アルペイオスの鋏
波濤魔術の一つ。スフォルツァンドの詠唱と共に、声や楽器を介して送り込んだ至近距離への衝撃波が敵を吹き飛ばす。

トクソテスの一矢
声の“波”を絞り込み、指向性を高めたものを対象に撃ち込む波濤魔術。優れた肺活量を持つカタラァナの声は、敵に対する攻撃にもなり得る。

畏れを抱けペクテン
相手の恐怖心や危機感、嫌悪感を感じる音や言葉を意図的に用いて歌う歌。一瞬だけではあるが、その場に居る事を拒否した敵は後ろに全力で飛びのき、飛ばされたようにも見える。意志無き物は音圧を用いて飛ばす。

掻き抱くブライニクル
彼女にとっては珍しい、歌ならぬ魔術。 視線や動作、或いは歌の全てをブラフに用い生じた隙に魔力を捻じ込み分子振動に干渉する。 術中に嵌まれば、敵は氷結したかのように動きを鈍らせるだろう。

夢見る呼び声
深淵に眠り待つ神を言祝ぐ歌。 彼女がただ一つ、受け継いだ歌。 決して理解してはならない歌。 それを耳にして苦しむものは幸いである。 彼女と、彼女の神の信奉者となることを不幸とするならばだが。

揺蕩うバーラエナ
歌であることを放棄した歌。 唯でさえ莫大な声量を持つ彼女の声の“波”を圧縮し放たれる波濤魔術の一つの到達点。 可聴域外の音は薄黄色の魔力光を伴い刃物の如く敵を切り裂く。魔力も声帯も酷使する奥の手。

産めよ増やせよヒドロゾア
対象に取った相手の“波”を自分と同調させ、音を介して治癒の魔力を直接送り込む波濤魔術。瞬間ではあれど他人を同調させる類感魔術なので、人によっては甚だ不快。“波”の同調が肝の為、敵が聞いても効果はない。

揺籃のブライニクル
逆位相の波は標的の分子振動を止め、心拍は鈍り、凍えていく。強引に魔力をねじ込んでいた以前の氷結魔術に比べ、その歌で優しく敵を撫で導き、余った余力でより迅速に残酷に眠らせることが出来るようになった。

浄火の呼び声
その歌声は標的の体組織の分子振動を強制的に励起し、その身を裡より焼き焦がす。練達ではマイクロ波と呼ばれるそれの、我が身を裂いてしまいたくなる激痛に悶える姿は、己の罪に焼かれる罪人の姿と見紛わんばかり。