ギルドスレッド
坩堝
……嗚呼、退屈。ロゼちゃんたら、何処へ行ってしまったのかしら。(バーカウンターに肩肘をつき、女は呟く。心底つまらないと溜息を零してから、暇潰しの相手を見繕う為、店内をぐうるり見渡した)
(導かれ惹かれるままバーの扉に手をかける。少し重たく感じたのはきっと初めての場所だから)……お邪魔しますだよ(場に似つかない稚い風貌をした少女が、興味深そうに扉から顔を見せた)
あら?(ぐるり向けた視線の先。愛しの紫花を捉えた女は、にんまりと口角を持ち上げた。高椅子から下ろしたピンヒールで床を踏みつける)あらあら。レーニャじゃないの。如何したの、こんな所で。私に逢いに来てくれたのかしら?(コツリ、コツリと音を響かせながら。小さな少女へと近づいた)
(続いて扉が開いたならヴェールの尾鰭を揺らした人魚が姿を現す)…あら……お邪魔するわね。…ご機嫌よう?(鈴を転がすような声がぼんやりと辺りへ響いた)
まあ。綺麗な子がもう一人。ご機嫌よう、海のお方。(少し奥に目を遣れば、とらえたのは眞白の娘。真似するように挨拶を返した)……何処かでお逢いしたことがあったかしら。噫、なくっても構わないわ。私ね、とっても退屈していたの。よろしければ少し、寄っていってくださらない?
(扉を肩で押して店内へ。両腕に抱える紙袋からは丸々と大きな林檎が覗いている。)たっだいま~♡林檎もらっちゃった~、ロザ~剥いてよォ。あれ、レーニャんきてんの?かわいー人魚さんもいるじゃん。二人とも入ってきなよ(にまにまと黄金の眼を細め、入ってすぐの所で立ったままの二人を交互に覗き込んだ。)
(愛しの妹の帰還に、笑みを更にゆらりと華やがせ)あらまあ、ロゼ。お帰りなさい、待ちくたびれていたわ。お二人もつい先程来られた所よ。此方の林檎は皆で頂きましょうか。(重いでしょう、と紙袋を受け取ろうと)どなたに頂いたのかしら?
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