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ギルドスレッド

キャリー喫茶店

【低速スレ】店内 3人席 秋

▼コーヒーの匂い漂うキャリー喫茶店の店内。
 壁際に設置された3人掛けのテーブル席にはメニューブックと各種コンデュメントなどが揃っている。

※「9/1~10/31」までの期間の決まったスレッド。
 1、2日に一度の発言ペース。参加は3人まで。

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(夏は過ぎゆき、からだを撫ぜる風が少なからず涼しさを纏うようになってきておりました)
(テラスでなくお店の中を選んだのは、そんな理由もあったでしょうか。)

………………。
(大好物である、湯気立つ、熱々のココアを前にして)
(しかし人形のお姫様は、表情に憂いの色を浮かべて、物言わず俯くばかり。)
(静かな店内に、偶に、きりりと歯車の軋む音が小さく響いておりました。)
失礼。相席してもよいだろうか?
(金の髪を揺らしながら、小さな人形へと声を掛ける少女が一人)
――あら、エクスマリア。
(声をかけられると、我に返って、両の瞳をぱちくり。)
(眼前に艶やかな金糸を広げる女性を認めたなら、カクリ、頷いてみせました。)
ええ、ええ。お断りする理由なんて、どこにもないわ?
ならば、良かった。何やら思案している様子に見えたもので、な。
(対面の席に腰掛ける。湯気の立ち上るココアへ視線を向け、小さく首を傾げてみせた)
人形の身であれば、虫歯や肥満に悩むことも、なさそうだが……猫舌、か?
思案……そう、そうね。すこし、考え事をしていたわ。
……あ、違うの。熱いココアは好きなのよ? アイスココアも大好きだけれど。
やっぱり温かいココアの方が、からだの中へすうっと染み渡る感じが……。
(いささかばかり脱線しそうになったお話を、こほん、と小さな咳払いでレールへ戻して。)

……ねえ。エクスマリアは、ひとの「死」を見届けたことは、ある?
依頼で相手を倒した、とか。そういったものでは、なくて。
ふむ……(メニューを開き、さっと目を通すとレモンティーを注文して)
此方では、未だ無い。が、故郷では、何度かあるが……
奪ったのではなく、奪われたでもなく、営みの内で生を全うした、という意味で合っているか?
ええ、ええ……そうよ。
殺し殺されではなくて。寿命や、病……時には事故もあるのかしら。
そういった、日常の中で死んでしまったひとのこと。
(つとめて穏やかな声音。好奇の歯車はいまだ音を立て続けておりますから、あまり他人に聞く機会のない話に、純粋な興味が向いてもおりました。)
看取る……という言葉を使うと、よりわたしの考えているものに近いかしら。
マリアの経験した中では、病か、寿命が多いな。
人より生きる時間が永い分、そうした機会は今後も多くあることだろう
(淡々と、表情と同じく感情の伺えない声で答え)
……はぐるま姫は、看取ったのか?
(疑問の声と共に、長い髪が一房、僅かに捩れた)
そう……エクスマリアは、長く生きるいのちなのね。
長い時間の中でも。やっぱり別れは、惜しいものだったのかしら。
(混沌では珍しくはありませんけれど。それでもやっぱり、一驚程度はあるものです。)

わたしは……。
……たぶん、「看取れなかった」わ。
そのときにはまだ、こころというものを持っていなかったから。
無論、命の在り方に関わらず、いつだって別れは、重いものだ。
どれほど繰り返そうと、出会う命に同じものはない、からな。
(大きな帽子を深く被り直し、届けられたレモンティーを一口)
こころ、か。その時のはぐるま姫は、別れを理解できていなかった、と?
そうね。「死」というものだって、理解できてなかったわ。
人形が壊れたときと同じで。
直せたら、動けるようになるのだと……思っていたところも、あると思う。
(「いのちを持つ前の記憶」なんて、なんだか矛盾しているのですけれど)
(それらはどうにも曖昧で、お姫様にとって、思い出すのが難しいものでした。)
(別れは、重いもの。言葉を噛みしめるように、ちょっとだけ、間が置かれました。)

エクスマリアは。
ひとと「別れた」とき……どうやって、こころに整理をつけていたのかしら。
難しい、な。惜しむ気持ちも、悲しむこころも、降りしきる雨と同様。
止むのを待つしかないもの、かもしれない。
(レモンティーの揺れるカップを両手で包み、なんとなく手を温めながら)

