貴方はこの静かで不思議な森に
迷い込んでしまったのかもしれない。

もしくは、他の目的が────。

(木陰に腰かけ、小鹿に餌を与えている。)
怪我は治ったみたいにぇ～、最近は森に罠を仕掛ける輩も多いからにぃ
気をつけるんだに？にひひっ(小鹿の右前足に治療を施された痕がある)

……おかしいですね。方向は間違ってなかったはずですが。（何処からともなく迷い込んだ一人の少女。キョロキョロと辺りを見回している）

(人の気配を感じて様子を見に、少女の人影を確認してひょっこり出てくる)
やぁやぁ、アリス(お嬢さん)。
(キョロキョロ見回している雰囲気を見て)迷い込んでしまったかにぇ？

（声がした方をくるっと向き）人形……？（様々な疑問が浮かぶ中、とりあえず目先の事から聞いてみようと）迷い込んだか、という質問に対してセラは肯定を示します。ここは一体何処なのでしょうか。そして、貴方の名は？

ここは泡沫の森、幻想(レガド・イルシオン)にある
幻想の別の森と不定期で繋がっては消えてを繰り返す、不思議な森？

申し遅れてボクの名前はPandora Puppet Paradox。
パンドラ、ぴーちゃん、人形兎、呼び名はお任せ
アリスの護衛から同伴デート、トランプの相手まで幅広くお答えしますにぇ～にひっ。

成る程、つまりはセラの住処である森と繋がったのですね。通りでセラの記憶にはない場所、此処に迷い込んでしまった訳です。納得がいきました。

パンドラ、もしくは名に当たるであろうパラドックスと呼称しようかと考えましたが、
それでは余りにも無骨すぎる、とセラが有する人の知識から評価が下りました。
………ヒトを愛称で呼ぶのは初の試みですが、何事も経験が必要ですね。
それではぴー……ちゃんと。（その様相はあまりにもぎこちなく）

最早名乗るのは不要かと思いますが、私はSelah（セラ）。
分類上、精霊に近しき者です。以後お見知りおきを。

セラ、こちらこそ宜しくだにぇ。
ボクの居た絵本の世界にも精霊さんは居たけど
羽の生えたボクの1/10ぐらいな大きさの子達だったにぃ～。
（ニンジンをポリポリしつつ、セラの事を珍しそうに見ている）
帰り道だったら、言ってくれれば出口まで案内するからお任せしてほしいに！
この森で何処か、見て回りたい所があったら護衛するに？

（絵本の世界、というワードが出た瞬間、アホ毛がぴくっと動いた）

そうですね。現在セラには急いで帰らなくてはならない理由もありませんので、ぴーちゃんが良ければこの付近を一緒に散歩でもしませんか。貴方とのコミュニケーションは、非常に有意義な体験になると、セラの直感が告げています。聞きたい事もありますので。

ボクも急ぎの用事は無いから、一緒に散歩、ぜひ付き合わせて貰うにぇ～。
にひひっ、聞きたい事があれば、何でも聞いて貰って大丈夫にぃ？
そうだにぇ…まずは畑にでも案内するかな（セラの歩幅に合わせて移動を始めるウサギ）

畑ですか。お話はあちらに着いた後でも。

それでは参りましょうか。（てくてくとぴーちゃんの後を歩き始めた）