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ギルドスレッド

キャリー喫茶店

【高速RP】日曜日のお茶会 テラス席(16日20:30~)

カウンターにほど近い、半分ほどが屋根に覆われていたテラス席。
 暑夏対策で、ビニールプールが置かれている。

○お品書き
・カフェラテ ・カフェオレ ・ココア ・ミルク
・セイロン ・ダージリン ・ロイヤルミルクティー
・サンドイッチ ・カレーライス ・かぼちゃスープ
・砂糖菓子の茶葉ティー  etc...

 制限無しのテラス高速RP用スレッドです。高速用のカウンター席への平行しての参加は可能ですが、高速用の店内席と平行しての参加はご遠慮くださ

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(人形のからだをも汗ばませてしまいそうな暑さは今や昔のもの。)
(心地よい風が吹くようになったテラス席で、人形のお姫様は、真剣な表情で悩み事をしておりました。)

…………。思った以上に。決めるのが、難しいものね。
……去年のわたしは、まだ殆ど空っぽだったもの、ね。
(混沌に来たばかりの頃。たった一年なのに、もうずいぶん昔のことのようで)
(細められた紫水晶の瞳が、太陽の光を吸い込み、煌めくのでした。)
(……そう。1年というのは、どうやらとても、長い時間なのです。)
……ううん……。
(忍び足で、小さな背中に忍び寄る)
なぁに、悩み事?
(小さなお姫様が声に応じて見上げれば、そこには覆い被さるように、猫のニヤニヤ笑いがあるのだろう)
……まあ。カタリヤ?
(近頃、すこし久しぶりの再開を果たした友人の声に、お姫様は目をまあるくしました。)
(よもや、この喫茶店でも顔を会わせることになるなんて!)
御機嫌よう。カタリヤも、このお店に来ていたのね?
悩みごと……ええ、ええ。そうね。わたし今、とても悩んでいるわ。
(見下ろした紫水晶の瞳に、益々笑みを深めて)
ハァイ、お姫様! そちらの席、空いてらっしゃる?
(片手に湯気立つカップ。もう片手をひらひらと振る)
なに、ホントに悩み事だったの? こわぁい顔しちゃって。
こわい顔? ……わたし、こわい顔ができるようになったのかしら。
それならもうすこし、練習してみないと……。
(知識もこころもすくすく育ちましたけれど、相変わらず言葉を真に受ける癖があるのでした。)

あ。席はもちろん、空いているわ。
……ねえ、カタリヤ。収穫祭でどんな姿になるか、カタリヤは決めていて?
じゃ、お邪魔しちゃおうかしら。……そうよ、こぉんなカオ。
(指で自分の眉をぎゅっと吊り上げて、思いっきり顔をしかめて見せた)
なぁに、姫様はゆくゆくは女王様を目指してらっしゃるの?

んー……そうね。好きな姿に、なれるのだものね?
(カップを両手で持ち上げて、口元を隠す。答えをはぐらかす言葉はいつになく、歯切れ悪く。)
なるほど、それで悩んでらっしゃったわけだ。
……わたしは「はぐるま姫」だもの。
女王様になる予定は、特に持ち合わせていないわ?
(しかめっ面のカタリヤを、じい、と下方から……自然と上目遣いに見上げておりましたが。)
(――本当にあんな顔だったのかしら。と、少しの疑念はございました。)

ええ、ええ。……わたし、去年は「なりたい姿」なんて、なかったものだから。
(本日注文していたのは、大好きなホットココア。ちいさなカップの深い甘味に、こころまでもが温かな湯気を立ててゆくようです。)
でも今年はどうしようか、と考えてみたら。……それはそれで、とても悩ましくって。
怖い顔って女王様っぽいじゃない。「首を刎ねよ!」 なぁんて、ね?
……私そんな顔してたのかしら、って顔してるわ。今。
(軽く肩を竦めて、)
なりたいもの、いっぱいあるの?……例えば?
自由に姿を変えられるのでしょう?
なら……やっぱり、人間種と同じような大きさにもなってみたいし。
けれども、飛行種のような翼も素敵だし。
それにわたし、人魚のお姫様が出てくるお話を呼んで、ああいったお姫様もいるのだと知って。
(あれも、これも。貪欲に知識を吸収していったからこそ、指折数えきれないというものです。)

