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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

迷い込んだ何でも屋のお話

可哀想に、アレが興味を持ってしまった。

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(ふと気がつくとあなたは迷路のごとき建物の中を彷徨っていた。階段をいくつも登り、降り、扉をくぐっても外に出られる気配がない。サワサワと道行く誰かの気配はあるものの、その姿は見えない)
え?え?何ですかここは…進んでも戻っても出られないなんて!怪奇!?怪奇ですか!?
私そういうのだめなんですからね!悪霊退散でお願いします!!
(いつしか逃げるような早足と不安を打ち消すような早口で目の前に見えてきた新たな扉へと飛び込む)
(飛び込んだ先には応接室の様な内装。ゆったり座れるソファーとローテーブルがある。ソファにはのんびりとソレが座っている)

………おや、キミは確か。…ヒヒ…なるほど、我(アタシ)とも縁があったか。
疲れたろう?ソファーにかけてお休みよ。

(男とも女ともつかぬ声で彼女を手招いて)
え、(呆気に取られたポーズのまま動きを止めるが促されるようにソファにちょんと座って)

あ、あのー…。どちらさまですか?ここは何処ですか?出来れば出口が知りたいんですけど。
(恐る恐る、けれどもギフトが目の前の存在との交渉を得だと告げているので口を開く)
我(アタシ)?
銀の月とか古の夜とか色々呼ばれるけど、最近は武器商人って呼ばれることが多いよ。

此処は我(アタシ)の領域内……商人ギルド・サヨナキドリだね。
普通ならキミも店の方にいるんだけど、ちょっとズレたところに入り込んじゃったんだろう。

ーー赤狐の君のお気に入りであろ?キミ。少しゆっくりしておいきよ。(人差し指をくるりと回すと、瞬きの間に彼女の傍へ温かな紅茶が現れる)
武器商人、さん。名前?職業?

ここはあなたのギルドなんですか!?もしかして不法侵入だったらすみません!
気が付いたらここにいて。私も訳が分からないです。


赤狐の君ですか?わあ!(現れた紅茶に魔法だ!と目を輝かせてから嬉しそうにカップを持って一口)
おいしー!すごーい!

(はしゃいだあとふと我に返って)
---知らない人ですね。
強いて言えば職業かな。名前というものが無いものでね、観測する相手にまかせているんだ。

ああ、気にしなくていいよ。もとよりこのギルドは必要な人のもとに現れる性質があるからね。キミと我(アタシ)でそういう風に縁が合ったのだろうさ。

赤狐の君は……ああ、ヴォルペって呼ばれてる男さ。葡萄茶色の髪と赤い目の見た目は非常にいいコ。
名前がない。こんなに綺麗なのに、物騒な呼び方ですね。

必要な人のもとに。私に必要なものがここにあるんなら、その縁に感謝しなきゃならないですね!

あ、ヴォルペさん!知り合いなんですか?
確かに見た目は今まで見た中でも一番かな。中身は今まで見た中で一番変わってましたけど!
ンー、綺麗?そぉかい、ありがと。ヒヒ……。

赤狐の君は我(アタシ)のトモダチだよ。時にキミ、仕事は何かしてる?
仕事ですか?
ええ、はい。
私は便利屋をしています。報酬次第で庭掃除からおつかい運送など、声が掛かればどこの国でもいきます!
イレギュラーズになってからは各国に行きやすくなりました!

もしもここでも労働力が必要なら何でもしますよ!
報酬さえあれば!
便利屋、いいねえ。ローレットに所属するイレギュラーズたちも何でも屋と言えるが、些かスケールが大きい。
日常においては、キミの様な個人経営の便利屋の方が需要は高いだろう。
事務所は何処にあるんだぃ?幻想?それとも他の国かな?
イレギュラーズの仕事も確かに報酬が良いですが、私には少し荷が重いですね。
命を大事に楽しく平和に生きたいです。
ちょんとした人手不足解消に役立てれば、それで稼げれば良いので。

事務所、みたいなものはないですね。実家は借金の返済に手放しましたし、とっても綺麗な根なし草です!
(前髪の奥に隠れた菫色の瞳を細めて)

なるほど、それは少し不便だねぇ。
仕事自体はキミの身があればできるかもしれないけど、依頼をする客の側からすれば「そこに行けば依頼ができる」というきちんとした窓口があればキミに依頼がしやすい。

それにきちんと事務所を構えるだけの経営能力も客の目には「信用」として映る。
そうは思わないかぃ?
なるほど…
(ぱちぱちと頭の中の算盤が弾かれる。これは今後に有益な話であると告げている。)

その「信用」は、ここで、手に入りますか?
もちろん。此処(サヨナキドリ) は対価があれば大抵のものは手に入る。

我(アタシ)が提示するのは「拠点にできる事務所」。
キミが支払う対価は「商人ギルドへの貢献」……ま、難しい事はない。
普通に依頼を受けて仕事をこなしたり、ギルドで何かあった時にちょっとお手伝いをしてもらったり……という感じだね。
つまり今までと同じ生活で事務所が手に入る!素敵!
その話をお受けします!
どうぞよろしくお願いします、武器さん!(テーブルに両手ついて頭を下げる)
(にひ、と妖しく笑ってソファから立つ)
ヒヒ…よろしく、可愛いお嬢さん。
そうと決まればおいで。早速、事務所の準備をしよう。
準備!まずは何をするんですか?
空き部屋のお掃除とか?

あ、そうだ!武器さんに一つ、お願いがあります!
そぉそぉ、空き部屋を……ン?なんだぃ?
…事務所の名前。いいの?
(名付けは大事であろ?と首を傾げて)
感謝と、一生懸命働きますという宣言の契約として。
あなたのくれた名の元に働きたいです!
正直言えばネーミングセンスがありません!
なるほど。ンー………………

(彼女の顔を見て、髪と瞳に目を留めて)


…………『あをによし』とか?便利屋『あをによし』。
『あにをよし』

わー!わー!素敵な言葉!
枕詞でしたっけ!嬉しい!やっぱり武器さんは和風できてくれた!
ありがとうございます!使わせて頂きます!
ヒヒ、気に入ってくれた様で何より。
さて、おいで。キミの拠点を作ろう。
(扉に手をかけながらもう片方の手で手招いて)
はい!どんな拠点になるのか楽しみです!
仕事いっぱいくればいいなー!
(わくわくしながら席を立ち追い掛けた)
こっち、こっち。

https://rev1.reversion.jp/guild/193/thread/13220

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