ここは庭園。私はイルミナ。
最近、この庭園で独りのんびりと過ごすことが多い……のだが。
今日はどうやら、他にもお客さんがいるらしい。

日課の散歩中、花壇の辺りで訪問者を見つけた。
……見た目で判断するなら、オールドワンが第一候補、次点で旅人だろうか？
腕や足はどう見ても生身のそれではなく、どうやら籠手や具足と言った武具でもなさそうだ。
長い髪を風に揺らしながら歩くその姿には、素直に綺麗だな、と思いながら近寄って声を掛ける。

「あの、こんにちは。少しお話しませんか？」

……さて、どんな話ができるだろう。

……ん？誰か居たのか……。
（掛けられた声に振り返れば、水色の髪の少女。一見すると物々しい鎧を纏っているにも見えるが、この世界には鉄騎種という人種も居るし、あるいは自分のような者もいるが……）

おっと、失礼。初めましてだな。
散歩していたらここに迷い込んだのだが、キミはここの住人かな？

はい、はじめまして！
(愛想良く、元気に挨拶を返して)
あ、いえ。イルミナもここの住人ではなく…むしろあなたと同じような感じッス。たまーにこの辺りを散歩してるんスよ！

なるほど、確かに散歩にはいい場所だ。
と、こちらが名乗っていなかったな。私は黎明院・ゼフィラ。ゼフィと呼んでくれても構わないぞ？

ええ、そうなんですよ。こうして色々な人と出会えるのもあるッス！
ゼフィラさん…いえ、ではゼフィさんとお呼びさせてもらうッス。
……えっと、いきなりこんなことを聞くのは失礼かも知れないッスけど、その手足は……？

ふふ、そう言ってもらえると光栄だ。私も素敵な出会いに感謝しよう。

……うん？これか。端的に言えば義肢だな。貰い物だが。
自由に動かせるし、何かと便利なのだが、実はまだ良くわかっていない所があってな……。
私自身はあまり気にしないが、この見かけはやはり目立つかな？

ほほう、義肢……なかなかの技術と見るッス！思った通りに動かせるだけでも結構な物ッスけど、まださらに何かある……ロマンッスよ！
そうッスねぇ、この世界の基準から言えば…目立つと言えば目立つかもッス！