PandoraPartyProject

ギルドスレッド

蜘蛛ノ根城

資料室【足高蜘蛛】

これはまだ人間であった頃の一人の少女の物語。
色欲に溺れ、人を喰らいし怪物となる前のお話。
それはそれは悲劇的で喜劇的な物語。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
彼女は生まれた時から忌子であった。
当時は魔物との混じり物というのはかなり珍しいもので、それを理由に迫害を受けていた。
何でも先天的な魔力過剰が原因だと後から分かったらしいが、まぁ彼女にとっては関係の無い話だ。
彼女は日頃から疎まれていた。人間と言うのはすぐに自分と違う存在を否定するように生まれてくるのだろう。そういった存在に取って彼女というのは程のいい攻撃対象だった。
いつも彼らは口々にこう言った
「化け物」だと。
彼女がそれでも尚反抗しなかったのはこういった心があったからなのだろうか?
彼らの心の方がよっぽど醜い化け物だと。
それこそが彼女にとっての心の柱であったのだろう。
ある日村は魔物に襲われた。
正直にそこまで凶悪な魔物ではない。精々が小鬼(ゴブリン)程度であろうか?
大の大人なら余裕で倒す事が可能だろう。
だが、彼らは愚かではあったが馬鹿では無かった。
村は一瞬にして狂騒に襲われた。現れたのは魔物達の集団。そう、数の力で攻めてきたのだ。
一匹一匹は弱いといえど数集まれば立派な脅威だ。村人は次々と倒され、蹂躙された
そこで少女は気づいてしまったのだ。いつも彼女を虐げる彼らが蹂躙される様を見て、ザマァ見ろと。それが自分がいつも憎んでいた奴らと同じ気持ちだということを。
あぁあぁ、そこで彼女の最後の堤防が決壊してしまったのだ。彼女が常日頃から思っていた心の怪物は自分の内にも秘めていたと。ならば身も心も醜い化け物である私は何なのだと。
気付くと彼女は目の前のニクに噛み付いていた。まともな食事も与えられていなかった体にその柔らかいニクは実に染み渡った。
そのまま彼女は次々と新たなニクを求めて走り回った。
元より魔物との混じり物は高い戦闘力を秘めている。今までおとなしかったのは彼女が自分が人間だと思い込んでいたからだ。しかし、その咎が外れたとしたら一体どうなるのだろうか?
どれほどの時間が経ったのだろうか?村だった場所には1人たりとも人間も魔物もいなくなっていた。ただそこにはただただ立ち尽くす一匹の化け物がいるだけだった。

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM