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商人ギルド・サヨナキドリ

子供の情景


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とびきりのモノガタリがいいなァ。眷属だから、あのコたちのことはわかるけど。それでも当の本人たちが聴かせてくれるモノガタリは至上のものさ。
奇遇ね父様。私も同じ。
視るのもいいけど聴かせてもらうのはもっと好き。
あァ。キミは我(アタシ)のムスメだものね、可愛いルミエール。(よしよし)
(二人の様子ににへへー、として一人ごろり)
うん、父様。
私は父様の手、父様の足。父様の十八の界だもの。
(砂糖菓子の様な甘い声。撫でられては心地好さそうに瞳を細めて)

そうだリリーちゃん。
もうすぐ良い子がもう一人増えるわ。
真っ白でもふもふした可愛い良い子よ。
まっしろで、もふもふ……!(目を輝かせて)
おや、あのコかぃ?(撫でる手は止めずに)
『やあ、お呼びかな。ルミエール。』
(四肢と尾の先に青い炎を灯した白狼が
軽い足取りで部屋にやってくる)
『御機嫌よう、我らが主人』
(ムスメが父と呼ぶソレに尾を振って)

『そこの君とは初対面かな。
僕はルクス。ルミエールの使い魔だよ。
よろしくね。』
(小さな客人へ歩み寄り、頰を軽く舐めようと)
ん、リリーはリリーだよ、よろしくね、って、ひゃ♪(軽く舐められるとくすぐったそうに)
ルクスー。
(永遠に幼い主人が手を伸ばせば白き狼は呼び声に応え身を寄せては腰を落ち着けた)
(よしよし、とたまにルクスにも手を伸ばしながら)あァ、機嫌はすこぶるいいとも。
リリーも、いいこがふえたんだ。……かわいいの!
えーとね、ういてるの!でね、しゃちなの!
いいないいな。浮いてるシャチ。私も欲しい。どこで拾ったの?
我(アタシ)にはフォルネウスがいるからねぇ…。妬かれたら大変だ。(くす、くす)
どこ……リリーがよくあそびばにしてるところにまよいこんできたんだ、まいごだったみたい。そこからなかよくなったの。
フォルネウスも好きよ。浮かぶサメさん。私達の可愛いサメさん。でもシャチも欲しいー。

リリーちゃんのシャチは迷子だったのね。
ここにも白くてふわふわ浮かぶクジラとか迷い込んでこないかしら。
しろくてふわふわうかぶくじら!……きたらおもしろそー。
白いクジラさんこないかなあ。
ね、欲しいよね。(父を見上げて
そうだなァ……。欲しいより、一緒に遊びたいな。(ムスメを撫でてから遠くを見て)
遊びたいね。遊びたい。
海でぷかぷか浮かんでウタを唄って、それから、それから…
のったり、はなしたり。たくさん、たくさん!
また、魚を分け合ったり、島を探したり、とりとめのない話をしてみたいものだ。
父様のクジラさん、元気かしら。
あっちで楽しく暮らしてるかしら。
……(遠くを見て)そうだね。きっと、また広い海を泳いでる。
私達もいつかは其処へ行くのだわ。いつかはわからないけどいつかは行くの。そうしたらまた一緒に遊べるわ。(いい子いい子と口にして、父を撫でようと手を伸ばす)
ああ、そうだ。いつかは行けるはずなんだ。(撫でられる心地に前髪の奥で目を細めて)ヒヒ…。どこかって?キミもいつかは絶対に行く場所さ。
リリーも、いつかいくところ、かぁ。……はやくいったら、みんなといっしょにいれるのかな……。
リリーちゃんの「みんな」って元気?まだ生きてる?
……そもそも、みんなってだれだっけ……あのゆめをみてから、なんかへんだなあ……
さァ、誰かと一緒に居られるかはそのコによって違うかナ。真砂は「しばらく行きたくない」とは言っていたけど。
兄様は行きたくないの?どうしてかしら。兄様は向こうに行った方がきっと楽になれるのに…。
寒くて暗いから嫌なんだってさ。
さむくてくらいんだ、ふーん……(どんな所だろ、と考え始め)
ああ、暗いのはいいけど寒いのはあんまりよくないね。寒いと寂しくなってしまうもの。

『リリー、こっちにおいで。』
(白狼が小さな妖精を呼ぶ)
『良い子だね。さあ、僕の傍でお休みよ。僕の身体は暖かくて心地が良いと子供達に中々評判なんだよ。』
(白狼は知性を宿した青い瞳で彼女をみつめ、ゆったりとした声音でそう誘った)
それなら……(とてとて近づき、もふもふのそれに近づく。そしてぽふっとよりかかろうと)
(身に寄りかかる彼女を自然体で受け止めては、愛おしげに瞳を細め)
『そう。それでいい。疲れているときは何も気にせずゆったりと過ごすのが一番さ。』
ん……もふもふ、やわらか……(その細めた瞳を見つめて、顔に頬をすりよせようと)

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