PandoraPartyProject

シナリオ詳細

お前が花火になるんだよ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜の空に咲く光の華
 ドーン、ドドーン……と。
 覇竜領域デザストルの空に光の華が咲く。
 花火、だろうか? 色とりどりの光の華はとても美しい。
 しかし、なんだろう。花火の光の中に小型モンスターらしきものが紛れ込んでいるような……?
 いや、気のせいではない。
 地面を走る四尺玉のような何かが複数いる。
 ボールに足が生えて走っているかのような、その姿。
 一体なんだというのか? 練達でもあるまいし、自動兵器というわけではないだろう。
 となるとモンスター……だろうか?
 花火玉たちは片っ端から何かを捕まえると空に撃ちあがって光の華を咲かせていく。
 なるほど、どうやらそういうモンスターであるらしい。
 空に咲く光の華は綺麗だが……なんと迷惑なモンスターなのだろうか。
 その辺のモンスターを捕まえているうちはいいが、亜竜種がこの近くに来れば打ち上げられてしまうだろう。
 そして厄介なことに、花火玉たちのいるこの場所は他集落からフリアノンに続く、道の途中にあるのだ……!

●花火玉をどうにかしよう
「と、いうわけでな。どうにかせにゃならんのじゃよ」
『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)は集まった面々を前に、そう切り出す。
 モンスターの名前はスターマインボム。
 空に撃ちあがり自爆することで美しい花火となるモンスターであり夏になると何処かから現れる、覇竜の夏の風物詩だ。
 ただ、それだけならいいのだが……このスターマインボム、近くにある一定以上の大きさのものを抱きしめて空に撃ちあがる性質があるのだ。
 例年であれば亜竜集落から離れた場所で適当にモンスターを捕まえて撃ちあがっているのだが、どうやらアダマンアントが暴れた影響で今年は出現場所が大分亜竜集落に近い場所に「ズレた」ようだった。
「例年通りなら放っておけばよかったんじゃがの。今年のズレっぷりじゃと、対処せねば死人や怪我人が出てしまうからのう」
 何しろ天高く撃ちあがってからの大爆発だ。
 モンスターやイレギュラーズならともかく、一般人であれば普通に死んでしまう可能性もある。
 ……と、そこまで考えて何人かが気付いた。
 夏の風物詩。怪我人が出ないようにするための配慮。そこから導き出される答えは、つまり。
「まあ、此処まで言えば分かると思うがの? お主等、覇竜の夏の風物詩を守ってくれんかのう?」
 そう、花火玉たちをイレギュラーズの頑強な身体で受け止め、空に撃ちあがる。
 そうすることで一般人の死傷者は出ないし、覇竜の夏の風物詩も守られるという事だ。
「まあ連中、頭悪いからバリケードでも作っておけば突破できずにウロウロするじゃろ。その間に……のう?」
 何が「のう?」なのかは不明だが……あるいはデコイを設置することである程度は誤魔化せるかもしれない。
 勿論、誰かが本当に犠牲になって空に撃ちあがるかもしれないが……大丈夫、きっと綺麗な花火になるだろう。
 これは覇竜の夏を守るための、大切な仕事なのだから。

GMコメント

全部アダマンアントが悪い。
というわけで覇竜の夏の風物詩を守りましょう。
カカシみたいなデコイを設置することで、10発くらいは誤魔化せるっぽいです。
また、予想進路にバリケードの設置などをすることで拡散は防げます。落とし穴、その他移動禁止系は危険なことになるので、気をつけましょう。
あとは皆さんが撃ちあがっては戻ってくることでどうにかしましょう。
幸いにもレベルの低い方でも5,6発くらい撃ちあがっても何とかなりそうです。
皆さんが覇竜の笑顔を守るんです!

なお、現場は燃えるものは何もない荒野です。場所までの地図は相賀から貰えます。

●敵データ(攻撃すると自爆してしまうので大変なことになります)
・スターマインボム×100
全長1.2m程の手足の生えた花火玉みたいなモンスター。
一定以上の大きさのものを抱きかかえて撃ちあがり、綺麗な花火を咲かせます。
人間の方が好みみたいです。

・ビッグスターマインボム×2
どでかい花火玉。全長5m。中盤と最後に現れ、確実に皆さんを狙ってきます。

【つまりどういうこと?】
お前が花火になるんだよ

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • お前が花火になるんだよ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年07月11日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
メーコ・メープル(p3p008206)
ふわふわめぇめぇ
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方
シャールカーニ・レーカ(p3p010392)
緋夜の魔竜

リプレイ

●スターマインボムを迎え撃て
「私たちがアダマンアントと戦っている間に、フリアノンにこんな形で危機が迫るとはな……。故郷のためだ、ここは一肌脱ぐしかないだろう。こうなったからには、打ちあがる覚悟はできているさ」
 『緋夜の魔竜』シャールカーニ・レーカ(p3p010392)のそんな声が響く。
 まあ、この問題も下を辿ればアダマンアントのせいなので、おのれアダマンアントといったところだろうか。
「ゆるせねぇ……アダマンアント許しちゃおけねぇわ!!」
 『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)の燃やす怒りも当然のことだ。
「まさか私達自身が花火になる日が来ようとはな。だが、これが混沌だからと言われたら妙に納得してしまう自分がいるな……まぁ、ここ最近覇竜領域も色々あったから、この辺りで一発景気付けも必要だろう。こうなれば私達が体を張って、夏の風物詩を守るしかあるまい」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)もそんなことを言うが、一体どういうことなのか。
「今回はスターマインボムというものを処理する依頼ですめぇ」
 『ふわふわめぇめぇ』メーコ・メープル(p3p008206)の言葉通りだ。
 スターマインボム。そう呼ばれる打ち上がって爆発する為に生きている不可思議なモンスターだ。
 しかも迷惑なことに打ち上がる際に一定以上の大きさの……主に生命体を捕まえるのだ。本当に迷惑だ。
「うん、まさかとは思うがな。この覇竜のどこかに、こやつらのマザー的存在がいたりしないか? そうでも無ければ、ただ自爆するだけの存在が絶滅せずにいられる筈は無いだろう? 正直、めっちゃくちゃ気になるが、が! まずは、目の前の花火共でたまやしなければならぬ……!」
 もしかするといるのかもしれない。スターマインボムマザー。いないのかもしれない。分からない。
 ともかく『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)がそんなことを言う程度には理不尽な生き物だ。
「うん、混沌きてからもう長いけどさ、私。こんな依頼があるとは思わなかったし、こんなモンスターがいるとも思わなかったよ!」
 『常夜に潜むモノ』天之空・ミーナ(p3p005003)は言いながら近くにある物を使い、簡単なバリケードを作っているが、まあ居ると予想出来ていたなら予言者の域に近いから仕方ない。
「なんかやべえアリがいるってのは聞いてたけどよ、その影響がこんな感じで出てくんのか」
「アダマンアントの影響がこんなところに……楽しみにしていた風物詩が延期になるっていうのも、テンション下がっちゃうよね」
 一方、『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)はやる気満々といった様子だ。『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)も頷いているが……千尋は本当にやる気満々だ。
「花火玉をここから通すことなく処理できりゃ例年通りの綺麗な花火が打ち上る。なるほど、ヒーローには持って来いの舞台じゃねえの。最後の力が枯れるまで、ここから一歩も通さねえ!俺が、俺たちが『境界線』だ!」
「だね。これは正義の味方としてテンションもどデカい花火もぶち上g……って、えっ、打ち上がるのアタシたち?! マジで言ってんの? えっ、正気?! ママになるんだよくらいのノリ?! いやいや相賀さん、「頭悪いからバリケード設置して、のう?」じゃないのよ! 「のう?」じゃ! ないのよ!! モンスターの頭も悪いかもしれないけど、アタシたちのやろうとしてる動きも大っっっっ概頭悪い動きだよ?!」
 でもお前が花火になるんだよ。やったね咲良ちゃん、笑顔が増えるよ!
「ともかくまずは皆で協力してバリケードを作ろう。流石に色んな場所に拡散してしまったら対処出来なくなるからな」
「主にフリアノン方面に行く方向を塞ぐ形にしたい所。こんなけったいな相手に、フリアノンの街を蹂躙される訳にはいかない」
 ゲオルグとレーカのそんな指示に、全員がバリケードの作成に戻っていく。
「終わったら、カカシなどでデコイを作ろう。少しくらいは引っ掛かってくれるかもしれん……まぁ、人間の方が好みらしいので私達が打ち上がらずに済む方法はなさそうだ。それならいっそ、打ち上がるのを楽しむしかなかろう!」
「まぁ、なんだ。こういうのは結局のところ、ノリと勢いでいけばどうにかなるもんだ! さぁ、行くぞ! 私の江戸っ子魂を見せてやる!」
 法被姿&ねじり鉢巻きの汰磨羈がそう気炎をあげれば、千尋は意外に職人魂を見せていた。
「バリで花火玉の流れが一直線になるように誘導したい所だな。討ち漏らしが出る事だけは避けてえ」
「む……来たぞ! 全員準備だ!」
 ゲオルグの声と視線の先。そこには、ドドドと音を立てて走ってくるスターマインボムたちの姿。
「いや……流石に数多すぎんだろ」
 ミーナの呟きには酷く正当性があるが、さておいて。





●お前が花火になるんだよ
「さあ、祭りの始まりだ……! 1発なんて事は言わねえ!! 5……いや、10発くらい纏めて来いや!!!」
 千尋のそんな叫びと共に祭りが始まっていく。
「オラオラどきやがれ! 覇竜の祭りは『悠久ーUQー』通せや! えっ爆発? 誘爆? えっ? あっ、複数同時とかマジでアリな感じ?」
 チェーンをブンブン振り回す千尋が、爆発しそうでしなかったスターマインボムたちに捕まって打ち上がる。
「へっ……これで覇竜の皆の笑顔を守れるんなら安いもんじゃねえか……俺の事を忘れないでくれよ。夏の風物詩を守った『悠久ーUQー』の伊達千尋をな……!!」
 ドーン、ドドドーン、と。開幕からいきなりの5連発の光の華が咲く。
「うむ、千尋の奴が豪快にキめたようだな流石は『悠久ーUQー』、やる事成す事の次元が違う……」
 Gokuriと戦慄に唾を飲み込む汰磨羈は目をギラリと輝かせると近くのスターマインボムへと視線を向ける。
 ひるるる……と落ちてくる千尋は視界に入ってない。大丈夫、ちゃんと着地している。
「私も負けてはおれんな! まずはそこの貴様からだァーッ!」
 言うなり走り、手近なスターマインボムに自ら抱き着き打ち上がる。
 綺麗な花火だ、なんか形が猫っぽかった気もする。
「……ところで、けほっ、知っているか?」
\ねこは着地が得意だ/
「携行品の簡易飛行を活用し、落下ルートを調整→次のスターマインを目指して落下し、その上に着地! こうして無駄なく狙って着地する事で、間断なく打ち上がる事が可能というこt」
 また打ち上がっていく汰磨羈が空で光の華を咲かせれば、コルネリアも覚悟完了している。
「デコイとかは仲間に任せてアタシは打ち上がるわよ!! 打ち上がるってなんだ……普通に生きてて「アタシは打ち上がるわよ!」なんて使わないだろ普通!」
 なんかこうランキング系の何かに挑む人なら使うかもしれない。どうだろう。花火的な意味なら言わないかもしれない。
「アタシの【センスフラグ】……フラグ建築1級の匠から言わせてもらえば、今回うち上がらないで対処……なんてのは無理だと判断したわ。とはいえ他に出来そうなこともない……なら抱えるだけ抱えて星になるしかないじゃない!! 見てろよ観客ぅ!! こちとら悪辣シスターじゃ!! 惡の華見せてやらァ!!!」
 悪辣シスターの見せる惡の華。なんか血の色とかしてそうだがさておいて、コルネリアは自身に不滅の概念を定義、付与していく。
 いくらHPが0になっても蘇る花火打ち上げ機と自ら成るつもりであるらしい。そうして悪辣シスターなコルネリアはスターマインボムへと突撃していく。なんか見えた走馬灯は見ないふり。
「頼む、スターマインボム……アタシの言葉は通じないかもしれない、でも……それでもアタシ達はこの場において一蓮托生、一心同体、共に生命を燃やす"同士"……魅せてやろうぜ下から眺めてるヤツらにさ、ドデカいHANABIってやつを!! アンタ(スターマインボム)の中の火薬? なんか? を色々なんか気力でどうにかして夜空で目立つ赤色の「悪」花火を打ち上げる!! どうやるかだってぇ!?どうにかするんだよ!! 出来なかったらちょっとわからないです……」
 なんかコルネリアの漢気に感じ入ったのか、10発くらいのスターマインボムがコルネリアにくっついて打ち上がっていく。
 ドーン、ドドドドドドドドーン、ドーン。
