PandoraPartyProject

ギルドスレッド

三昧場

【RPスレ】祭りの後の鬼と浪人と

祭りも終わり、皆帰路に就く……
だがそうでない者もいた

まだ飲み足りぬと鬼が誘う
誘いを袖にするのは男が廃ると浪人は受ける

鬼が誘うのは廃れたお堂
そこに在るのは襤褸布のような布団だけ
それでもここは鬼の住処

祭りは終わり、ここに小さな宴が始まる―――

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まぁ見ての通り寂れておるが飲むだけならば事足りる
酒宴の続きをしようではないか

(祭りで買いそろえ、ここに来るまでにも買った(買わせた)酒瓶を転がしお堂の中へ)

ああ、土足で構わぬぞ
お邪魔するで御座る……。

(対する浪人は、完全に意気消沈していた)
(理由は言わずもがな……とっておきの秘蔵酒を呑み干されただけに飽き足らず、更に肴と酒を大量に買った(買わされた)からである、要するに素寒貧という奴だ)

うう……また暫くは山で食料を採って来ねばいかぬなぁ。
もう飲まなきゃやってられんで御座る……。

(遠慮無く、草鞋のまま上がり込み座り込む)
かっかっか、そう気に病むでない
わしと飲めるのじゃからそれ相応の価値はあろう

(そういいながら早速一本目に手を伸ばす)

武士は食わねど高楊枝というじゃろう
やせ我慢も男の見せ所じゃぞ?
それを自ら言ってしまうので御座るか……いや、まぁ確かに瑞鬼殿は御美しゅう御座るが。

(素で言っている、今まで女性経験が無いとは恐ろしいものである)

財布を空にされて、流石に高楊枝は出来ぬで御座るよぉ!?

(うぎぎ……となりながらも、盃を手に取る)

はぁ……なれば、酌くらいはしてくれてもバチは当たらぬのでは御座らんかな?

(チラ、と視線を送りながら盃を差し出してみる)
それくらい言えばしてやるわ。なにせタダじゃからな
(手を伸ばし自らが口をつけた酒を杯へと流し込む)

それにわしの顔がいいのはわし自身が一番知っておる。昔から散々言われておるからな
しっかし幻介、おぬしあれで空になる程度の金しか持っておらんのか?
稼ぎも男の魅力の一つぞ?
くそぅ……これだから美形は。
(平々凡々な容姿の自身と比べ、少し凹む)

……拙者、宵越しの金は持たぬ主義で御座って。
(要するに、闇市で全部スったのだろう)
(誤魔化す様に視線を泳がし)

冗談で御座ったが……。
いや、ありが……!?
(待て、あの酒さっき彼女が直で飲んでなかったか……て事は)
(じっと盃を見て、ゴクッと唾を飲む浪人)
それは稼げる男が言う台詞じゃ。おぬしはもっと稼げるようになってから言うんじゃな
(からからと笑いながら再び酒を流し込む)

ん~? なにを狼狽えておる?今回は毒なんぞ入れておらんから安心せい
まさか恥ずかしいなんてことはあるまいな?その歳で
くっ、正論に御座る……!
(ぐうの音も出なかった)

わ、悪いか……?
拙者、今まで剣の道一本で御座った故に……女人から、その……この様な……。
(急にしどろもどろになる、若干酔ってるのと女性免疫が少ないのとで少し混乱気味なのだ)
ぷっ(まさか反応通り女人に対して耐性がないとは思わなかった。想像以上のカタブツだったらしい。思わず鬼の口から笑みがこぼれる)

くははははは! いやいや、悪くはないぞ?剣に生を捧げてきた、というのはどちらかと言えば好きな部類じゃ。それはそれとして愉快であることには変わりがない。だから笑うのは許せよ。はーっはっは!
(笑い過ぎて転げまわり、お堂の床をバシバシと叩く鬼。よっぽどツボに入ったらしい)
(大笑いされて、拗ねた様に顔を背ける)

くっ……し、仕方無かろう!?
姉上に四六時中修行を付けられてて、そんな暇は無かったので御座るから!

