公認設定一覧
日向寺 三毒が公開している公認設定の一覧です。
生まれ
『三毒』とは、仏教において克服するべき最も根本的な三つの煩悩。貪欲。瞋恚。愚痴。それぞれ豚(猪)、蛇、鶏で表される。
そして牙、瞳、髪にそれらの特徴を持つ『混ざりもの』の鬼人種男児に与えられた名だ。
鬼人種の父に捨てられた母が「そんなものに囚われないで」と名付けたことも、彼女が旅人であったことも、幼少期に死に別れた彼は知らない。(163文字)
そして牙、瞳、髪にそれらの特徴を持つ『混ざりもの』の鬼人種男児に与えられた名だ。
鬼人種の父に捨てられた母が「そんなものに囚われないで」と名付けたことも、彼女が旅人であったことも、幼少期に死に別れた彼は知らない。(163文字)
設定中耐え
孤児となってからは田舎の寂れた寺に住み着き、近隣の八百万からは迷惑がられていた。
鬼人種というだけでなく、無口・無愛想・強面で得体が知れず、腕っ節も強かった(というのも加減を知らないための過剰防衛で自ら襲ったことはない)ため、いつしか恐れられて廃寺となった。
ただ無自覚の人恋しさを募らせ、世界を知らぬが故に人を嫌えず、言葉を交わすことの出来る相手との争いを嫌った。
言動から誤解され易いが繊細な性格である。(201文字)
鬼人種というだけでなく、無口・無愛想・強面で得体が知れず、腕っ節も強かった(というのも加減を知らないための過剰防衛で自ら襲ったことはない)ため、いつしか恐れられて廃寺となった。
ただ無自覚の人恋しさを募らせ、世界を知らぬが故に人を嫌えず、言葉を交わすことの出来る相手との争いを嫌った。
言動から誤解され易いが繊細な性格である。(201文字)
芽吹き
少しずつ自身を『獄人』と呼ぶ者達のことを理解し始めた頃、廃寺へ一人の娘が迷い込んだ。
『人喰い』と尾鰭のついた三毒の噂も周辺では既に有名で、口減らしに捨てられたかと憐むつもりが何故か猛アタックを掛けられて怯むことになる。
人種で差別せず心のままに生きている風変わりな娘に押しに押され、人恋しさを自覚させられれば絆されるのも時間の問題だった。
廃寺へ入り浸るようになった恋仲の娘との穏やかで鮮やかな時間は、彼にとって最も大切な記憶になった。(216文字)
『人喰い』と尾鰭のついた三毒の噂も周辺では既に有名で、口減らしに捨てられたかと憐むつもりが何故か猛アタックを掛けられて怯むことになる。
人種で差別せず心のままに生きている風変わりな娘に押しに押され、人恋しさを自覚させられれば絆されるのも時間の問題だった。
廃寺へ入り浸るようになった恋仲の娘との穏やかで鮮やかな時間は、彼にとって最も大切な記憶になった。(216文字)
散る
幸福な時間の終わりは鈍色だ。
娘の後をつけて現れた男達が抜いた鋼の色だ。
婚約の決まった良家の子女を誑かす『悪鬼』に向けられる視線も、言葉も、感情も、徐々に溶かされた身には余程冷たく突き刺さる。
痛みを飲み込み、彼は続く刃をも黙って受けることを選ぶ。
ただ、彼女の幸せを願って。
ここで震えて守られるだけの娘であれば、二人は出逢わなかっただろう。
迷わず腕を伸ばし、前を向き、毅然たる立ち姿で自ら盾になる女だったからこそ、三毒は恋をして、愛を知ったのだ。
血飛沫、咆哮、怒号、悲鳴、沈黙、沈黙……
息をしていたのは正に鬼の形相をした男一人。
誰の嫁にもなれなかった女は、腹に宿った小さな生命と共に二度と目覚めなかった。(300文字)
娘の後をつけて現れた男達が抜いた鋼の色だ。
婚約の決まった良家の子女を誑かす『悪鬼』に向けられる視線も、言葉も、感情も、徐々に溶かされた身には余程冷たく突き刺さる。
痛みを飲み込み、彼は続く刃をも黙って受けることを選ぶ。
ただ、彼女の幸せを願って。
ここで震えて守られるだけの娘であれば、二人は出逢わなかっただろう。
迷わず腕を伸ばし、前を向き、毅然たる立ち姿で自ら盾になる女だったからこそ、三毒は恋をして、愛を知ったのだ。
血飛沫、咆哮、怒号、悲鳴、沈黙、沈黙……
息をしていたのは正に鬼の形相をした男一人。
誰の嫁にもなれなかった女は、腹に宿った小さな生命と共に二度と目覚めなかった。(300文字)
設定中『墓守』
愛しい者達の亡骸を抱いて山深くへ籠り、墓を守って生きる。今度こそ、最期まで。
静かに眠るような日々は『神使』として呼び出されるまで続いた。
奇しくもそれは特異運命座標達が海を渡り、豊穣を訪れた頃のこと。
彼はこの閉じた世界を抉じ開けて新たな風を吹き込み、捻れを正してくれる者に力を貸そうと決めた。
『日向寺』は出会いと別れを知った廃寺の名。
沢山の蒲公英と向日葵が咲く、陽の当たる場所。
その地に生きる者にも名を忘れられ、『花嫁喰らいの悪鬼』の口伝のみ残る。(223文字)
静かに眠るような日々は『神使』として呼び出されるまで続いた。
奇しくもそれは特異運命座標達が海を渡り、豊穣を訪れた頃のこと。
彼はこの閉じた世界を抉じ開けて新たな風を吹き込み、捻れを正してくれる者に力を貸そうと決めた。
『日向寺』は出会いと別れを知った廃寺の名。
沢山の蒲公英と向日葵が咲く、陽の当たる場所。
その地に生きる者にも名を忘れられ、『花嫁喰らいの悪鬼』の口伝のみ残る。(223文字)