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ギルドスレッド

鳩の巣館

1:1RPスレッド『トランペットとギター』

幻想、古びた酒場の一角。
男が葡萄酒を傾けてゆったりしている――。

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「ま、何もない日と言うのもたまにはいい」
横にはツインネックのギター。手元には赤葡萄酒。いくつかの乾燥した果物と堅いチーズを皿に添えて。
「たまには自分のために過ごす、ってことをしないと。すり切れちまう……」
「あれ? ヤツェク殿?」
ある依頼の仕事帰りに偶然見つけた酒場に心を惹かれて、なんとなく入ってみたら、
思わぬ再会につい頬を緩ませる、と、ふとテーブル上を見つめて、
「と、お邪魔、でしたか?」
「うんにゃ、全然。今日は仕事はナシの日だ」
ふと考え――。
「なあ、頼みがある」
真剣な面持ちになり、口を開く。
「沢山おごるからのろけ話を聞かせてくれ」
その表情は真面目そのものであった。
「そうでしたか」
一人で満喫している所を邪魔して怒ってる、というわけではなかったので、ひとまず心の中で安心しつつも、
「ーーはい?」
ヤツェクさんからの思わぬ(というより全く予想もつかない)美味しい事話と頼み事に、混乱してしまい、
「……あの、えっと……どういうことです?」
と頭と頸の間を掻きながら、尋ねようとする。
「なんだ、あのな……」
どういうことかと言われれば、表情は変わらない。
「結婚した。結婚したが風来坊だったから色々どうしたらいいかわからん。故にのろけを参考にして……こう、上手い感じにこう」
表情は変わらないが、行ってることは支離滅裂であった。
結婚した、と聞いて目を大きく見開く。
そうして、ヤツェクさんからの説明をじっくり聞いた後で笑顔を浮かべる。
「なるほどぉ…!もちろん、おいらで良ければ!
と言っても、おいらも結婚したばかりなので、参考になるか……代わりにどんな奥さんか、お話を聞かせても良いですか?」
と、その前に、と、懐からお財布を取り出して、
「まずは、結婚のお祝いに一杯、おいらから奢らせてください。お話は、そこから」
と意気揚々と…ヤツェクさんの分のお酒を注文しようとするつもりである。
「おう、じゃあ言葉に甘えて」
一杯おごられよう。酒のチョイスも相手に任すらしい。
「ヘレナは……儚いと思ったら意外と強い女だ。銀髪がふわふわで、色は白くて、楚々として、すぐに溶けそうな雪の人形のようなんだが……」
目を閉じる。
「幻想の貴婦人なだけあって、なんだかんだで、強い。おれ以外と一緒の方が幸せになれるのでは、と言ったら叱られた」
いきなりしゃべり出してから、こほんと咳をした。
「へへへ、じゃあハチミツ酒で」
と、ハチミツ酒一杯を奢ってみる。
「へええ…ヤツェク殿の奥様…ヘレナさんは本気でヤツェク殿のことを愛していらっしゃる、のですね。
それに、芯の強い女性だ」
そう言いながら、咳をするヤツェク殿を微笑ましそうにしながら、
「……一見、儚いように見える女性って思う以上に強いんですよね。自分の妻も、赤い薔薇や満月の光のように可憐なのですけど…いつも元気で明るくって…自分が護る立場のはずが、いつの間にか守られてばかりで、頭が下がりますよ。覇竜の娘だから、というのもありますが…本当に、麗しき乙女というのは強いのだと痛感します」
と、困ったように、けど、そういうところが尊いのだと惚けながら語る。
「なんだ。まあ、ほら。おれはいい男だからな」
悪ふざけをするような笑みを浮かべ。
「噂はかねがね、と言うか青薔薇で一緒になったか。野薔薇のような可憐な娘さんだが、野薔薇の棘は温室育ちの花より鋭い」
ぼんやりと酒を傾ける。いいもんだなあ、と呟いて。
「ヘレナは腕力も無い、権力だって無い。だが、なんだがんだでおれは死ぬまで勝てないような気がするよ……」
