ラド・バウ
闘技場設定は『練習場』から!
現在RC:0 (SRC:0)
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悪辣ガッツ現在報酬:基礎EXP16%、ファイトマネー系アイテム×2
最低参加レベル=20レベル
壮麗なファンファーレが鳴り響く。
重く響いてくるのは、空砲の雄たけびか。
イレギュラーズは一人。遠く明かりが見える石造りの通路、その向こうを睨んでいた。
――闘士入場!
石壁に反響するアナウンサーの声は、否が応でも闘いの刻を告げに来る。
光へ向かい歩き続けると、一気に視界が開けた。
――イレギュラーズ! イレギュラーズ! イレギュラーズ!
イレギュラーズはふと、違和感に気づいた。
声援はその全てが自身に向かっているのが一つ。
土煙の向こうに立っている男は名乗りもしない。
おもむろに首を振って関節を鳴らし、それからツバを吐き捨てた。
客先から悲鳴にも似た怒号が沸き起こる。
――ゴミ溜めガドルフ!
――くたばれガッツ!
――負けて倒れて死んじまえ!!
とんでもない罵倒であろう。
だが当の男は罵声を意にも介さず指の関節を鳴らし、背負う長大な剣を構える。
「ヘッ……イレギュラーズだかなんだか知らネェが、このオレサマの敵じゃあねえ」
ようやく腑に落ちる。あの男は悪役(ヒール)だ。
観客はあの男――ガドルフ・ガッツを罵倒し、イレギュラーズが打ち倒すことを望んでいる。
そして胸の辺りのわだかまり、己が背をなで回す違和感の正体の全てを理解する。
イレギュラーズは勝利することと同じ程度に、無残な敗北をも望まれている訳だ。
観客にとってはどちらも最高のショーとなるのだ。
だが無論――
イレギュラーズは得物を構えた。
負けてやる義理など毛頭ありはしないのだ。