柔らかな風が頬を撫で、givenは静かに閉じていた眼を開く。
視線の先に広がるのは、暖かい木漏れ日が木々の間から降り注ぐ森の中。
いや、ここは只の森ではない。何故なら、そこら中に光の粒……数多の微精霊が飛び交っているからだ。
精霊達に此方への敵意は無い様で、興味深そうにgivenの周りを踊るようにくるくる回っている。
どうやらgivenは木にもたれて眠っていた様だが……はて、何故自分達はこんな所で寝ていたのか。
それ以前の記憶を思い出そうとするも、頭の中に靄が掛かったようで思い出すことができない。
これも精霊達の悪戯なのか分からないが、どれだけ思い出そうとしても記憶は浮かび上がってこない。
―――ガサリ
そんな時、どうしたものかと考えているgivenの近くの茂みが揺れる。
獣でも現れたかと身構えたgivenであったが、よく見るとそうではない。
人だ。それも、幼い少女が此方を見ている。
ふと、少女と目が合った。
すると、少女は「アッ……!」と小さく声を上げ、次の瞬間には森の奥へと走り去っていってしまった。
givenの周囲を飛び回った精霊達も、少女を追う様に森の奥へと消えてしまう。
この森が何処なのかはまるで分らない。だが、精霊を伴うあの少女が何かを知っているのは確かだろう。
いつまでもこんな所に座り込んでいても仕方がない。
未だに微睡みの中に居るかの様な頭を振り、givenは手掛かりを求めて森の奥へと進むのだった。
※このプライベートクエストについて
精霊の住まう森を進むクエストです。
精霊や植物と疎通出来たり、何かを探す能力や直感、優れた感覚を持っていれば、容易に進めるでしょう。
ただし、ひとつだけお気を付け下さい。
もし、精霊を害する力を持つ方が居た場合、この森から激しい抵抗を受けるかもしれません。