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ギルドスレッド

魔王の砦

書庫:魔王録

一階の書庫にある一つの書物。

目立つ様に置かれている訳ではないが、何故か目を引く不思議な書物。
そこには、こう書かれていた。

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   魔 王 録


 著:ビリーマン
 クローチェル社
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ハウザー・ゼス・バロノア15世。
バロノア世界統合帝国皇帝、通称「世界帝」。

天空の女帝、魔王、烈火帝、紅き軍神、ロード・ウラク、奇跡の人など、様々な渾名が存在するハウザーであるが、彼女がどの様にして世界帝までに至ったのか、その全貌を彼女自身からの言質を得てここに書き記す。

星神歴1100年、7月7日。バロノア帝国。
バロノア帝国14代目皇帝「ゼスフェイロン・ギル・バロノア」と、皇后「アルメリア・ハウゼン・バロノア」との間に生まれた、二人目の子供。
兄に「ルフェル・フェン・バロノア」がいる。
当時バロノア帝国は、世界五大国家の一つとして数えられ、大国の地位を揺るぎない物としていた。

物心付いた時から魔法に興味を持ち、ハウザーは魔法の稀有な才能の持ち主であった。
その才能を伸ばす為、幼い頃より城の魔法使いから教育を受けてきた。
10歳になる頃には城の魔法使いを超え、魔法使いの本場ウラク聖国魔法学園に入学する。
学園でも極めて優秀な成績を残しており、多くの魔法理論や、新たな汎用魔法を作る事に成功し、学園を首席で卒業。後に「ロード・ウラク」の称号を与えられる。

星神暦1115年。
ハウザー15歳。魔法使いの第一人者として、バロノア帝国魔法研究所に就職。
就職後間もなく、トラス大公国(世界五大国家)との戦争が始まる。
バロノア帝国の軍事力は高く、トラス大公国との戦争はかなり優勢であった。

星神暦1116年。
トラス大公国とエルトナ王国(世界五大国家)が軍事同盟を結び、バロノア帝国が押され始める。更に皇帝の体調が崩れ始め、バロノア劣勢。

星神暦1118年。
当時、帝国周辺地域では流行病が蔓延しており、ルフェルもそれに罹っていた。
医者や魔法使い達は様々な方法で流行病の治療方法を模索するも、ルフェル病死。

治療方法が見付かったのは、ルフェルの死から僅か三日後であった。
皮肉にも、その治療方法を確立したのはハウザーである。
星神暦1119年、6月。
南バロノア帝国領。及び、西バロノア帝国領が陥落。
そして、カルーナ神聖公国(世界五大国家)がバロノア帝国に宣戦布告。
世界五大国家の内、三カ国と敵対。

同年、9月。
バロノア帝国軍事基地、カッザ要塞陥落。
守りの要が突破され、次々とバロノアの地域が制圧される。

同年、12月。
体調が悪化し、12月27日、ゼスフェイロン死亡。
帝位を得られるのはハウザーただ一人。
そして、翌年の元日、遂にハウザーが皇帝に即位した。

そしてハウザーによる、帝国の反撃が始まる。

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