ただ、整理しきれぬ間は、1人より誰かと共に居るのが、良いと思う。
失った寂しさは、1人では補えないから、な。マリアも、そうしていた。
止むのを待つ……。
……それは少し、わかるかもしれないわ。
気持ちの整理は、時間が経つほどに、少しずつついていったもの。
(得心いったように、こくこくと。少し前までは、カクカク、ぎこちない首肯ばかりだったのですけれど。)

……誰かと……。
それはつまり。友達とか、恋人とか。
そういう、親しいひとのこと、なのかしら。
(ひとの関係性について、まだ多くを知らないので、出せる例えが多くはありませんでした。)
深い悲しみも、永遠に続くものではないから、な。
(小さく頷き返し)
心の内を、押し隠さずに居られる相手であれば、良いだろう。
友でも、恋人でも。或いは、たまたま同じ席で茶を飲んだ相手でも。
それじゃあ。

(……そんなにたくさんお話したことのない相手に、こんなことを言うのは)
(すこし距離感を履き違えてるのかも、しれませんけれど。)

わたしが悲しいときは。
エクスマリアにお話を聞いてもらうことも、あるかもしれないわね。

(確かな経験の積み重ねの上にある、彼女の言葉を聞いていると)
(噛み合う歯車が、たしかに、きちきちと信頼の音を立てるようなのでした。)
(湯気を立てるレモンティーを口にして、何処か安堵したように小さく息を吐き)
時にはそういう事も、あるだろう。その時には、僅かでも重荷を軽く出来ると、良いのだが。
……未だ互いをよく知っている、とは、言い難い仲だが。知りたい、とは思うから、な。
(淡々と、人形の少女より余程変化の乏しい顔と声色で。そんな言葉を口にする。
気持ちを代弁するかのように、金の毛先がぱたぱたと揺れながら。)
……ふふっ、そうね。
こうしてお話してるだけでも。わたし、あなたのこころの豊かさを知れたもの。
(知りたい。その言葉はいのちを得てから、ひたすらお姫様を動かしてきた原動力)
(エクスマリアにもまたそれがあって、自分に向けられている。その事実がなんだかお姫様には、たまらなく嬉しかったのでした。)

ありがとう、エクスマリア。
……もしかしたら、「あるかもしれない」じゃなくて。
わたし、今あなたにお話を聞いてもらっただけでも、ずいぶん胸の中が軽くなったみたい。
そう、か。そうであれば、マリアにも、とても嬉しいことだ。
はぐるま姫のこころも、豊かで、これより先も、豊穣に満ちることだろうな。
(花咲くような笑みを目にし、変わらぬ表情のまま、揺れる髪が喜びを示し)

もう、ココアも気後れ無く、味わえそうか?
(そういって、またレモンティーを一口)
――ええ。おかげさまで。
(手にしたココアを口につけると)
(優しい甘さが、からだ中の歯車を……不思議にも、潤滑させてくれるようでした。)

それに……ふふっ。エクスマリアは、無表情なひとと思っていたけど。
顔のかたちを変えるだけが「表情」じゃないって、わかったもの。
(煌めく宝石の瞳は、いつしか、揺れる鮮やかな金髪を追っておりました。)
とても喜ばしい知識が、ひとつ増えたわ?
そう、か。何やらこそばゆい気もするが……
知識が増えるのは、良いこと、だな。
(喜びに揺れる髪が、今度は僅かながら毛先を内に丸め始める。視線を感じて、照れて隠れるかのように)
――ふふっ。
(今日はほんとうに、たくさん、素敵なことを覚えました。)
(喜びに高鳴るかのように、胸の内から、きりきり、歯車の音。)

ありがとう、エクスマリア。わたし、今日はそろそろ行くわね。
よかったら、またお話を聞かせてちょうだい。
……髪のお手入れだなんて、きっとすごく参考になりそうだもの、ね?
(豊かな感情を表現する艶やかな髪は、それらを抜きにしても、だって、とても綺麗なのです。)
(椅子から下りた後、スカートをつまんで、優雅に一礼したならば。)

ご機嫌よう。また、会いましょうね?
(その場で滑るように半回転、向きを変えて、テラスを後にしてゆくのでした。)
ああ、また、ゆっくり話をしよう。髪のことであれば、一家言あるつもりだ。
(美しい一礼をし去る姿に、小さく手を振り)
ごきげんよう、だ。はぐるま姫。
(残るレモンティーを飲み干しながら、暫し会話の余韻を楽しみ、彼女もまた去っていった。)

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