こほん、呟く。
「確かに、立派な髭もしていらっしゃるし」
ふ、と笑いながら酒を啜る。
「ええ……自分の傍にいた愛しの子がまさに」
野薔薇の棘は温室育ちの花より鋭いという言葉に、
くすりと頷く。
「確かに。あの子は本当に強いです。
戦う時も一生懸命に戦うし……
けれど、一生懸命なあまり、弱音を言いたい時に弱音も言えない時もありますから…ぎゅっと抱きしめないとってなるんです。……いくら棘の鋭く、強い野薔薇でも愛がなければ枯れてしまうでしょう?」
穏やかな口調のままだが、真剣にそう言う。
「ふふふ…ヘレナさんにないものがヤツェク殿にあり、ヤツェク殿にないものがヘレナさんにある。それなら、ヤツェク殿にあるもんで勝負したら良いと思いますよ。
……そもそも、勝ち負け以前に、お互いを支え合うってのが夫婦でなくって?」
と言いながら、酒瓶を注文しようとする。
「おう、そっちのヒゲも色男風でいいじゃないか」
少しからかってから
「そうだな。強がりを強がりのままにしないことこそ、愛だし、信用だと思ってるな、おれは。たんと水をやるんだな」
目を細める。初々しい、とばかりに。
「ははは、なんだ。色気と歌声か? ……そうだなあ。張り合う関係は善くない。一本取られたな」
酒瓶を見て口笛を吹き、それからしばらくして思いついたという風にあくどい笑みを浮かべる。どこか童子のようだ。
「悪い大人になっちまおうか。叱られるのかくごで」
割り材を色々と頼み始める。ちゃんぽんだ!
「そうです? ありがとうございます」
と少し照れつつも嬉しそうに、自分の顎元を手で撫でながら、
「ふふ、たくさんお水をあげますとも。今でも。……ヤツェク殿も、立派な旦那さんになったからには、ギュッと抱きしめたり、お水をあげないと、ね?」
そう言いながら、ニヤニヤと目を細める。
「色気と歌声」と聞いて、ふっと笑う。自覚があるんだなあ、と。
一本取られたな、と聞けば、
「ふふふ、恐縮です。…ヘレナさんには勇気と優雅さが、ヤツェク殿には色気と歌声が。
それらを合わされば、きっと、うまくいきます。…後は、お互いもっと詳しく知る様に、ですね」
「悪い大人になっちまおうか」という言葉に、最初首をかしげたが、
次々と注文し始めようとすることに気づいて、
「おやおやおや、ヤツェク殿、悪いですねえ……たまには叱られる覚悟で、っての、良いのですけど、うっかりして叱られる以上のことを受けないように気を付けてくださいね?」
と言いつつ、付き合おうと、自分もお酒の追加を頼もうとする。
「ははは、遊び人だったはずが何つうか、実際鳴るとこっぱずかしいがね……一緒に知っていって、まあアレを悲しませないように長生きしないとな……」
しばし考え、割って不思議な色になっている酒を呷る。
「フーガ、今度二人で嫁さんへのプレゼントでも探しに行かねえか? ほら、シャイネンだ。気の利く小粋なプレゼントは出来るが、真心こもったプレゼント、ってのはどうも苦手でな」
ゆらゆら、酒は揺れて。
「ま、イレギュラーズは危険も多いが金も入る。金銀財宝でヘレナを飾り付けるのは楽だが、そうじゃないだろうしさ。あー、なんだ。青薔薇でできた縁だ。今後もよろしく頼むというか、ダチの一人だとおもってほしいというか。所帯者、あまりいないしな」
いや探せばいるだろうが、と笑いながら。
「自分も召喚されたばかりの頃は、これほどまでの幸せなんて考えてなかったですからねえ…」
不思議な色の酒を見て、物珍しそうに見つめながら、
「いいですよ。自分も彼女へのプレゼントを考えてるところでしたので。
…ふふふ、気合が入ってますねえ、ダンナ」
真心のこもった、という言葉に、微笑ましいように唇を緩ませながら。
「確かに、所帯持ちという共通でこうして腹を割って話し合えるのは、自分も初めてでした。
しかし、ダチ、ですか。恐れ多くも嬉しいことですが…ダチと思ってもいいのですか?」