(新たな酒を開封し、別の盃に注いで一気に呷る)
(元の盃には口を付けていないので、床を滑らせて瑞鬼に差し出す)
くっくっく(盃を受け取り)
今までなくともこれから探せばよい。どれ、どんな女子が好みなのじゃ?
ほれ、言うてみよ。ほれほれ

(うざ絡みをする酔っ払い。打てば響く浪人の反応が気に入ったらしい)
まぁ、確かに……流石の姉上といえど、海を渡ってまで拙者の監視に来る事は……無い、と思いたい……多分。

(あの姉なら、絶対に無いとは言い切れないのが怖い所だ)
(しかし、絶対に面白がっている……ならば、意趣返しをしたいと思った所で何かを思い付き口角を上げる)

拙者の好みの女子はな……お主で御座るよ、瑞鬼殿。

(目を細めて盃を持ったまま指す顔は、宛ら悪巧みをしている狐の様である)
―――ほう?(一瞬にして酔いが抜け、鬼はにやりと牙を見せる)

こんな化生の様な女が好み、と? 随分と奇特な趣味をしておるな
どこが良いのじゃ? 言うてみい
あれ……?(何か冗談とか言えない空気になったで御座るな?とか思ってる)

(確かに好みのタイプだが、深く考えてなかった浪人)

どこが、といえば……まぁ、見た目は言うまでもなかろう?
自覚もしてると言うしな……だが、一番拙者が好んでいるのは、その『自由さ』よな。
根無し草の浪人故に、縛るのも縛られるのも御免被る所……なればこそ、瑞鬼殿の様な気性が共にあって互いに苦労せぬと思うので御座る。
(ぐいっと盃を飲み干し)
(決して適当ではない、元から思っていた事を率直に述べる)
ふーん……そうかそうか。なにかに縛られるというのは真っ平ごめんじゃからな
わしはわしのしたいようにしてやりたいことをするだけじゃ

(納得したようで鬼もまた杯へ口をつける)

まぁそれだけ口が上手ければ女子の一人や二人すぐ捕まるぞ
面は悪くないしのう
やりたい事をやりたいものよな。
拙者も、此方に来てやっと好きに出来る……と、思ったので御座るがなぁ~。
(はぁぁぁ、と深い溜め息)

いやいや、拙者ももうじきに三十路で御座るよ……人生五十年の半ばも過ぎた様な拙者の様なろくでもない男に引っ掛かるのは、余程危機管理のなってないか、相当の物好きくらいで御座るよ。
……まぁ、面が悪くないと言われて悪い気はせぬで御座るがな。
(自身の空いた杯に注ぎ)
(瓶の口を彼女に向ける、空いていたら注ごうと)
ふふっ、真に自由な者はいつでもどこでもやりたいことをやれるものよ
おぬしは根が真面目なのだろうな

(くいっと、盃に残った酒を飲み干しそのまま差し出す)

齢など関係なかろうよ。好いた惚れたは天命じゃ
きっとそんな物好きもどこかにはおるぞ?
もしかしたら近くにいるかもしれん
そういうもので御座るかね……。
根が真面目なら、こんな酒飲みにはなっておらぬで御座るよ?
(はは、と困った様に笑いながら彼女の杯に注ぐ)
(少し頬が赤いのは、照れているのか酔いのせいか)

ううむ、拙者にはよく分からぬで御座るなぁ……いやはや、色恋も中々に難しいものよな。
……はて、どうで御座るかね。そんな物好きがいたら、拙者はその者の正気を疑うかもしれぬな。
(飲んだくれ&ちゃらんぽらんな自覚があるので、そこまで自己評価は高くないらしい)
酒を飲もうが飲まなかろうが剣に時間を捧げたおぬしは真面目
少なくとわしはそう思う
ただそれだけじゃ

(注がれた杯に口をつけ)

かっかっか、人を好くような時が正気であるわけなかろう
真に正気であれば自分より誰かを大事にしたいと思うようなことはあるまいよ
なってみなければわからず抗うこともできないのが色恋ぞ?
やはり幻介はまだまだよのぉ
……そう言われると、何だかむず痒くなるで御座るなぁ。
(どれだけ頑張っても、褒められるという経験が少なかったのだろう……あの姉の教育方針が『叱って伸ばす』系なのも重なり、慣れない褒め言葉にどう返せばいいかという体)

(照れ隠しに、ぐいっと一気呑み)

むむむ……その道に関しては、本当に門外漢で御座るからなぁ。
しかし、そういうものか……一度はこう、話に聞く『燃え上がる様な恋愛』というものを経験してみたくはあるが。
(感覚的に、いまいちピンとこない様子)
まだ何も知らぬからこそ幻介が恋を知れば業火の如く燃え上がるかもしれんな
わしの見立てではそこそこ入れ込む性質じゃろうて
なまじあれこれ知っているよりもなにも知らぬ方がいいこともあるのじゃよ

