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ギルドスレッド

儚き調べ

【設定】ティミの記録

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母親はティミを出産するときに死亡。
父親は勇敢な戦士で里を守る為に魔獣の討伐に向かい、ボスと相打ちで戦死。
年の離れた兄と姉がティミを育てた。

里の外に狩に出かけていた時、奴隷商人に見つかってしまう。
土地柄アルティオ=エルムから離れている国では物珍しさからハーモニアを高値で買う貴族が居ると奴隷商人は言いながらティミをつかみ上げた。
特に幼い子供はそういう貴族にとって希少価値が高いらしい。

ティミの兄と姉は矢を番え奴隷商人に放つ。
奴隷商人を守る様に出てきた魔物みたいな大男が攻撃を弾いて、ティミの兄を捕まえる。
大男と比べると非力な兄は腕をもがれ、足をもがれた。
ティミは奴隷商人に顔を捕まれその様子を無理やり見せられて、泣き叫ぶ。
大人の、特に男は要らないのだと奴隷商人は言った。
ティミの姉はそれでも諦めず素早い動きでティミを助けに走るが、別の敵に捕まり、嬲り殺された。
そこには絶望しか無く。現実を拒否するように意識を落とした。

目を覚ますと、何とか座れるぐらいの家畜用の檻に入れられ、手枷足枷を嵌められていた。
馬車が揺れる度、恐怖は膨れ上がる。
ティミ以外にも何人か馬車には詰め込まれていた。
檻に入れられているのはティミだけ。
他の人達は数珠繋ぎの様にされ、一人が動けば他の人が不便を感じる様子だった。
獣人と鉄騎種。
里から出た事のないティミにはその人たちの種族が何なのか詳細は分からなかったが、奴隷商人はおしゃべりで。数珠繋ぎにされた人たちは労働力として、ティミは嗜好品として売られるそうだ。

道のりは長く、食事も奴隷商人達の残飯を食べる。
食べる時は奴隷商人の前に並べられ、逆らいません、お恵みをと言わないといけない。
その食事も一日一度。正気が少しずつ削れていく。
最初は怒りの目をしていた獣人の青年も、ラサ傭兵商会連合に入り幻想国に向かう頃には目の希望を失って無気力な状態になっていた。

長い時間を掛けて馬車は目的地に着いた。
檻ごと荷物のように降ろされて、運ばれる間、市場が見えた。
首から値段札を下げて、立っていたり項垂れている人々。
奴隷たちが売買される闇市場だ。

運ばれた先は少し大きい貴族の屋敷のにある地下室。
そこには同じぐらいの年齢から少し年上に見える、美しい少年少女が集められていた。
檻から出され、服をはぎ取られる。
順番に風呂に入れられ綺麗に洗われ、花の香りのする香油と共に優しく拭かれていく。
貴方達は観賞用や愛玩用に成れてよかったわねとその屋敷の召使いの女性は言う。
外には労働力として消費されて使い潰されるだけの奴隷もいるからと言う。
髪を梳かされ、花を頭に飾る。高そうなレースの衣装を着させられる。

暗い部屋は小さな舞台の様になっていてオークションが行われる場所。
次々に値段が付けられていく。
ティミは金遣いの荒そうで傲慢そうな貴族に買われる事になった。

ティミを買った貴族は世間知らずな地方の長男だった。
小さい頃より甘やかされ育った男は傲慢で、他者を屈服させなければ気が済まない。
特に美しいものを穢す事に執心した。
屋敷には綺麗な子供の愛玩奴隷を多く置いていたが、その子供達が15歳を超える事はなかった。
男の仕打ちに耐え切れず、命を落としてしまうからだ。
失敗すれば鞭を打たれ、痛みで動く事も出来なくなる。
ティミに意地悪をしてきた少女も、ある日倒れて動かなくなった。
掃除と洗濯は幼いティミにも出来るので、それが主な仕事だった。
少し大きくなってからは料理も出来るようになった。
仕事が終われば、逃げ出さない様に物置の様な小さな部屋に入れられて外から鍵を掛けられる。
ベッドは無い。冷たい石畳の床に小さくなって眠る。
大樹ファルカウに祈りを捧げても、この場所から逃げ出せない事はもう分かっている。
兄と姉を寝言で呼んでも、優しく揺り起こしてくれる手は無い。
涙も感情も次第に枯れて行く。何もかもを諦めて。只、時間だけが流れるまま。

10歳を過ぎたある夜。
傲慢な貴族の機嫌が普段より悪かった。
部屋に呼び出され背中に何度も鞭を打たれる。
とうとう順番が回ってきたのだと思った。
ここから解放されるなら今夜、死んでしまった方が楽だと思った。

鞭を打たれた背中から血が流れてベッドの上に落ちる。
痛みに恐怖が膨れ上がり。限度を超える痛みに身体が勝手に震えだす。

そして、何度も振り下ろされる鞭がぱたりとやんだ。
肘と膝にあったシーツの感触がざらついた石畳に変わるが、痛みと恐怖はティミを支配したままで、別の場所に移動したのだと認識する事ができない。ただ、痛くなくなってよかったと思考が混濁した頭で思った。
背中の痛みで動く事も出来ず、破れた服のまま横たわっていた。

ぼんやりとした頭で認識する。誰かに、話しかけられている気がする。
耳鳴りが酷くて話しかけてくるのが男の人か女の人か分からない。
身体中が痛くて、答えられない。
怖い。殴られる。
御主人様、ごめんなさい。
ごめんなさい。きちんとやります。
そう言ってるはずなのに。声はきっと届いていない。
背中に痛みが走る。鞭で打たれた所に何か液体を掛けられた。
焼けるような痛みに冷や汗が出て来る。
怖くて震える。

まぶしさに目を覚ますと、朝になっていた。
うつ伏せのまま顔だけを上げると、石畳の向こうに空が見えた。
身体を動かそうとすると背中の痛みが激痛に変わるので、横たわったまま。
ティミの身体にはベージュのマントが掛けられていた。
背中に何か張り付いているが何か分からない。
きっと、昨日の話しかけてくれた人が介抱してくれたのだろう。
背中に掛けられた液体は消毒に違いない。

しばらく横たわっていると、空中庭園の神託の少女ざんげが話しかけて来た。
動く事が出来ないのだと伝えると、担いでというより半ばひきずって転送装置まで運んでくれる。
ここに居るより下に降りてローレットに行った方が良いからと。

マントに包まったまま地上へ飛ばされる。
地上の転送装置の近くには同じように特異運命座標になった人たちが居た。
人が沢山居る場所は苦手だ。
消えてしまった私を御主人様が探しにくるかもしれない。
見つかれば、今度こそ死ぬまで鞭を打たれてしまう。
まだ、生きたい。
ゆっくり起き上がる。身体を動かせば意識が遠くなる程背中の傷が痛いけど。
それでも、ふらふらと歩きだす。人の居ない場所へ。逃げる。

傷の回復のために、しばらく森の中にある洞窟で過ごす。
だれも居ないから安心する。
木の実を食べて食いつなぐ。ギフトのお陰で餓死は免れている。
ローレット。
そこに行かなければならない。神託の少女が言っていたから。
大勢の人は怖いけど、ここで一生暮らすわけにはいかないから。

大規模召喚の波に遅れて、ティミ・リリナールがギルドに登録された。

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ご主人様の設定。
魔種バージョンのイラストが来てからスレッドに書き込もうと思っています。
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名前:バルタザール・フォン・ヴィクセンベルク
種族:魔種(元カオスシード)
性別:男
年齢:42歳
一人称:私
二人称:貴様、お前
口調:だろう、
外見特徴:体型は普通、貴族風、しかめっ面
内面特徴:神経質、暴力的、嫉妬深い、粘着質

設定:
幻想国西部(ラサ側に近い場所)にあるヴィクセンベルクの領主。
幼少時より長男として甘やかされて育った為、傲慢な性格。

自分には無い『美しさ』に憧れ、その昔、幼い頃は愛情を持っていた。
他者の才能に対する憧憬も強く持っていた。そうありたいと願っていた。
しかし、実はその感情は自身の高貴な生まれに対する幼児的な特権意識から生じる余裕の産物であった。
つまり自分自身は無条件に『異能』の側だと信じ込んでいた。実際には自分自身の力で勝ち得たものなど一つも無かった。その事実を認められるはずも無かった。

成長するにつれて歪み、強い嫉妬心を抱くに至った。
歪んだ性格は平々凡々な彼の才能を更に劣化させ、本家長男でありながら跡取りから外され、分家に収められてしまうという屈辱を味わう。

美しいものを穢す事に執着し愛玩奴隷を数多く所有しており、その殆どが命を落としてしまう。
自称、美を愛する芸術の守護者。彼自身はそうだと思いこんでおり、そうではない事実に心を無自覚に灼かれている。

ティミに逃げられ『嫉妬』の魔種となった。
今なお、執着し探している。特異運命座標となったことは知らない。
もしも知ってしまったならば……!

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