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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

【1:1】取引現場

ある日のサヨナキドリ、武器商人ソレの店でのお話。

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(そろーっと店内に入ってくる)
ドウモ、お邪魔しますー
(書物から顔を上げて椅子を指差す)
ああ、いらっしゃい。そこに座っておくれ。
はーい。
(指定された場所に座る)
ン、耳のチューニングでよかったよね?
(本を閉じてゆっくり立ち上がり)
はい、はい。まかされた。

(おもむろに懐から片手サイズの透明な瓶をひとつ取り出して彼の前で左右に振ってみる。一見、空だが霊魂が入っている)

……視える?
うん。見えてる。
(彩陽のギフトはそう言ったものを「見る」ものだ。見えるだけならそういったものは可能だ)
(瓶を彼の顔の傍に近づける。武器商人ソレの耳は「たすけて」「ここからだして」と霊魂が呟いているのが聴こえている)

…何か聴こえる?
……聞こえん。
(見えるだけで聞こえないのでそうなる)
よろしい。ん、ん…(軽く咳払いをして)

『──アタシの声が聞こえるかい』

(遠い様な、小さい様な、ぼやけた様な、歪んだ様な。脳が酷く理解し難いコエで尋ね)
ん、んー……多分聞こえてる?
(定かではないが、相手から語り掛けられてるなら何となくは分かる。分かってる、はず。)
ふむ。

(暫し思案して)

『キ ミの名 前  は ?』

(再び、雑然とした声で問う)
……火野・彩陽。
(何となくは聞こえる。相手から語り掛けられているから。あの贈り物はそういうことだ、多分。)
(じっと相手の目を視て)

……ああ、そうか。"話しかけられる"分には聴こえるのか。
であれば……、

【今日の各地の天気は、──】

(目を閉じて、相手を意識せずに更に歪んだ音声で独白し)

……今のは聴こえた?
……わかんない。
(語り掛けられなければ聞こえない。理屈は分からないが今の彩陽はそういう事で)
ん、よろしい。いくらかわかってきた。混沌に来る前からこうだった?
(よしよしと彼の頭を撫でようと)
ん。前からそうだったと思う。
見えてたけど基本聞こえんかったかも。
うン、なるほど。
語りかけられれば聞こえるってことは、やっぱり耳が上手く合ってないだけかもね。
ちょっと耳、触っていい?
ありがと、ちょっと失礼。耳を“弄る”から動かないでね。
(そっと両手で彼の耳を塞ぐ様に覆う)

(サーーッ…と軽い砂嵐の様な音)
(ゆっくり細長いが耳孔から潜り込む感覚)
(だんだん、周囲では何も起こっていないのに人の声の様なものや金属を擦る様なノイズが聴こえてくる)
動かないで?
(くすくすと微笑んで)

(ソレの声じゃない話し声や笑い声)
(頭の裏でパチパチとなる様な音)

(やがてフッとそれらが聴こえなくなる)

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