PandoraPartyProject

ギルドスレッド

喫茶『トリコロール』

RP「トリコロールの昼下がり」

喫茶トリコロールには、ほとんどの間閑古鳥が鳴っている。
静かな店内に入店を知らせる音が鳴ることは稀だ。

だが、機会は不意に訪れるもの。
トリコロールに、一人の男が訪れた。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
(トリコロールの扉を開ける。入店を知らせる音を聞きながら、店内をざっと見まわす。)

(手近な席に目をつけてはゆっくりと腰を下ろしてから、メニューと思われるものを手に取った。)
なぽり、たん……めろん、そーだ……。(混沌内では、初見の言語も翻訳されるというが。どれもこれも、元の世界にはなかった名称ばかり。メニューを見て忽然としたまま、しばらく考え込んでいる。)
…あっ!も、もしかしてお客様ですか!?いらっしゃいま…どひゃっ!(裏手から慌てて出てきて転ぶ)
(慣れた手際でマッチに火を灯し、炙った煙草から煙が立ち上る)
(…子ども……)……おい、大丈夫か?(ゆっくり立ち上がっては、転んだ店員らしき人物の前まで歩いていく。立ち上がる時には手を貸してくれる。)
(手を借りながら立ち上がる)あ、ありがとうございます…お店に人が来るなんて久しぶりだったので、慌てちゃって…って、す、すいません、個人的な話なのでお気になさらずっ
それより、ご注文などはお決まりでしょうか…?
……久しぶり?
(聞いては、店内を見渡す。古びたソファ、煤けたカーテン、鮮やかなペンダントライト……ふと近くの机に指を滑らせれば、埃一つつかない。)
…そうか。(浮かんだ言葉は外に出さず、相槌をひとつ。)
まだこの辺りには来たばかりでな。
ブラック珈琲と…なにかおすすめのものをひとつ頼む。(メニューの料理がよくわからなかったので、店員に任せた。内容を伝えると、またゆっくりと歩いて元の席に戻る。)

……もう転ぶなよ?(ふと、ひとこと付け加えて。)
は、はい…ありがとうございます、気を付けます。
ブラックコーヒーと、おすすめ…承りました。少々お待ちくださいねっ(ぺこりとお辞儀してから小走りで裏手の厨房に戻る)
…。(店員は1人。これだけ閑古鳥がないているのに、店主は出てこない…年季の入った家具からは独特の哀愁すら仄かに感じる。)

(注文を終えてからは、目を閉じてじっと待っている。煙草の煙だけがゆるゆると線を描く。)
(10分ほど経って)お待たせしました!
ブラックコーヒーと、当店おすすめのナポリタンです!(おぼんからコーヒーと山盛りのナポリタン、小鉢のババロアを配膳する)
ババロアはサービスです。よかったら、どうぞ。(おぼんを胸を抱き寄せる)
どうも。
(しばらくすれば、嗅ぎなれた珈琲の香りに気づいて目を開ける。)
(まず目に入るのは、山盛りの……パスタ。麺が太めだが、肉、野菜と具材が豊富だ。これをナポリタンと言うらしい。これだけの量を頼もうとすれば、元の世界ならばチップを数枚付けなくてはならない。もうひとつは……)
……ババロア?(これも初めて聞く。……が、似たものを見たことはあった。趣向品は材料を贅沢に使う。金持ちの主人が食べるようなものだ。……高級品ではないか。)

………気前がいいな。
店主は今居ないようだが…。
て、店主ですか?
(少し驚いてから恥ずかしそうに)それは…えっと、私…です、この店の店主は。
というか、私以外誰も…いないので…はは…(だんだん声がすぼんでいく)
………店主?
……。
そうか。(煙を一息吐き出してから、灰皿で火を消し)

気の利く店主の居る店には客が付く。
……今は空いているようだが。
(痛いところを突かれてギクッとする)うっ…え、ええと…確かに空いてますね…今は、というか、ずっと、というか…誰かが入店してくださったのも、今日でほぼ1か月ぶりです。
(おぼんで口元を隠す)全然、お客様が来なくて困っちゃいますよ、あはは…
ここは目立たなかったからな。
(だから来たのではあるが。苦笑して口元を隠した店員には曖昧に頷きを返してから、ゆっくりとナポリタンを口に運ぶ。)
……美味いな。

味は良い。
清掃もよくされている。
悪くない店だ。(食べ進めながら、淡々と感想を伝える。)
(大げさにお辞儀しながら大きな声で)あ…ありがとうございますっ!
あっ、す、すいません。いきなり大声出しちゃって…(再びおぼんで口元を隠す)
褒めてもらえるのも久しぶりなので、嬉しくなってしまいました…本当に、ありがとうございます。
俺はなにも。
…お前の努力だ。
(話しつつも、順調に食べる手が進んでいく。)

良い銃も埋もれていれば使われん。
それを見つける奴が居なければな。
ここが人に知れるまでは、精々貸し切りさせてもらおう。
(冗談を口にしつつ、ナポリタンもあと少し。)
貸し切り…!(ぱあっと表情を明るくする)
はい、こんなお店でよければ…好きなだけいらしてください。
いつでもお料理を出せるように、準備しておきますから。(少し微笑む)
あまり張り切りすぎるな。
…1人では食べられる量に限りがある。
(と、言いつつナポリタンを食べ終えて、珈琲を啜る)
そ、そうですね。(顔を少し赤くしながら小声でぼそっと)い、いけない、ちょっとはしゃいじゃった…
あ、お、お皿おさげしますねっ!(ナポリタンの皿を持って慌ただしく店の奥に戻っていく)
(珈琲を啜りながら、慌ただしく、どこか危なっかしい店員の様子を静かに見送る。)

…、(ふと視線を戻せば、サービスのババロア。用意されたスプーンで掬って食べてみると、初めて感じる舌触り。子供の食べる駄菓子とは似ても似つかない……所謂”上品”というものだろう。乾いた荒野で生きてきた舌には、とても馴染みのないものだ。とはいえ…)

(空になった食器を置く。無くなるのはとても早かった。)
(口直しに、カップの中の珈琲も空になる。)

(席で寛いでいる男の元からは、また煙が1本上がっている。)
(珈琲を飲み干してからしばらくして、席を立つと、玄関の方へ歩いていく。どうやらもう出るらしい。)
…あっ(足音に気づき裏手からひょこっと顔をのぞかせた後、小走りで寄ってくる)
もう、お帰りですか?
ああ。
(小走りで寄ってきた店員へ視線を合わせないままに答える。)

久々に良い食事が出来た。豆スープには飽き飽きしていたからな。
(会計も済まないままに、玄関へ向けて歩き出し。)
………さて、ナポリタンと珈琲、ババロア…はサービスだったか。
会計はいくらだったかな。
忘れてしまった。
釣りは要らんから、適当にこれで済ませておけ。
(ピン、と、背後の店員へ親指で弾いた硬貨が飛んでいく。)

また来る。精々潰れるな。
(硬貨を受け取れたならそのままに。床を転がり、それを店員が探していたとしても、構うことなく店を去る。ちりんちりんと、ベルの音だけが残された。)
あっ、とっ、と…(なんとか硬貨をキャッチする)
(硬貨をぎゅっと胸のあたりで握りしめて呟く)…またのお越しをお待ちしてますね。
――って、これ金貨じゃないですかぁっ!?(手の中の硬貨を見てつい大声が出てしまい、人がいなくなった店内に響き渡った)

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM