PandoraPartyProject

ギルドスレッド

森の洋館

【RP】ゆめかうつつか

酷く残酷な現実に心砕かれた少女達は、白い手と手を取り合って夢の世界に逃げ込みました。

二人きりのエンドロール。
例えそれがIFであっても、目覚めなければそれが現実。
悲しむことにも、痛むことにも、虚しさに溺れることにさえも、もう疲れてしまったから。
だからこれでいい。これがいい。
現実はとても残酷だから。


……けれど現実は。
二人が思うより、きっと、ずっと。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
(草木が歌い、砂糖菓子の蝶が舞い踊る、不思議な不思議な森の奥。
幾重もの茨に護られて、二人の少女が眠っている。)
作り物よりも作り物らしい赤い少女の贋作は、さも最初からそうあるのが自然だったかのように動かない。縋るように永遠の娘に抱きついたまま。一足先に、異なる終幕へとその視点いしきを封じてしまっている。
故にここにあるのは亡骸、というよりは……抜け殻、だろうか。本来コレに身体は不要であり、用途も亡くなってしまった今、ここにある"赤いもの"は、少なくとも卮濘と呼ばれていた原子と魔力の集合体の名残である。
(コツコツと、敢えて足音を響かせて石畳を歩く。
妹分の庭に訪れた際、茨が茂っている事はこれ迄にもあった。
…棘のある茨を張り巡らせ、来訪を拒んでいるようで、実のところは違う。
以前まではそうだった。
だが今は…どうだろうか。
胸中を騒つかせる躊躇いごと切り伏せるように、道を阻む茨へ向けて、手にした大鎌を振り下ろそうと)
『……起こすのかい?』

(クウハが茨を切り払らわんとするその間際、穏やかな声が静かに響く。
声の方角へ視線を向ければ、四肢と尾に焔を宿した白狼がそこにいる事に気がつくだろう。
白狼は僅かに頭を傾げ、穏やかな瞳であなたを見ている)
…ルクスか。
(何処かで声を掛けてくるだろうと予想はしていた。
だから驚く事はない。
振りかぶった鎌を静かに下ろし、白狼に向き直って)

……アイツらにとっちゃ迷惑かもしれねェが。
起こしたいと、そう思ってる。
駄目か?
『起こせばきっと、ルミエールは怒るだろうね。
もしかすると、泣き喚いて君を詰るかもしれない。
もう一人の彼女は目覚めるかどうか』

(茨の向こう側で眠る二人の少女。
夢に堕ちた二人に視線をやって、白狼は青い瞳を細める)

『でもさ。おかしいよね。
こんな場所で眠るなんて。
誰にも邪魔されたくないのなら、他の場所で眠るべきなのにさ』

(おかしいよね。
もう一度そう繰り返し、白狼はあなたの顔を見上げる。
青い焔が静かに揺れた)
………、
(茨の檻に護られて眠る少女の呼吸が僅かに乱れる。
白狼は少女の眷属半身で、不思議の森は少女の庭だ。
此処は少女の胎の中。
自身の胎の中で起きている事など、手に取るように解る。
酷く疎ましく憎らしく妬ましく。
それ以上に愛おしい存在の気配。
腕の中で眠る少女にも其れは共有されている。

――私の可愛い願望器。貴女はどうしたい?

微睡みの中問いかけて、自身に縋る彼女を抱く力を強める。

……彼女の手を引いた時から決めていた。
自分は。自分だけは。
この子の味方でいてあげようと)
…………ぴくり。
永く、眠っていた殻が抱かれて動く。
夢から覚めなければならないのか。
現廃なる世にもう未練はないのに。
……ないのに。

(もう、何もしたくない。何も願いたくない。何も必要ない。私は死んだの。死者は眠り無へと帰すのが摂理。一つの堕落者が独りよがりの恋をして破れただけ。だから、もう、いいの)

代わりにと虚なる竜の死神の空想が近くに現れ、何もせずただ現実を歪ませている。
……そうだな。
(ルクスの視線を受けて苦笑する。
確かに、見付かりづらい場所ではあるかもしれない。
だがそれは、ルミエールを識る者がという前提に基づく。
そもそもの話、その気さえあれば無粋な来訪者を締め出す手段など幾らでもある筈だ。
だが二人は今、姿を隠すことすらせずそこで眠っている。
まるで、見つけ出してくれる誰かを待ち望んでいるかの様に)

ありがとな。
お陰で吹っ切れたよ。
(再び鎌を振り上げて、今度は一切の迷いなくその刃を茨に振り下ろす)

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM