クエスト
闘技場設定は『練習場』から!
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KBH臨時放送――KBH臨時放送のお時間です。
ザ――
砂嵐が流れている。テレビ希望ヶ浜の放送は終了している。気まぐれだ。夜妖の撃退の為にと借り出され、漸く寮の部屋に帰還したのは3時40分の事であった。
泥のように眠ってしまおうかとあなた は思ったことだろう。音呂木・ひよのに「お疲れ様」と投げて遣されたミネラルウォーターで喉を潤して、備え付けのベッドに腰掛ける。其処までの動作に特別な意味があったわけではない。そう、怪異という存在は意図せずに現れるのだ。明確に其れを意識した人間は落胆を覚える事だろう。「なんだ、幽霊なんて居なかった」と。覚悟をした人間ほど、その存在を怪異として認識しないものだ。――つまり、今から起こる事に関してあなた に何らかの瑕疵がある訳ではない。其れは偶然であり、必然であり、そして、在り来たりな怪異の出現なのだ。
こんな噂を聞いた事はないだろうか。深夜の放送終了後に、テレビ上で流れるカラーバーが突然、「KBH臨時放送」のテロップと共に『どこか』の風景に変わって画面の下から上へに向かって名前と年齢らしき数字のリストがスクロールしていくと。
スクロールが終了すると、その画面には最後、締めくくるように「明日の犠牲者はこちらの方です」と書かれ、画面は元のカラーバーに変化するそうだ。
思い出した。そういえば、その噂をひよの達が口にしていた記憶がある。あなたがリモコンを手にしたのは何となくの気まぐれだったのだろう。スイッチを押せば放送終了のカラーバーが映し出される。時刻表示は3時41分だ。
その侭、ベッドから立ち上がろうとした時、テレビから発されたカラーがぱ、と変化した。画面の中に写された景色は何処であろうか……見た事があるようで見た事はない。
――KBH臨時放送。
今日もお疲れ様でした。明日もきっとお疲れ様です。今日も沢山死にました。明日も沢山死ぬでしょう。今日も楽しかったね。明日もきっと楽しいね。今日も生きていましたね。明日はさてどうだろう。
突如としてスクロールする子供が書いたが如き奇天烈な文章は奇妙な『祝詞』をバックミュージックにゆっくりと流れていく。
祝詞はなんと言っているのかは分からない。何かを唱えている。其れを理解する事は到底無理だろう。聞いた事が無いような言語のように感じる。
明日の担当。口裂け女。
市野沢 竜三(443)、東城 清高(340)、川邊 晃生(823)、Pasquale Ole Holzner(43)、Marinus Rodriguez Ramm(122)、フアン・マルティネス(54)、フェルミン・デ・ベドゥルナ(666)、メルチョル・コンタドール(643)、ウィリー・ビルバオ・フェメニーノ(??)、ルディ・パベス(32)、ソ・ジニ(5433)、シン・ジョンハン(954)、チャン・ドヨン(322)、テイラー・ベヴィス・サンター(355)、シャアラ・コイン・ブランシェット(7)、ハナ・ディ・ダイカ(56)、トリルビー・ディ・アニオス(422)、エスナ・エドナ・ブランチ(952)、ヴィッキー・ディ・ヘイマン(???)、アンガーリー・コックス・チャップマン(78)、アリョーナ・カードチュニコヴァ(749)、ビクトリア・オゴレルツェワ(454)、ワレンティナ・サモイロワ(87)、クリスティーナ・ゲルシュコヴィチーー
次はお前だ。
明日の犠牲者はこちらの方です。それでは、おやすみなさい。
クエスト内容
映し出されたテレビの内容について、佐伯操が希望ヶ浜地区にて電力関係及びaPhoneやテレビ等の製作管理を行っている『佐伯製作所』は臨時放送については関知していないと結論付けた。寧ろ、それは佐伯製作所の『放送』に何らかが割り込んできている可能性もあるらしい。
「一先ず……『理事長』が与り知らぬところであると言うならば、『映し出された夜妖』に対処するほか無いでしょう」
音呂木ひよのはそう言った。
……一先ず、夜妖の撃破に向かおうか。