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ギルドスレッド

宿屋:蛸壺亭

古びた日記

ルーム #1
カウンター奥に無造作に置かれている古びた日記。
時々、持ち出されていたりするが基本的に置きっぱなしである
蛸が不在だったり、寝てる時に盗み見出来るだろう。

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今日から日記を書こうと思う
元は航海日誌だが海に落っことした時に大半のページは消えちまいやがったし
過去の事を描くのも何だから現在の事を書こうと思う
と言っても、始めの1ページ、多少の振り返りくらいはして置こう
イレギュラーになって初めてのローレットで受けられた依頼は海だった
ラーミアやメガロナイトとの戦いだったがどうにも忘れちまった事と鈍った事が多過ぎる
LV1になったのもそうだが
作戦の急変更に味方が着いて来てくれなかったらどうなっていた事やら…
次はローレットワークスだっけか?
各国へのお披露目旅行みてぇな依頼だったな
俺は昔のコネや知り合いにローレットで依頼する事をオススメしてきた
もちろん新規開拓への営業と宣伝もして来たぜ
最後に花火の依頼だな
コイツはバックレる予定だったんだが
誰かに酔い潰れて、拉致連行された
しかも、酷い目に遭わされたから、泣ける話よ
酔い潰された相手は覚えてねぇが…くっ…覚えてろよ
2/9
航海日誌なら欠かさず書くとこだが
どうしても日記つーのはやるのを忘れちまう
いや、待て、航海日誌でも毎日は書けてねぇな
まぁ、読んでるヤツなんて、物好きだろうし
書き直すのも怠いし、良いか
さて、アレから印象深い事はいくつかあった
先ずは創狼と餓鬼の始末の依頼だ
ま最近は温くなっちまったが
俺が悪党だってのを再確認するにゃ丁度良かったな
創狼も手強かったしなぁ、餓鬼を狙う案を強く押すべきだったか?
いや、アレはアレで良いか
ヤツの自由と俺達の自由、良いぶつかり合いになった事だしよ
次にそうだな、最近、路地裏に良い店を見つけた
ギドーの行きつけの酒場も賑やかで良いとこだが
あっちの、かふぇ、だとかいうのも気に入ったな
水を頼んだのに海水が出てきたのには驚いたが
あっちの騒ぎも見てて楽しいったらありゃしない
依頼の方もキナ臭い話題が増えて来て、俺の力も戻って来てる、明日とこれからの海と空と俺はどんな風に過ごすんだろうなぁ
(2/9のページの端に乱雑に書き殴られている)
ま最近ってなんだよ、クソっ、インクが染みて消えやしねぇ
3/28
今日までに色々と有ったが割愛させてもらう
またの機会に書こう
サーカスの公演。
あの日を境に幻想はおかしくなった。
狂う国民、悲惨な事件、元より治安が良いって訳じゃねぇが
猟奇的なモンが増えて来やがった。
馴染みの店のジャック、看板娘のステファン、勝手に懐いて来た小娘のアニーも、その他の奴らも
皆、皆、事件を起こすか、巻き込まれた。
唯の事件なら、いつも見たいな不幸なら、此処に書くまでもねぇ。
俺が許せねぇのはこの一件が誰かに引き起こされてるって事だ。
確証なんざねぇが、明らかに異常だ。
異常って事ァ、原因が有る、俺はそう確信している。
そいつがサーカスの仕業か別の誰かかなんて知らねぇ。
見つけた奴はブチ殺す。
誰かの自由を奪う奴が、誰か自由の結果だとしても
俺が気に食わねぇ、俺の自由が許さねぇ
死のうが生きようが、善行だろうが悪行だろうが
人様の選択だ、自由だ。
ソイツを意のままにしようと、ソイツを歪めようとする奴ァ、ブチ殺す。

