まってるんだかよくわかんねえ、道楽みてえな使い方してたのを俺が譲り受けたんだ。
ま、ウォーカーが召喚されてからこっち、俺ぐらいの歳で店を開くってやつもいねえわけじゃねえ。そう珍しくもねえだろうよ。
そういうもんだ。
(二人のその言葉が一体、何を指してそうだと言っているのかは不明瞭で。けれど理解だけがそこにはあった)
……なあ、ライエの嬢ちゃん。飲み物の代金、物は相談なんだが。
羊の刺繍を2、3点譲っちゃ貰えねえか? 釣り合わねえってんなら、差額は金にして出すか、飲み食い数食分にしても良い。
(物々交換はしないと言ってからの、言葉の翻しだった)
 いいですよ。それくらいなら。
 では一食分ください。布と糸を買ってきたらここで縫うので。
(なぜ羊なのかと問わなかった。きっと贈りたい人がいるのだろう)
 お茶、ごちそうさまでした。
(ほぼミルクティであったが、柔らかく濃厚な口当たりが心地よかった)
 ひとまず兎とレース、売ってきます。
 暖かい場所で縫いたいので店の隅を貸してください。
ああ、それぐらいならお安い御用だ。材料費だけ渡しておくぜ。
(奥から革袋を持って来て、硬貨を十数枚そこに入れてライエへと差し出す)
帰ってきたら、アンタの食いたい物を聞かせてくれや。
 ……。
(革袋を前にきょとんとする。換金した金で買うつもりだったからだ)
 そうですね。卵をたくさん使った料理が食べたいです。
 何か考えておきます。
(言って、娘は荷物をまとめた。そろそろ涼しくなってくる頃だろう、マフラーがズレぬように手で押さえながら店の入り口へ向かう)
 ではまた。すぐあとに。
(店の扉が閉じて、やがて少女の気配は遠ざかって行った)
ああ、また後で。
(そう言って、扉の向こうに消えて行くライエを見送る)
卵をたくさん使った料理ね……。
(何かしら考えておくか。そう呟くと、久し振りに棚からレシピ帳を引っ張り出すのだった)

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