……憧ればかり、たくさん増えてしまったわ。
ああ、私も子供の頃は翼やヒレをお願いしたっけ。
(少し、遠くを見るように目を細める)
憧れの中で一番、を選ぶのは難しいわよねぇ……
私としては、背丈が並ぶくらいになった貴方を見てみたいけれど。是非、ね。
カタリヤと並ぶほどの背丈……。
……なんだか世界がどう見えるのか、想像しづらいわ。
(肩に乗っていたことこそあれ。「自分の足による視点」となると、意外なほどイメージが固まらないものでした。)
「もしもわたしが人間種だったら」……なんて。
そんな曖昧な想像でも、姿を変えられるものかしら。
(ふふ、と笑みを溢す)今よりも、世界がミニチュアに見えちゃうのかもね?
もし、貴方が人間だったら……ね。
(カップを静かに、ゆらゆらと揺らして)血の通った暖かな、滑らかな肌。柔らかい唇。体の中からは歯車の音じゃなくて、心臓の鼓動。(ひとつづつ、数えるように並べる)……随分違うものじゃない?
外見はあまり大きくは変わらないかもしれないけれど、貴方にとっては大違いかも、ね。
……それこそ、人魚姫の童話を思い出してしまいもするの。
愛するひとのために、すこしの間だけ人間の姿になったのでしょう。
結末は……何種類か、あったけれど。
(混沌にはあらゆる世界の物語が集いますから。さてはて、どんな「人魚姫」だったやら。)

……ただ、そう。変身によって、わたしの中身も変わるのだとしら。
わたし、少しの間でも、おじいさんが作った「はぐるま姫」では、なくなってしまうのでしょう?
(実のところ。こちらもまた、お姫様の思考に迷路を作りたもう、悩みの一因でした。)
数日の間ではあるけれど。……それって、おじいさんに、不誠実ではないのかしら。
泡になって消えてしまうかも、なんて?
(深刻そうに目を伏せる姿は、生まれた時からその魔法と一緒にいた純種としては少し……愉快ですらある。行儀悪くテーブルに肘をついて、)
そうね。生まれもった姿を否定するの。なりたい姿はこれじゃなかった、ってね。
私はもっと、ステキな私になれるんだ、って。
……それって、そんなにいけないことかしら?
……だって、わたしはおじいさんの「最高傑作」なのだもの。
そのわたしが、今のわたしの姿を否定したら。
……なんだかおじいさんの生涯すら、否定してしまうような気がして。

(ちいさな両手に持ったカップの中身を揺らせど、深い、深い茶色を湛えたその底を見通すことは、けして出来ません。)
(舌にこびりつくほどの味わいと一緒に、飲み干してしまうしか。)

だから、「もっとステキ」とは思いたくないの。
……いけないことかどうかは。よく、わからないわ。
(俯いた彼女は、両手の間にカップが無ければ、告解でもしているように見える。)
ふぅん。
おじいさんは、貴方に、どうなって欲しいと思ってると思う?
綺麗で無垢で何にも知らないお人形のまんま、ってワケじゃないのでしょう?
だって貴方、もう、そうじゃないもの、ね。
……それも、わからないわ。
わたし、直接おじいさんとお話することは、できなかったし。
おじいさんは……人間というものが、嫌いだったみたいだから。
(いつもたくさんの「お話」を語って聞かせてくれた、おじいさん。)
(……人形に話しかけ続ける彼は、第三者から見れば、狂人ですらあったのかもしれません。)