青薔薇で出来た縁とはいえ、ヤツェクさんは自分にとっては先輩のような存在で、
念のための確認のつもりで、少しおずおずと尋ねてみる。
「そして……ところで、そのお酒は、なんでしょう?見たことが無いような色をしているような」
と、ヤツェクさんの酒をじっと見つめる。
「ああ。思ってくれ。むしろだらしないからアンタの方がましなやつかもしれんぞ。ろくでもない生き方もしてたからな。酒飲んじゃギター弾き。ギター弾いちゃあ酒を飲み」
と、問われて酒を見つめる。
「わからん」
どぎっぱり。
「適当に頼んで割って割って割って……今こうなった。馬鹿の混沌とでも言うか。まさにこの世界にぴったりな名前だな」
フーリッシュケイオスならぬ、フールズケイオス。口角を上げた。
「……へへ、おいらもこう見えてだらしないですよ。
仕事の間隙にのんびりと昼寝シエスタも当たり前なので!」
そこは譲れないし罪悪感もあまりないと言わんばかりに断定しながらも、
「こうして気軽に音楽も人生も語り合えるダチが増えて、おいらは嬉しいです!」
と満面な笑顔を浮かべる。
「ハハハッ!馬鹿の混沌フールズケイオスですか! それじゃあ酒の正体を突き詰めても混沌が極めるだけだな! ここは細かいことは気にしない方がいい!」
と笑い声を上げながら、同じようなものを頼もうとする。
「これ飲み干したら、ちょっくらここで即興演奏でもしてみます?」
「おお、いいなあ。そういう昼寝も悪くない。むしろ黄金の時間じゃないか」
シエスタ、良い響きだよなあとうなずき謎の酒を飲み干す。
「そう、うまけりゃ畢竟銘柄も何もどうでもいいもんだ。どんな安酒でも楽しけりゃネクタル、どんな高級酒でも場がひどけりゃお酢だ」
(やがて謎のちゃんぽん酒が運ばれてくるだろう……)
「そうだなあ。酔ってて指先が大変なことになってたらすまんすまん」
「へへへ、そうですか? …確かに掛け替えのない時間かもしれません。 今は妻と一緒に寝ることもあって更に尊さが増してます」
と照れながら、自分も酒を飲む。
「こーんな酸っぱくなくってあったまる美味しいお酢なら、おいら何杯でも飲めますよ。懐が尽きない限り……おっと、ありがとうございます」
と謎のお酒もいただきつつ。
「いやいや、むしろそれも面白くなりそうです! アドリブしがいがありますよ」
とへへへ、と笑いながら、謎の酒も口に含む。
「ほーう」
にやりと笑い。
「そりゃあ、嫁さんめちゃくちゃあたためてやらにゃあなあ」
しみじみとした。
「まあ、素で酒を割った奴もうまくはあるがなあ。ビネガードリンク、今は美味いのも多いし」
謎の酒を飲み干せば、かーっと謎の声を出し。

「そんじゃ、いくかね、一曲。大将、ちょっと場を借りるぞ」
ギターを取り出して調弦を始める。
「ですね! ……ヤツェクさんも、奥さんとの寝床、温めるぐらい大切に」
同じくしみじみと、同時に末永く幸せを願うように呟きながら、一杯飲み干す。
「……うん、確かに。これはとてもうまい!」

「はい! ヤツェクさん、よろしくお願いします! 大将も失礼しますね」
ヤツェクさんの言葉に応じ、手元に黄金の百合トランペットを召喚させ、
一緒に演奏できることの喜びと楽しみで口元を緩めながら、チューニングを始める。
(奏で始めるのは素朴なメロディ、古くからあるような幻想の歌謡曲。それを気軽に砕いて,ラフにして、ジャズ調に変えていく。気まぐれなアドリブを込めながら)
(幻想の歌謡曲…中には妻と一緒に練習した音楽も含まれていたのかもしれない。
気まぐれなアドリブも、少し不慣れながらも応え、
自分からもアドリブで応え…それはまるで談笑し合う者達にも、
舞台劇の上で演じる役者達でもあるかのように、
素朴、けど自分達や周りの心を弾ませようと、音を奏でてていく)

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