（……藁の山がある。
　そこに唯一の布をかけることで、少女の寝床は完成する。
　他に物はない。窓があり窓辺から外が見えるだけでいい。）

……玖累お兄ちゃんに、もらったけれど
ひとりは……かわらない…
ひとを呼ぶ…あて……服、の、お金……

（ふー、とため息をついて藁の上に寝ころぶ）

（シーツを藁にもふっとして、寄り添う）

お兄ちゃんとお姉ちゃん…どっちか、お誘いして…いきたいな
でも、ふく、ないと……だめ、だよね
玖累お兄ちゃん、服、どんなの…かってくれるんだろ
ウィリアお姉ちゃんのリボン似合うのが、いいな。
たのしみ………

（上機嫌で、おうたを歌う。街角で聞いた、うた。
　クロウタドリの翼で体を包み、ゆっくり、ゆったり、歌が響く。）

（シーツにくるまり、かたかたと震えながら）

こわい、なれなきゃ
あのお兄ちゃんに相談、しよう
……武器を、もとう。

ん……

（裸の身体は寒い
　ふと、何かを抱えていることに気づいた。ああ。…なるほど。
　夢を真実に。しっかりと、覚えておこう。あの感覚を。）

ゆめは、悪い夢
りそうは、いくらあってもいいけれど

クロウサギのしょうたいは、誰にも…わからないように……
楽しいのかな、ユエナは………
うれしいのかな、ユエナ……
しってた、めをそむけてた、それだけ、だよね。