……あまつさえ、おじいさんの嫌いだったものに「なってみたい」なんて思ったら。
わたし、「はぐるま姫」では、いられなくなってしまうのではないかしら。
(人嫌いの、偏屈な人形師。その姿はとても単純に、頭の中に像を結ぶ。)
おじいさんの理想が「はぐるま姫」ねぇ……
そんなに気になるのなら、おじいさんに叱られない程度の変身に留めておくのも仕方が無いのかも知れないけれど。
ふぅん……残念ね。自分じゃない自分になるの、とっても楽しいのに。

……それに、私の目から見れば。
貴方の中身って、もうかなり、「人間」な気がするのだけれどね。
……人間?
(お姫様の自分への認識は、あくまで「お人形」。)
(けして揺らぐことのない根底でしたから、カタリヤの言葉に、たいそう驚いた表情を見せました。)
…………わたしが?
(こちらも、僅かに目を見開いて驚きを示した)そう。
久しぶりに会って、益々ね。「人間のお姫様らしく」なってると思ったわ、貴方。
…………。
(それは、お姫様にとって、思ってもみなかった視点でした。)
(だって「はぐるま姫」は「お人形のお姫様」ですから。「お姫様らしくなる」という目標はあっても、常に彼女は、お人形だったのです。)

どういうところが。人間のお姫様に、見えているの?
(もともと好奇心旺盛なお姫様です。やっぱり興味が湧いてしまったんでしょうね。)
(顔をあげ、まっすぐカタリヤを見つめながら、問いかけるのでした。)
そういう、知りたがってる時に目がキラキラするところ。
(顔を上げた彼女の鼻先に、人差し指を突き付けて)
ココアを飲んで嬉しそうに微笑んでるところ。
悩みすぎてこわぁいカオになっちゃうところ。
おねだりするときに上目遣いになるところ。……自分の武器知ってるのはとってもステキなことよ?

誰かを羨んで、ずるい、って思うところ。

人間のお姫様は可憐で美しくて気高く優しい……けれど、自分の心を自分で抑えられるものじゃないの。
誰かの願いよりも自分のしたいことをしたい、って思っちゃったなら、やっぱり貴方、人間だわ。
わたしが、人間……。

(突きつけられた指先をお姫様が見つめれば、その指先が、宝石の瞳に反射して見えたことでしょう。)
(カタリヤが淀みなく挙げてゆく理由を聞いているうちに。)
(……お姫様も、「なるほど」と、考えがかちりと噛み合う点を、心のうちに見つけたのです。)
(だって。「お人形だった頃の自分」が思い出せないという、ずっと抱えてきた疑問の答えとして。これほど納得のゆくものは、ありません。)

…………。
からだは、人形のままでも。
こころが、人間になるの?
人間だって生まれた時から人間の心持ってるワケじゃないのよ、姫様。
(どう見ても、白磁にはめ込まれた紫水晶。しかしこちらの声に聞き入る瞳を見つめるのは、面白い気分だった。)
体のかたちは純種だって色々だわ。鉄騎なんて連中もいるしね。
……じゃあ。カタリヤも昔は、わたしみたいだったの?
(いの一番に、目の前の友人の「むかし」を想像してしまいました。)
(……空っぽだったカタリヤだなんて、なかなか思い浮かべづらいのですけれど。)
私も昔は……ちっちゃかったわよ。姫様の2倍くらいね。
(体を起こして、椅子の背に凭れる)
お人形というよりは……獣ね。毎日走り回って、あちこち入り込んで、泥だらけになって。
ただの、子供だったわ。
けもの。
(理知的で、「大人の女性」とはこういうものなのだろうと。)
(お姫様の中で価値観のひと柱を担っていたカタリヤでしたから。少なからぬ驚きがありました。)
(泥んこで遊びまわる子供と、余裕たっぷりの笑みを浮かべて智慧を披露する彼女は、だって、ちいとも結びつかないではありませんか。)

……そこから、今のカタリヤになったの?
なれる、ものなの?
あら、意外だった?
そういえば姫様、「子供」のお友達っていらっしゃるのかしら。……なぁんて、お姫様は泥んこになって遊んだりなさらないかしらね。

