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ギルドスレッド

カフェ&バー【フィーカ】

『2階の自宅』

カフェ&バー【フィーカ】の2階。
本来であれば、1階の店舗スペース所有者向けの住居スペースだが、持ち主の好意によりチェレンチィに貸し出されている。
外付けの階段を上って玄関ドアを開ければ、其処は1人で住むのに丁度良い広さの住処。
黒猫とドラネコが居たり居なかったりする。

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(玄関のドアがキィと開いて、小柄な人影が入って来る)
(明かりを付けて、荷物を置いて、椅子に座って小休止)

――ふぅ。
いつの間にか、こんな時間になってしまいましたね……

(依頼を終えてやっと帰ってこれたのか、やや疲弊した様子で。
のろのろとした動作でマントを取り、上着を脱ぎ、過ごしやすい部屋着へと着替えていく)
(着替えを終えると、食事の前に明日の依頼のための準備をするのか、装備を整えて。
消耗品の補充ののち、得物であるナイフの手入れに取り掛かる)
(切れ味を取り戻すため、念入りに砥石で研いで。
最後の確認中に誤って刃が指に触れてしまい、スッ、と指の皮を切ってしまった)

あっ…………。

(本来であれば、少しの血が出てしまう場面だが。血が落ちることはなく、代わりに傷口から零れるのは小さな赤い花びらだった)
……………………。

(不安そうに、床に落ちた赤い花びらをじっと見つめる。
暫しそうして固まっていたのち、花びらを拾い上げ、手のひらの上のそれを改めて見つめて)
(ぐっと何かを堪えるように手を握り締め、開くと、そこには粉々になった花びらの姿。
ゴミ箱の上で払い落とし、手を洗う)

……大丈夫。大丈夫です。
大丈夫、なんです………………。

(自分に言い聞かせるように頻りに呟くも、脳裏によぎるのは今日の仕事で始末してきたターゲットの姿。
――ナイフを突き立てた所から流れる新鮮な血液。
他のメンバーの存在と、ストールに染み込ませたラサの香水のお陰で、その場は何とか凌げた。
しかし、今は1人。
喉の渇きを満たしたくて仕方がない)
駄目……それは、駄目…………

(衝動を何とか抑えようと、力無く蹲る)
(血を飲みたい。)
(それは駄目。)
(喉が渇いて仕方ない。)
(まだ、まだ我慢出来る。)
(でも、前よりも衝動が強いでしょう。)
(渇きを満たせば随分と楽になれるのに。)
(――それでも、駄目、なんです。)
…………血が、飲みたい……
だめ、だめです…………

(ベッドの上で丸まりながら、うわ言のように呟いている)
(窓を少し開けて、たばこを吸っている。今は衝動は落ち着いているようだ)
(辺りには血のように赤い花びらが散らばっている)

…………ふぅ……
………………。

(それまで外の景色をぼんやり見ていたが、ふと、不安そうな顔で自分の脚を見下ろす。
黒いショートパンツから覗く白い脚。
――その、足のつま先から始まり、ふくらはぎに掛けて、少しずつ水晶化が進んでいる。
光が当たるときらきらと反射する美しいそれは、確実に身体を侵食し続けている)
…………どうなって、しまうんでしょう……ボクは……

(血を欲する自分も、水晶になってゆく自分も、それまでの自分とは違うもの。
日を追うごとに強くなる衝動、変化する身体。
まるで、だんだん自分が自分ではなくなってゆく気がして。)

(…………これほどまでに、「怖い」とは。)
(たばこを吸い終わり、灰皿に押し当て火を消して。
今なら大丈夫そうだからと、やるべきことをやろうと動こうとしたその瞬間――)

ぁ、ふ…………だめです、だめ…………

(再び襲い来た吸血衝動に苛まれ、力なく蹲り。
痛みで紛らわそうとするも、ナイフは手の届かない所に転がっている)
(どう、すれば。どうすれば……)
(ちがほしい。ほしくて、ほしくて、たまらない)
(それは、だめ)
(どうして?)
(いきるために、いままで、なんにんもころしてきたのに)
(なんで、ちをすうのはだめなの?)
(それは…………)
(だって、ボクは、ほんとうは…………)
…………はぁ…………はぁ………………

(肩で息をしながら、のろのろと立ち上がり、何とかベッドまで辿り着く。
ごろりと身を投げ出すように寝転がり、荒い息を鎮めるように深呼吸、目を伏せる)
(――――)
(――――――――)

(窓は乱暴に開け放たれたまま。カーテンが風に吹かれて揺らめいている)
(部屋の中にはたくさんの青い羽根が散らばり落ちていて。
壁を伝って窓から入って来た黒猫とドラネコが、不思議そうに一声鳴いた)
(部屋の主の姿は何処にもない――)

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