 真っ赤な光の華の中になんか混ざってる悪辣シスター、HANABIの中で綺麗に巻き込まれて縦回転している。
 そうして夜空に綺麗に「悪」花火とコルネリアが咲いて。無事に自らクッションになろうとしたメーコの上にボテッと落ちてくる。
「え、これ後何回往復するの……? やめちゃだ……はい、やります……」
 まだまだ花火になろうねぇ。
「あぁもう仕方ないか!この際だから綺麗な花火として打ち上がってやるんだから! アタシたちが花火だ! そーれ! たーまやー!! かーぎやー!!」
 すでにデコイは使い切った。だからこそ咲良は覚悟を決めていた。
 テンションも何もかもぶち上げて、花火として夜空にGoする準備は万全だ。
「みんなの「正義の味方」はボロボロになりながらでも笑顔を提供するのがあるべき姿、だよね! ……よーし、やるよ。やる。アタシこそが綺麗な花火だ!」
 腹をきめたとても清々しい笑顔で、咲良は夜空で花火になる。
 青い星が四方八方へと散ったのは、スターマインボムの個体別の素敵な演出だろうか。
「ま、こちとら火には多少の耐性がある赤竜だ。早晩爆発四散するということもないだろうさ……多分、な。ところで、この環境灼熱環境下と言えたりはしないのだろうか……」
 どっちかというと爆発環境下であろうか。レーカも綺麗に打ち上がって、綺麗な赤の花火の中に巻き込まれていく。
「私達はスキルを使ってもそんなに早くは上昇出来ないし、ちょっとしたアトラクションみたいだな」
 すでに何度か打ち上がったゲオルグは言いながら、現れた巨大なビッグスターマインボムへと視線を向ける。
「ビッグスターマインボムか……あれは私が一体担当するぞ。何せこいつは確実に私達を狙ってくるらしいからな、私なら体力もあるし回復スキルで回復出来るから少し威力が高くても多分大丈夫だろう」
 そう声掛けするとゲオルグは、ビッグスターマインボムが自分のところまで来たのを見計らい、背を向けて待機する。
 どうせ打ち上がるならば……といったところだろうか。
 アトラクションとして楽しむ気満々なのかもしれない。
「そういえば、花火が立ち上がる時は何やら掛け声があるのだとか折角の機会だし力一杯叫ぶとしよう
 た〜まや〜!! と。そう叫んだゲオルグが高く、高く。空高く通常のスターマインボムよりも高く打ち上がって。
 巨大な、そして一際綺麗な花火を咲かせる。中心にゲオルグのシルエットが微妙に浮かび上がっているのが、なんとも恐ろしい光景ではあるのだが……ゲオルグを犠牲にして咲く花火は、とても綺麗だ。
 そんな中ミーナはひとまず花火の運命を回避しようと頑張ってみてもいた。
「…依頼だからって皆あまり無理はするなよ?しっかり回復してから向かうんだ」
 打ち上がってきた仲間を回復した後……幻影やドリームシアターで皆の中から誰かの幻を作り出し、マインボムの反応を伺ってみたのだ。うまくマインボム同士がくっついて打ち上がることを期待したのだが……。
(一番イメージしやすいって意味では自分自身なんだろうけども。うん。こう、なんかね? 幻による陽動及び同士討ちが効果的であれば、続行すればいいし……無効であれば…うん、覚悟を決めようか)
「あっ」
 いつの間に近づいて来たのか、そんなミーナを後ろからそっと抱くスターマインボム。