三度言おう。


ブチ殺す。
ーーああっ、クソがっ!!
(彼は書かなくなった日誌のある部屋に乱暴に入るや否や乱雑に置かれた椅子を蹴り飛ばした)
(普段通りの日常だった。イレギュラーズとして新たに築いた生活としては普段通りだったのだ)
(そして順調だった、絶望の青を目指す為の船を手に入れ、後は認可を得るだけのパトロンと名声、力を手に入れるだけで順調だったのだ。義兄弟や仲間を迎える準備は着実だが整えてられていたのだ)
(そして、風の噂を聞いた。蛸髭海賊団が帰ってきたと、義兄弟が帰って来たと……それは朗報だったはずだった)
(ーーだが、幸運の女神は微笑まず、代わりに微笑んだのは残酷な現実の悪魔だった)
(残虐無比に人を殺していた、まるで御伽噺やサーカスの時の)

ーー魔種の様だった、か

(確認する様に呟く)
(スクイッド・クラケーンは、義兄弟は、決して、無辜の民を殺す様な海賊では無い。
義理に熱く、人情に弱い、善人をコレでもかと詰め込んだ様な…つくづく海賊に向いてない奴だった。いつも、その善人っぷりに俺達は振り回されたし、惹かれていた。
だからこそ、噂のソレが信憑性を増している)
噂がハッキリするのは明日か…
(噂が真実でソイツが魔種ならば、まず間違いなく、ローレットが依頼を出すだろう。そして、魔種が義兄弟ならば…俺に話が来るだろう)
頼むぜ、女神様…
───
(男が1人、静かに扉を開けて部屋へと入る。
そして、手に持っていた父の忘れ形見である航海日誌をその辺のカウンターへと放り投げ、今にも壊れそうな木椅子へと乱暴に座り込んだ)
………古くなったもんだな
(辺りを見渡して、放浪から帰る方が珍しかったこの宿屋を観察する。埃は積り、蜘蛛の巣が張っていて…すっかりと廃墟と化している)
(彼にはそれが丁度良かった。帰る場所は母の居る実家か、管理している領地の2つになった彼だが……この蛸壺亭は考え事をするには丁度良いくらいに寂れていて、誰もが忘れてるからだ)
(天井を無作為に眺め続け、何も考えずにボーっとする。
ふと、彼は何かを思い出したかの様に立ち上がると近くの洗面鏡の前に立つ)
(埃の被った洗面鏡の表面を手で払い、懐からヘアワックスを取り出すと髪を整え出す。彼は慣れた手で髪を整え洗面鏡を改めて眺める)
──ふっ、懐かしいな、これ
…この髪型を辞めてから2年くらいか…?
思えば、遠くまで来たもんだ…
(あの滅海を思い出す…憧れにはもう成れない。だから、この髪型は辞めたんだっけな……)
……………〜♪
(ギフトを使用して小さな音量の"わだつみの歌"を流し始め…そうしながら、放り投げた航海日誌を手に取り背表紙を静かに撫でた)
(思えば、自分はあの人とは正反対だった。考え事は分かりやすく、使命だとか宿命だとかには縛られず…人を気遣う癖に人の想いにはトンと疎い。やりたい事をやって生きて。やりたい事を成そうとする人生だ。
ああ、こうして、思い返せば…我ながら自分の親に酷く似た物だ)
……へっ…
(自嘲する、何より嫌った親と海賊に今は似てしまっているのだから)
……(魔術で手に水を纏い髪をくしゃくしゃにして元に戻す、そうした後に、また木椅子へと座る…航海日誌を抱えながら)
───俺は足を止めずにいられてるかい?
(誰に聞かせる訳でも無く、ポツリと呟く)
(あの決戦で決着を付けたかった親父も好きな人も亡くなり、無辜の軍人や海賊すら護れなくて。
…心が折れた俺はみっともなく泣いて、落ち込んで、何もかも見えなくなって…ダチ公司書に救われた。そうして旅を始めて、豊穣の決戦に駆けつけて…救いたいと思ったモノを今度こそ救えた)
(──救えたという事実に救われた気がした。
そんな気持ちすら卑怯で卑屈で救えた彼女に申し訳なくて
