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ギルドスレッド

遣らずの雨

あまやどり

ざあ、ざあ。
青い空。
ざあ、ざあ。
雲はない。
ざあ、ざあ。
止まない、雨。

バス停近くの、小屋で、あまやどり。

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(雨に濡れた髪先をつまみ、顔を上げた。視線の先には青く澄み渡る空)
……いつものこと、と言えばそうなのですけど。
(雨音に紛れて、革靴が地面を叩く)
(雨宿りの新しい客は小柄な少女だった。ローティーンをようやく卒業したかという程度には幼さを残し、しかし表情には成人した者の硬さもあった。 小屋へ入り、息を整える。 額からこぼれた雫は雨か汗か区別がつかない)
……?
(それから先客に気付いて、何やら呟いていた言葉に疑問符を浮かべながら顔を向ける。内容までは聞き取れなかった)
(入り口へと目を向けた。雨音に混じり、柔らかい足音が聞こえたのだ。小さな顔を暫し見つめた後、自然と口が開いた)
……ひどい、雨ですね。
(雨が土をたたく音は止むことがない。空に浮かぶ大きな陽だけが輝く照っていた)
(声の主を見る。長い黒髪の女だ。 自分と同じように濡れていて、きっと夜に浸したような黒だった髪は瑞々しく艶やかに、そして怪しく見えた)
ひどい雨ですね。
(オウム返し。 額に張り付いた前髪から垂れる雫が鬱陶しくて、手のひらで擦った)
(ぴちゃぴちゃとごく小さな音を立てて、大きな葉っぱを傘にして)
(ぎこちない足取りで、文字どおりに「お人形みたいな」女の子が、小屋へと歩み入りました。)
雨というのは、こんなにも力強く大地を打つのね。自然は、すごいわ。
けれど濡れてしまうのは、大変だもの。
(大きな葉っぱを表に立てかけて、人形の少女は、作り物めいた笑みで先客さん達を見上げました。)
ご機嫌よう。お邪魔してよろしいかしら。
(別の角度からまた声が聞こえる。少女は振り向くなりはっと息をのんだ。 目の前、というにはやや視線を下げなければならない小さな体。自分の膝までしかない身長の娘が葉を傘にして立っていた)(俄に信じられない光景だが混沌の世界を思い出し、なんとか現実として許容した)
…ど、どうぞ。
(返事だけを発し、やがて失礼にならない程度によく観察する。珍しく、何より少女が今まで見たなによりも不思議な存在で、目が離せなかった)
ありがとう、助かるわ。これでびしょ濡れは免れるもの。
(「大きな」ふたりへかわるがわる視線をやってから、人形の少女はスカートの両端をつまんで、丁寧な仕草でお辞儀をしてみせました。)
わたし、はぐるま姫よ。
こんな雨の日におんなじ場所で出会うなんて、きっと「何かの縁」だわ。
それにしても、こんなに空が青くても、雨というのは降るものなのね。
わたしの知っていた知識とは、ぜんぜん違うわ。
(物珍しそうにざあざあ降りの空へと目を向ける人形の少女……はぐるま姫当人は、自分が不思議な存在だなんて、ちいとも思ってはいないみたいです。)
(眼前には、2人の少女。1人がかかげた大きな草の傘を前にして緩く口角を上げたのだった)
……こういうことも、あるのでしたね。
ええ、どうぞ。とは言っても、私のものでもありませんけれど。
(見上げた空には雲一つないないのに、どこからか雨粒だけが降っていて)
(濡れた土の匂いに混じる水の香りがどことなく鼻をさすようだった)
ここでは、こうなんです。私の知る限りでは、ですけれど。
(ピシャピシャっと水を跳ねかせつつも軽やかな足音、小屋にするり、と駆けこんで)
はー、助かっ…た。
って先客万来、かな。字が違うか。
(くるり、小屋の中の人影をそれぞれ確認して頬を緩め)

ちょっとお邪魔してもいい? 羽が濡れるの嫌なんだよね…。
(入口を塞がないように、入口側の端の方に寄って空を覗き)
まあ、そうだったの。
世界には、わたしの知らない不思議が、たくさんね。
(明るい中に降り注ぐ雨の景色は、はぐるま姫の目には、とても新鮮なものに映りました。)
(きっと曇天であっても、彼女にとっては、おんなじように新鮮な景色だったのでしょうけれど。)
(やがて駆け込んできた軽やかな足音に、視線が上向きました。)
ええ、もちろんよ。
どうやらここは、誰のものでもないみたいだから。
それに濡れると動きづらくなるって、わたしも今はわかっているもの。
動きづらくなるのは、いやなことだわ。
(要件を終えて外へ出るてすぐ、雨粒が黒いスカートを濡らした)
(暫く歩いたところで雨足が強くなり、スカートの端を摘んで走ることになる)
(このまま走るか、どこかで。思考の隅でそう考えていたところに小屋が在った)
(軒下を借りようと近付くと…中から人の声が聞こえ、ならばと自分も足を踏み入れた)
失礼致します、こちらで少々雨宿りさせて頂いてもよろしいでしょうか。

(所謂、メイド服に身を包んだ女はエプロンに零れた雨粒を払い、声を掛ける)
(新たに増えた人影を認めてにこり)(小さく微笑んだ)
ええ、もちろん。といっても、この雨は止まないのでしょうけど。
(手にした傘を、くるり)(回して告げた)
……ソフィーヤです。ほんとうは、もっと長い名前なのですけれど。
わーん、こんな降るなんて聞いてないのですー!もーっ!
(パチャパチャと水面を叩く音と共に、少女が走ってやってきた。背負っていたリュックを傘代わりにしているが、所々が濡れていた)
すみません、ここ、お邪魔してもいいです?
(丁度よく、雨宿りできそうなスペースを見つけて近づくが、思った以上に人がいたので恐る恐ると言った様子で話しかける。体はしっかり中に入れて、雨が当たらないようにしながら)
(水滴を手で軽く払って)そ、濡れると動きにくいもんね。
恵みの雨だってわかってはいるんだけど。

ソフィーヤ、(囁くように口の中で名前を転がして)
僕はヘンゼル、どうぞ宜しく。

もっと奥へ入ったら?
女の子は冷えたら大変だから(そっと身体を軽く避けて、中への奥への道を広く開けるようにして)
まあ。
なんだか、そう。舞踏会みたいに、にぎやかな雨宿りになってきたわね。
(あんまり適切ではなさそうな例えを口に出しながら、はぐるま姫はきょろきょろと、周囲のひとびとを見上げます。)
濡れるのも冷えるのも、困るものだけれど。
でも新鮮な感覚で、すこしだけ、興味を引かれもするわ。
(それから、ソフィーヤ、ヘンゼルと。名乗ったひとびとの名前を、順繰りに、確かめるように呟いてゆきました。)
(元気よくすぐ後から入ってきた少女を先に中へ通す。道を開けてくれた線の細い少年に会釈して)
雨宿りのお客様が多いようですね、これも不思議な縁でしょうか。
わくしはニコ、従僕をしております。
(名乗る面々に続き、黒いスカートの端をそっと摘み上げ礼をする)

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