(長生きしたが故の経験則。そんな輩はごまんと見てきた。なんにせよ他人の色恋を眺めているのは楽しいものだ。それを肴に飲む酒が美味くなる)
(それを聞いてもこの浪人、こんな顔である)
(まるでピンときてないらしい)

燃え上がりすぎて、消し炭にならねばいいので御座るがなー……正直、そうなる己がまるで想像出来ぬで御座るな。

というか、瑞鬼殿は……そういう経験はあったので御座るか?
(興味深げに聞いてみる、もしかしなくても結構酔いが回ってきてる)
ん?追われたことはあっても追ったことはないぞ。
わしは何かに執着するという欲が欠けておるからな。そもそもモノを大事に思うことが稀じゃ
子どもたちは育てたがあれは面白かったからじゃしのう……

しかしまぁ長い一生の中でそういう相手は度々おったがの
暇つぶしじゃな
達観してるので御座るな……これが、年の功――と、失敬。

(女性に対して、歳の話は禁句である)
(姉との対応で学んでいる浪人であった)

暇潰し、暇潰しか……鬼人種は長命と話には聞いているで御座るが。
そうなると、定命の拙者達とは価値観も違うか……。

(ふむ、と顎に手をやり)

……まぁ、暇潰しでも瑞鬼殿から好まれるなら男冥利に尽きるであろうさ。
誠にお美しゅう御座るからな……拙者もそこに惹かれて――いや、何でもない。
少々酔ったで御座るかな……いやはや、拙者らしくもない事を口走った。

(いかんな、と額に手をやり頭を振る)
(こんな自身に好意を寄せられても、きっと迷惑に感じるであろう……と、身の程を弁えたつもりになっているらしい)
ほんとの事じゃからな。歳のことは気にせんでよいぞ

(そんな事より面白い言葉があとに続いていた)

ん?ん???幻介お主わしに惚れたのか?
ほう?見る目があるな……つまり今回も下心、という訳じゃな?
かっかっか! よい、実によいぞ!

(己の膝を叩いて大笑いをする鬼。そしてそのまま酒を飲み干す)
くっ、何でこんな事に……。
(言うつもりは無かったのに、酒の力とは恐ろしいものである)
(吐いた唾は飲めないのだ……覚悟を決めるしかない)

はぁ……そうで御座るよ、拙者……『俺』は貴女に惚れてる。
ったく、何でこんな酔っ払いに惚れちまったのかね……。

(やれやれと首を振り、自身と彼女の盃に手酌で酒を注ぐ)
では、お主もわしに惚れさせるしかないのう
それはまだ一方通行。ただ一人で踊り狂うだけなら道化でしかない

故に見せてみるのじゃぞ?お主の格好良いところをな
わしは気長に待っておるぞ

(注がれた杯に口をつけ、酒を飲む。長い鬼の一生だ。またこんなことがあっても面白い。これからこの男が何を、どんなことを見せてくれるのか。それはそれは悠久の中でいい暇つぶしになるだろう)
中々難しい事を言うで御座るなぁ……。

(所詮は人斬り、見栄えを気にした事など皆無に等しい……死ねばそこから身元が割れ、一族郎党皆殺し。そんな世界で生きてきた)
(己が死なずに相手のみを殺す、泥を啜り血煙を浴び……どんなにみっともなくても死なぬ様に、そんな半生であった)

……まぁ、やれるだけはやってみよう。

(理由があれば、親兄弟であろうと斬り伏せてみせよう……そんな気概ではあったが)

手放したくない、もので……御座る、な……。

(盃を傾け、飲み干した所で……コトン、と手から溢れ落ちる)
(規則的に上下する肩は、寝入ってしまった事を現す)

(鬼と飲み比べるには、青年はあまりにも……ただの『人』であった)
おや……寝てしまったか
(男の纏う血の匂いから真っ当な道を歩んできていないことは想像できた。そんな男が恋を知り、これからどう変わっていくのか。それを特等席で見ることができるという事実に頬が緩む)

まっことヒトは面白いのう……
(徐に立ち上がると襤褸布を引っ張り出し男へかける。そのまま周囲に転がる空になった酒瓶を拾い上げると黒い炎が包んで消した)

さて、わしはもう少し飲むかの
(鬼にしてみれば瞬きのような人の生。しかしその一瞬が放つ光は目が眩むほどに美しい)
(そこには、蒼い顔で力無く床に横たわる浪人の姿が)

(完全に二日酔いの奴、吐き気と頭痛で死にかけてる)

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