ラド・バウ
闘技場設定は『練習場』から!
現在RC:0 (SRC:0)
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セイバーマギエル現在報酬:基礎EXP16%、ファイトマネー系アイテム×2
最低参加レベル=22レベル
壮麗なファンファーレが鳴り響く。
重く響いてくるのは、空砲の雄たけびか。
イレギュラーズは一人。遠く明かりが見える石造りの通路、その向こうを睨んでいた。
――闘士入場!
石壁に反響するアナウンサーの声は、否が応でも闘いの刻を告げに来る。
光へ向かい歩き続けると、一気に視界が開けた。
この試合の観戦チケットは、なんと瞬く間のうちに完売したと聞いている。
対戦相手とイレギュラーズの共通点は鮮烈なデビューと、瞬く間のうちにD級上位まで駆け上がったこと。
互いに華々しい戦績を持つベビーフェイスのスタールーキー同士という訳だ。
そして――この勝敗にはD級の門番ゼラー・ゼウスへの挑戦権が掛かっていると来たものだ。
「あなたがイレギュラーズね?」
ラド・バウが、しんと静まりかえっている。
向こうからゆっくりと歩いてきたのは、背の低い少女だった。
小さな身体に金髪碧眼。勝ち気な視線は少し生意気そうで。鉄帝国の騎兵軍装を纏い、腰には二振りのサーベルを帯びている。
「ごきげんよう。わたしは『セイバーマギエル』エヴァンジェリーナ。誉れ高きエフシュコヴァの軍人にして、ラド・バウの闘士」
優美と云うよりは可愛らしく見えてしまうが。
エヴァンジェリーナはスカートを、ちょこんとつまんで腰を折る。
それから彼女は小さな右手を差し出してきた。
「良い試合を望むわ、闘士イレギュラーズ」
イレギュラーズの応えに、静まりかえった会場は割れんばかりの歓声に包まれた。
――セイバーマギエル! セイバーマギエル! セイバーマギエル!
――イレギュラーズ! イレギュラーズ! イレギュラーズ!
やれやれ、とんでもない人気だ。比率は伯仲といった所か。
思えば遠い所まで来たものだが、そう浸ってはいられない。
エヴァンジェリーナが外套を翻すと、甲高い音を立てて無数のサーベルが大地に突き立つ。
「さあ勝負よ! イレギュラーズ! どこからでもかかってきなさい!」
弾けるようにいくつものサーベルが地から飛び立ち舞い始め、彼女自身も二刀を構えた。
隙は無い。なるほどセイバーマギエル。これは強敵になりそうだ。