「……やっぱり私もいかなきゃダメ? 1000年来以上生きてきたけどさ、こんな体験初めてだよ。大砲で打ち出されたことはあるけどさ……」
 行かなきゃダメだよ♪ そうスターマインボムが言ったわけではないが。
 打ち上がっていく自分に気付き、ミーナはフッと笑う。
「イレギュラーズって過酷な仕事だよな……」
 本当に過酷ですね。メーコも必死で頑張っている。
 そう、メーコはできるだけ多くのスターマインボムを引きつけるために、まずは、と普通に鐘を鳴らしながら走っていた。
(スターマインボム自体がメーコ達を捕まえて浮かび上がるみたいですが、複数集まったまま浮かぶかわからないので引きつけながら量産型ハイペリオン様で自ら上がりますめぇ)
 何故そんなことをしようというのか。
「ある程度の高さになったら杖で叩くか、もしくはスターマインボム自らの自爆で大きな花火を見せてあげますめぇ」
 なんという自己犠牲か。他の人を受け止めるクッション役やヒーラー役のみならず、巨大な花火まで咲かせようとは。
 そんな心意気に応えるように、何体かのスターマインボムがメーコと共に空へと上がっていく。
―綺麗な花火は打ち上げられましためぇ……?―
 そんな声とメーコの笑顔が夜空に咲いた気がするのは、きっと気のせいではないだろう。
 あとなんかさっきからサムズアップする千尋の顔が夜空に浮かんでいる気がする。
 そうして打ち上がっていくと、祭りのラストを彩るようにビッグスターマインが走ってくる。
「む、いかん。ビッグなヤツが割と速い!? させるか!!」
 叫ぶと汰磨羈は簡易飛行で落下ルート調整し、ビックスターマインの近くにいるスターマインを曼珠血咲で狙い、爆発に巻き込まれながら着地する。
 巻き上がる煙の中から出てくるねこは……覚悟完了した汰磨羈その人だ。
「――またせたな、ビックスターマイン。さぁ来い! カマンッ!! ……あ、出来れば少しは加減して貰えると嬉s」
 勿論手加減なんかあるはずもない。
 巨大な光の華が、夜空にラストの輝きを見せて。
「I can fly......これが文字通りのHighってヤツか。夏夜の星空が目に染みるな……いやしかし、とんだ置き土産をしてくれたものだな、あのアリンコ軍団は!まったく、生態系を乱すという事がどれほどに恐ろしい事かを、正に身を以って思い知ったぞ」
「本当に疲れたよ……でも、一般の方で怪我した人がいないといいな。一般というか逸般の人なアタシたちがこういうとこで頑張ってこそ、だし。というかアタシ珍しくツッコミ入れたな。ま、こういうこともあるか」
 汰磨羈と咲良が、大きく溜息をつく。
「大変な目に遭ってしまったな……」
 だが実は楽しかったというのは秘密だ、というのは心の中だけでゲオルグは呟いて。
「ん、来年またお願いされたりするのか? これ?」
( ˙꒳˙)

(˙꒳˙)

(꜆˙꒳˙)

「いや、来年には元通りになっている筈、だよな?」
 表情を忙しく変化させながら、汰磨羈は夜空を見上げる。
 そこには千尋とコルネリア、メーコが夜空にサムズアップしている姿が見えているような……そんな気がして。
 勿論3人ともちゃんと生きてるし回収してるのだが……念の為揺すってみたのはまあ、仕方のない事だろう。


成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

夜空にキメッ☆

PAGETOPPAGEBOTTOM