けれども、俺に出来る事はコレだけだったから、旅を続けて色々な国を観て、困った人を救ってきた)
(───IFの世界とはいえ伝えられ無かった想いも告げた)
(少しは前を向けられる様になったから…諦めていた、魔種を人に戻すという夢を追いかける事にした)
(……そんな日々の中、深緑で事件が起きた。最初は関わる気は無かったんだ。皆がなんとかするだろうって
──イレギュラーズの1人の話を耳にした、身内を一時的に、代価は払ったが元の人に戻した、と)
(なんとかするだろうとイレギュラーズの使命から逃げた結果、自身の夢も他人になんとかして貰ったのだ)
(──嬉しかった、同時に自分が情けなかった…だからこそ命を賭して皆を救うべきだと奮起したし、夢の完成は皆がなんとかしてくれるだろうと。命の使い所を決めた。)
(───そう、深緑決戦、冠位怠惰との決戦で俺は"滅海の日の彼女"の様に……皆を救う為に命の灯火を燃やし切るつもりだった。吐いた言葉も抱いた感情も嘘偽りは無かったからこそ…皆を救えた結果、生き延びるのならば良し、死ぬ事になるなら受け入れようと…間違いなく死ぬと頭の片隅にはあったが)
(─────────頭の中でまで言い訳は止そう)
(そうさ…本音を言えば、ずっと死にたかった。
夢も憧れも信条も…恋すら叶わず失ったあの海の挫折。
その挫折から立ち上がった自分はあの日の自分に戻る事は出来なくて。
歩みを止めてはいけないと言い聞かせて進んだけれどもやっぱり立ち直る事なんて出来なくて。
昔の自分を追うように誰かを救う事だけを考えて行動して
思った事やって来た事は全部が全部、本音だったのに
頭の片隅で此れで死ぬなら本望だ、此れで死んでもあの世で言い訳が出来ると考えてる自分が嫌で、嫌で
それでも…何があっても反転だけは出来なくて
履き違えたボタンの様に身体と考えがチグハグになっていた愚者が俺だ)
………(航海日誌を落とした音でガバリと起き上がる。考え事をしている内に寝ていた様だ────夢を観ていたという事なのだろうか、しかし…酷く、嫌な自分の本音が鮮明に後味悪く、頭の中を駆け巡っていた)
────どれが俺の本音なんだか…いや、どれも本音か
(卑屈な自己嫌悪なんて何時もの事だと自分を無理矢理言い聞かせる…そして懐の手紙を取り出した)
(手紙を眺めて、在って間もない…新しく出来たダチ公の事を思い出す)
(こんな夢を見るのも…自分と似た目をしていた誰かさんのお陰だ──いや、自分と似た目をしていたと思い込みたいだけなのかもな)
(ふって湧いた卑屈で失礼な感情を振り払う様に手紙をそこら辺に置いて、ギフトの音量を少し上げ…脂汗を洗い流す為に洗面台へと歩みを進める)
─────────俺は足を止めずに要られるよな。
(顔を洗い、濡れたまま洗面鏡を見つめて呟く)
(寝る前の問いに似た問いかけ、しかし込められた想いは違った)

(結局のところ、ごちゃごちゃとして、チグハグで、後先を考えないやり方しか出来ないのが自分だ。
きっと誰かに叱られるだろう、きっと誰かに軽蔑されるのだろう。矛盾を孕んだまま歩み続けてしまうのが自分だろう。
────けれど、どれだけ命を軽率に燃やそうとやりたい事はやって来た自分本意な馬鹿野郎が俺だ
"わだつみの歌"を歌った彼女とは正反対だから
献身の末の死は望むべくも無い
今回も自分本意に…横から急に現れてやりたい様にやるだけだ)
─死にたいと宣う口で生きたいと思ひ
─生きると宣う口で死にたいと思ふ
─今生一魂、されど矛盾が人ならば
─段菊散るまで踊るが花よ

辞世の句はこんなもんで良いか
…航海日誌は此処に置いておいてっと
────どうか、俺の望む結末になる事を願って

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