ここは庭園。私はイルミナ。
相も変わらず、この庭園で独りのんびりと過ごすことが多い……のだが。
今日はどうやら、他にもお客さんがいるらしい。

そのヒトは……おや。
見知らぬ人ではなく、確か……バーテンダーさんをしていて、お酒好きの司祭さんを通して知り合った方。

世間は狭いものだ、と思いつつ彼女の元へ歩いて……

「こんにちは、モカさん。こんな所に何かご用ッスか？」

（イルミナに名を呼ばれた人物は振り向く）
……おや、誰かと思えばイルミナさんじゃないか。あなたもこの庭園を知っていたのか。
いやな、私も先日この近くを通りかかった時にここの存在を知ったのだ。
……しかしここは良い庭園なのに荒れ果てていて、もったいないな。

はい、イルミナッスよ。
(手を振り振り)

えぇ、まぁ……イルミナ、暇な時はここにいることが多いもので。
手の空いている時にお手入れはしているんですが、流石に広くて中々。
かと言って、そもそも誰のものかも知れない場所なので誰かに頼んで大々的に整備すると言うのもよろしくはない……ような気もするッスからね。

（もう一度周りを見渡す）……あぁ、よく見ると所々は手入れされているな。荒れてる大部分に惑わされていたようだ、気づかなくてすまなかった。
……私も時間がある時に手入れの手伝いに来ようか。

いやぁ……微々たるものッスからね、ほんとに……

いえいえ、モカさんにはご自分のお店もありますし！イルミナが勝手にやってることッスから……！

いやいや、私だって趣味は他の事をしたいのだ。園芸は経験が無いので新鮮な気分だ。
ということで……まずは何から始めればいいかな？

そうですか？では一緒に。
そうッスね……雑草を抜いてみたり、枝を少々切ってみたり。
イルミナも詳しいわけではないので雰囲気でやってるッス……！