なれちゃうものなの。
人の心って、簡単に変わるものだから、ね。
(余裕たっぷりに微笑んで。少しぬるくなったカップに口をつける)
(――――彼女の仕草をよく見ていたならば、その尻尾は風に吹かれた灯火のように、落ちつかなげにゆらゆらと揺れていた)
子供は……おじいさんのお店で、お人形をよく買っていっていたけれど。
……よく笑うことぐらいしか、わたしには見えていなかったわ。
(なにしろほとんどの場合、お店の奥にしまわれていましたから。)
(「見る」より「聞く」方が多かったのです。)
(目線がすこしばかり、低いせいもあるのでしょうね。ゆらゆらと揺れる尻尾を、自然と、目で追っておりました。)

……ただ「なってみたい」って。わたし、安易な興味だってわかってるつもりよ。
でも。
……いいのかしら。すこしだけ、憧れてみても。
いいのよ。少しだけなんて言わずに、何になってもね。
……どうせ数日の夢のお話なんだから。
(ゆらり。)
(一度大きく尻尾が揺れて、)
楽しみにしてるわね。姫様がどんなレディになるのか。
……ええ、ええ。
もう少しだけ、迷う必要はありそうだけれど。
考えてみるわ。わたし、どんな姿になったらいいか。
ありがとう、カタリヤ。
(おじいさんへの想いを、断ち切ったわけではありませんけれど。)
(でも。人間のこころを持つ自分と向き合ってみよう、と。)
(ちいさな決意が、きりりと音を立てて、胸の奥で固まってゆくのでした。)
……ありがとう、カタリヤ。
………………。

(そして、ふと。)
(ひとつ、先日の話題がひとつ、思い出されます。)

ねえ。
……こころが人間になったなら。
わたし。人間の「王子様」に、恋するべきなのかしら?
……?
(彼女の疑問をゆっくりと咀嚼する)
……貴方、「王子様」って……王子様のお人形のことだったの?
いのちの歯車でも使って?
(呆れたように、ため息混じりの声音。)
姫様って結構、しないと、とか、べき、とか多いわねぇ。
姫様が相応しいと思った「王子様」なら、人間でもお人形でもいいんじゃなくて?
(彼女の想定していた「人形の王子様」とのご婚約が成ったなら、それはそれ。ちょっと面白い。)
ま、何にせよお力になれたのなら良かったわ。
(出会うたびに変化を……成長を見せる彼女は、本当に刺激的。見ていて飽きない、最高の「お人形」。)
どういたしまして、姫様!
だって、わたし、お人形のお姫様なのだもの。
(至極真面目に。ならば王子様もお人形なのだろうと結論づけていたのでした。)

「はぐるま姫」の名にふさわしくあるべきだって、思っていたけれど。
…………。すこし、考えてみるわ?
(青天の霹靂、とでも言うのでしょう。)
(考えてもみなかった価値観の飛来に、お姫様は、まだ考えをまとめきれていなかったのでした。)
……ええ、ええ。
おかげで、胸の奥の歯車につかえていたものが、綺麗さっぱり取れたかのよう。
(ものの例えというわけでもなく、本当に、胸のあたりがキリキリといっそう綺麗な音を立てるようになっているのは、さすがお人形といったところでしょう。)
(悩みと共に、カップの中身は今やすっかり飲み干されておりました。)

わたし、そろそろ行くわね。
お洋服だって、いくつか見繕わなきゃいけなそうだもの。
(彼女の立てる音が少し……言葉通り変化したのを、猫の耳は聞き取る。)
(それに、また少し口角を上げて)
ん、私もそろそろ行こうかしら。
じゃあねぇ姫様、よい収穫祭になるといいわね!
(軽く片手をひらりと振って、しなやかな足取りでその場を後にした。)
ええ。本当に。
……本当に、楽しみだわ。
(軽やかな足音と、歯車の音。)
(協奏を引き連れて、お姫様もまた、帰路につくのでした。)

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