PandoraPartyProject

ギルドスレッド

人形の座る軒先

≪晴れた昼に≫

≪とある晴れた日≫
≪彼女はいつものように、屋敷の軒先に座り行きかう人々を見つめている≫
≪座る彼女の隣には大きめのポットにティーカップ、それから個装されたクッキーがいくつか≫
≪いつでもティーパーティーを始められそうなそれらを傍に置き、彼女は座り続けている≫

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(人形を抱えた顔のない執事が、ふらり、と軒先に近寄ってきた)
…人形かと思えば、異世界の遠いご同胞であったか?(口を開いたのは抱えらえた人形)
言っておくが、食べ物に釣られたわけではないぞ?(しかし、視線はクッキーに向けられている)
(何度か瞬きをして)
同胞か、という点にはお答えできかねますが、えぇ、人形ではありません。
IN/AS型Ia機Ⅱ型と申します。
長くなりますので、どうぞアイナシアとお呼び下さい。
(丁寧に一度礼をして)

(視線の先を辿り)
宜しければ、どうぞ。
お口に合うといいのですが。
紅茶などもありますので、こちらも宜しければ。
(そっとカップに紅茶を注いで差し出し)
アイナシア、であるな。吾はニアライト。急な立ち寄りにも関わらずの歓待、感謝する。
(従僕人形に自身を軒先に座らせ)
有難い、遠慮無く頂かせてもらう。
(小さな手で抱えるようにカップを持ちつつ)
…そう言えば、そなたは何を見ていたのであろうか?見る限りは珍しい物など…いや、最近、増えたのであったな。吾もその内であるし、な。
(一口、紅茶を飲み、カップを従僕に預け、クッキーに短い手を伸ばす)
(手拭きも用意してから隣に腰を下ろし)
えぇ、人を見ていたのです。
通りがかる方は少ないのですが、外からいらっしゃるとここを通る事も多いので。
ニアライト様も、外――異世界からいらしたのですか?
(両手でクッキーを齧りつつ)うむ、こことは異なる世界より来たと言うか…放り込まれた様なものであるな。
既に終わった世界であったし、吾としては歓迎するべきなのであるが…。
(クッキーを飲み込み)
ただ、空腹という感覚のみは困り物ではあるかな?
空腹……。
(数度瞬きをして)
今まで無かった感覚を得る…というのは、良いこともあれば悪いこともある、でしょうか。
確かにこの体では空腹など感じることもありませんものね。
ですが同時に、満腹という幸せを感じられるのなら、良いことでもあるのではないかと、そう思います。
満たされる感覚も、なかなか無いものですから。
…確かに、食べる事の楽しさは知った訳ではあるな。(苦笑を浮かべ)初めての満腹はそれはそれで辛かったがな。
…そなたは、空腹などを感じぬのであるか。…こうも見事にクッキーを作れるであろうに。
(図々しくも二枚目に手を伸ばしつつ)
(そっと手拭きを傍に置いて)
…私にはそういった感覚が欠落しているものでして。
食事を摂る事も水分を補給することも可能ですが、それと欲求が結びついていないのです。
ニアライト様が仰るように、空腹の辛さも満腹の辛さも…昔は分かりませんが、今は分からないのですよ。
ですから、羨ましいと。
ニアライト様の在り方が尊いものだと、思います。
(無表情のままぽつりとつぶやく)
…まるで昔と今が違うようにいうのであるな。
(薄く苦笑を浮かべ)尊いか。さてな。吾もまだこの様になったばかりであるし。そなたもこのようになる時が来るかもしれんぞ?
(執事人形に手拭きを取らせ、自分の手を拭かせる。つ、と視線をアイナシアに向け)
頂いておる身で図々しいが…。そなたは食べぬのか?
(紅茶のカップを抱え、視線を侍る執事人形に向け)
良ければ紅茶の給仕くらいはこやつにやらせてはくれぬか?
えぇ、大部分の記憶が欠落しているので――昔はもしかしたら、空腹を感じることが出来たのかもしれません。
ただ、感じていたかどうかの記憶が無いものなので、羨ましいと、尊いと思うのです。
もしかしたらその時に、苦しみに後悔するかもしれませんが。
(視線を向けられて首を傾げて)
あぁ……申し訳ありません。
お仕事を奪ってしまっていたのですね。
(こくりと頷いて執事人形に向けて頭を下げ)
では、私も頂きますね。
宜しくお願い致します。
(パタパタと手を振り)いや、気を使わせてしまったであろうか。
(執事人形はマニュアル通りとも見える動作でアイナシアに紅茶を供する。その光景を見、小さく笑う)
…吾がやらせていておかしな話ではあるが、人形が人形に命じて人形に供するというのは、なんとも面白い光景であるな。

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