世界平和統一――それこそが、全ての生命が安寧を勝ち取る術なのです。（ヌルウォーカーの手記）

こほん。
やあ、僕はアインウォーカー。
時計塔のⅠ番目の使徒だよ。見た目が少年だって？ふふ、僕こう見えてもアラフィフなのさ。
僕ら組織は、闇で暗躍する組織では無いよ。これをそれから説明するね。

つまり僕らは、『全世界が平和だといいね！』という思想のもとで動いている人たちさ。
『強制的に平和へ繋がる時間を時計が刻むように強制する調律師（チューナー）集団』という事だね。
平和の為に、我が人生を全て捧げる……というのを義務にしている――という感じかな？

僕ら時計塔は、それぞれ色が異なる時計を身に着け、黒衣を身に纏っているよ。
アインウォーカー、僕は黒色の時計だね。
僕の侍従、ノインウォーカーは、銀色の時計を持っているね。
他にもあと十一人いるんだけど……ま、彼らはこの特異点たる運命の座標には存在できなかった人たちだからいっか！彼らは彼らで、時計塔として日々人生を犠牲にしているよ。

さっきもちょっとだけ触れたけど、
僕ら時計塔は、人生を捧げて平和への時を刻むように仕向ける集団でね。
時計塔の使徒になる時に、『それまで一切の人生が、全て無かった事にされる』んだ。
複雑な身の上で仕方なく使徒になった子もいれば、進んでこの道に入った子もいるね。

僕は、特段何か悲しいことがあった訳でもなく、進んで時計塔になったワケ。
機械人形で生まれながらに強制平和思想があったから、僕は進んで時計塔になった身だね。
ノインは……まあ彼の話を僕がするのは、野暮だよね！

僕もそうだけど、元々あった人生を捨てているから、名前も無いんだ！僕ら。
僕らは、数字をコードネームとしてお互いを識別しているよ。
因みに、数字が低ければ低いほど地位は高いんだ。
ゼロ番目のヌルウォーカー（0）から、ツヴェルフウォーカー（Ⅻ）までいるよ。

……あ、気づいた？
僕、アインウォーカー！Ⅰ番目！時計塔のなかでも発言力が最高位だね！

僕の上に、ヌルウォーカーという司令塔がいるけれど、ヌルは引きこもりの性質があるから……僕未満の数字達がヌルの姿さえ見たことも無い。
僕はそして、記録係だね。記憶保存係。セーブデータの保持者だね。
僕以下の数字達はよく入れ替わるけれど、そのたびに先代の数字が行っていた命令の引継ぎを、新規の子に行ったりしているよ。

入れ替わるっていうのは、死亡や脱退によって数字を担っていた媒体が別存在に入れ替わるっていう意味もあるんだけど、
功績や、努力。強さ、能力によって、ナンバーが格上げされるっていう意味もあるね！
ノインが、アハトになる事もあるし、ドライにもツヴァイにもなる可能性があるね！ま！彼はその道は遠そうだけれど（クスクス）。

アインも変わるかもって？あは！僕は、不動だよ。なんでかというと……
それは、ひ・み・つ！
知らないほうがいいことも、世の中にはあるのさ！
あ、でも僕は戦闘系では無いんだ。ノインは戦闘型だけれど。
僕は裏方。だって役割記録係だし。
僕はノインを侍従として扱っているけれど、僕もノインに侍従しているのさ。

さ、これで紹介は終わりかな！
僕たち悪い集団じゃないから、たーっくさん、遊んで欲しいなー！

時計塔の鐘は常に世界の平和を祈って鳴り響く――絶え間なく、絶え間なく。